今朝、いつもの様に王様とお散歩に行く為にローズガーデンの前の小道を通ったら、
薔薇が綺麗に咲いていました。
あなたの薔薇です。
初夏のしばらくを、あなたが過ごしていた部屋の窓から見えていた薔薇。
あなたが訪ねてくれる事が決まった時、
私が真っ先にした事は、薔薇に肥料をあげること。
普段誰も使っていないのを良いことに、あまりにも殺風景なゲストルーム。
窓から見える薔薇を大きく咲かせてあなたを迎えようと思いました。
あなたが到着したのはもう暗くなってから。
翌朝、嬉しい「おはよう♪」の後で「凄く素敵な薔薇!」と言ってくれたよね。
花は、誰も見ていなくても力を蓄え花を咲かせ、
その命を全うする強い強い生き物だけれど、
誰かが自分に気付いて、見守ってくれていることをちゃんと知っていると思うよ。
だからこの薔薇は、あなたが気付いてくれていたことをとても喜んでいたはず。
あなたが遠いところに帰って行く朝も、あなたはこの薔薇を見ていたね。
私はその後ろ姿にかけたい言葉が沢山有って・・・・
それでも何も言わないで、あなたのスーツケースを車に積み込むことにしました。
あなたが素敵だと言ってくれたから、この薔薇はあなたの薔薇になりました。
またいつの日かあなたが訪ねてくれるまで、
私がしっかりとお世話をすることにします。
何でも無いものが、特別なものになって行く。
それが思い出。