UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 322P

2023-11-19 20:24:37 | 日記
 小気味良い音が店内に鳴り響いた。一瞬にして静まり返る店内。さっきまではまだ野次馬として楽しむ余裕もあった人たちでさえ、流石に暴力を振るったところを見てしまうと、引いてしまうらしい。それに、きっとそれはそれをやったのが彼女−−つまりは女性側だったと言うのもあるだろう。
 だってそれぞれには連れの男性……つまりは野々野足軽と仮面の男な訳だが。そんな男性がいたのだ。もしも暴力沙汰が起きるとしても、それはきっと男同士で起きることだろう−−という思いがあったんだと思う。実際、野々野足軽だってそう思ってた。もしも何かあれば……あの男が平賀式部に変な事をしようものなら、野々野足軽は自身の彼女を守るために暴力だって厭わない覚悟をしてた。
 
 でも……だ。なんと野々野足軽に暴力を振るったのは男ではなかった。女性だった。しかもさらに言うと彼女は美女だ。大人のお姉さん−−そんな感じの見た目。もしも今、野々野足軽がこの人に反撃したらどうなるだろうか? 確かに先に殴ったのは彼女である。それは間違いないし、店内の人たちはそれが分かってないわけがない。それにいざとなったら防犯カメラだってあるだろう。そこに間違いなく今の彼女の暴力は記録されてるはずだ。
 けどだからってそれでも野々野足軽が悪者になる可能性はある。だってなぜなら、彼女は美女だからだ。そもそもが男が女に手を挙げる――なんてのは忌避されがちだ。だから暴力を使った瞬間……先に手を出されたとしても、男は女に対して不利っていう……
 
「お、おい、いくらなんでもそれは……」
 
 むしろそんなふうに仮面の男の方が動揺してる。まさか彼女が野々野足軽を叩くなんて思ってもなかったんだろう。そこまでする必要なんてない――仮面の男もそう思ってた。
 
「大丈夫ですよ。障害はすぐに排除しますね」
「いや、えっと……」
「あなた達は許されない事をしたんです。私と彼の間に入った。あの人の事を否定した。彼はあんなにも完璧なのに」
「いやー」
 
 なんか照れてる仮面の男。いや、そこは疑問に思えよ……と野々野足軽は思った。てか……眼の前の女性はやっぱり何か……どこかおかしい。そんなふうに野々野足軽は思う。さらにはこんな事も彼女は言ってきた。
 
「その子も……渡してください」
「なに……を?」
「彼はその子をお望みです。だから、ください」
 
 
 やばい――と野々野足軽は思った。確かにこの仮面の男もおかしい。けど、その原因を作ったのは野々野足軽だ。だからこいつがこんなに調子に乗ってるのは理解してるつもりの野々野足軽だ。原因の一端がある……と言ってもおかしくない、というかそのとおりだからだ。けど……けどこの女性はどうだ? 何故に彼女がそんな言動をするのか、全く持って意味不明。殴られたこともそうだし、今言ってることも意味不明過ぎた。
 
 だって普通は自身がデート中に同じ女性が関わってきた……となれば怒るのはわかる。いきなり横から現れた女が彼氏を誘惑してる……となるからだ。実際、そんな感じだったから野々野足軽も叩かれたんだろうって思ってた。なぜに自分が? という思いはあったが、それならわかる。けどそうでもない。だって彼女は平賀式部をよこせ……と、この仮面の男に差し出せと言ってる。
 
 そんなの普通は許せるか? 彼女なのに他の女を積極的に彼氏にあてがう? それってどこかの国ではありえるのか? とか野々野足軽は考える。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません) 運命という世界線を壊せ 959

2023-11-19 20:19:26 | 日記
 勇者が飛び出したか……ということは、流石にこっちの人達では手に余りそうなやつが出てきたということたろう。だって基本は私達はお手伝いに徹しようとおもってるからね。でも彼我の勢力差ってのはどうしてもあるのだ。だってなにせ、教会はずっとこの世界を支配してて、このときまでずっと準備をしてきたのだ。そして技術とか色んなものを溜め込んでる。
 それにたいして、こっちはそもそもがずっとその日暮らしみたいなもので、行き当たりばったり感が強い。本当なら、きっと戦いにすらならなかった筈。まあそもそも、私達が居なければ、こんな状況にさえならなかっただろう。私達がこの世界に居なかったら、抵抗も出来ずに地上の民はあの空の扉をあけるための養分になっただろう。
 楽園……そこに行くために教会は活動してる。そして楽園に行けるのなら、地獄のようなこの世界なんて心底どうでもいい……それが教会の上層部の考えだ。だがら命を残す……なんて考えなんてない。最後の最後には一匹の生き残りも許さないように、教会は波によって世界全てに砂獣を満たす……そんなつもり――それを私達はミレナパウスさんから聞いた。
 私だけじゃなく、そこには各街の代表者だっていた。憤慨してたよ。
 
「なんだと!?」
「あいつらめ!!」
「我らから全てを奪っていくというのか!! これ以上……」
 
 そんな声が聞こえてた。そして何を思ったのかミレナパウスさんに暴力を振るおうとした人もいた。それは勇者が防いでたけどね。なにせそれはお門違いだから勇者としては許せる事ではなかったんだろう。そんな勇者が目指すのは空だった。流石に既存の戦力はなるべく現地の人達に任せたい。なにせこの世界を本当の意味で守るのは彼らでないと行けないからだ。
 
 でも教会側には魔法がある。超常に干渉できる人の手段。それがあるとないとではぜんぜん違う。今、奴らは空からとんでもない化け物を呼び出そうとしてた。この戦場の死体……そしてこれまでの業を生け贄に、更には中央で作ってた砂獣たちも使ってるんだろう。それによって空には大きな雲の渦が出来てた。そこから伸びで来るのは人の腕が連なってるような……そんな物。明らかにやばい……そんなふうにきっと勇者は感じたんだろう。だから被害は出てないけど、勇者は飛び出した。そして勇者は聖剣を抜く。暗くなってた世界に聖剣の光が差し込む。そしてその光が空に出来た渦へと差し込まれた。