UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 327P

2023-11-26 20:19:49 | 日記
『何やら事件のにおいがしますね』
(変なことを言うなよ……)
 
 平賀式部から分かれた途端に頭に語り掛けてくるアースの奴。まあそれは理由がある。元から今日はデートだからと、アースにはその間は向こうからのアクションを禁止にしてたからだ。禁止といっても別に何かリスクがあるような契約をしてた――とかではない。ただの口約束である。
 だからその気になればいつだって話しかけることはできた。でも、そこらへんはちゃんと守ってくれたらしい。そしてもうデートは終了――とアースは判断したから、ここからは話しかけてきたんだろう。
 
『でも、やばそうとは思ってるでしょう?』
(それは……まあ……)
 
 否定したいが、昼間の出来事が野々野足軽の頭によぎる。あの出来事を思い出すと、彼女は大胆な行動をとることが出来る人間だということが嫌でもわかる。つまりはやばい。そう、やばい奴だ。
 
(あれ?)
 
 けどそこで更なる違和感ってやつに野々野足軽は気づく。
 
「なんか近いな……」
 
 実際最初見たとき、仮面の男と一緒にいる女性……そしてその背後を歩くやばい美女ってことで、これは鬼気迫ってる瞬間なのでは? と野々野足軽は焦った。けど……少し様子を伺ってるとそれがもしかしたら間違いなのではないか? と野々野足軽はおもってきた。
 なぜなら、近いのだ。仮面の男の背後にヤバい美女はいるけど、その距離は人が二人くらい間に入れるか? くらいの距離でしかない。流石にこの距離て気づかないわけない。むしろ、やばい美女は仮面の男に随伴してるような……
 
(そういえば、あの人別に自分だけであの男を独占したい……とかじゃないんだよな)
『そんなことを言ってましたね。つまりは彼女はあの状態を許容してるってことでしょう。不安なら感情を読み取ってみたらわかるのでは?』
(あの人の感情とか読みたくないんだけど……)
 
 野々野足軽は色々と考えて「はあ」と深い息を吐いた。なにせ今はなかなかに人が多い時間帯である。もしもここであの美女が事を起こしたらどうなるのか――きっと色々と大変だ。めっちゃたくさんの人に迷惑がかかること請け合いである。
 そしてそうなると、野々野足軽の性格上放ってなんておけないし、ここで見かけてしまってさらに見逃して何かあったら、やっぱり後悔するだろう。なのであのやばい美女が何もする気がない……と知るためにも、力を使ってやばい美女の心を覗く。その瞬間だった。
 
「うぷっ――」
 
 思わず前のめりになって口を押える野々野足軽。それだけの衝撃が襲うほどの物をその心に彼女は宿してた。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 964

2023-11-26 20:13:18 | 日記
 ヒビが入った砂獣達。ソイツらの内部から新たな何かが出てこようとしてる。ベリベリとヒビを剥がして現れるのは一回り……いや更に二周りは位は大きくなった同型の砂獣だ。
 ようはあれは脱皮? だったらしい。けどただ体がおおきくなったわけじゃない。なんか毒々しい色、刺々しい形……フォルムもなんか鋭利になってる。それに今までは目の部分だけが二箇所赤く光ってるって感じだったけど,なんか今や何箇所も赤い点が体中で光ってる。
 より黒い色の外殻になって、その中にある隙間が赤く光る事で、なんか恐ろしさをより増してるような……そんな感じだ。
 
「全員油断するな!」
 
 そんな指揮がドローンから響く。そしてすぐに戦闘は始まった。前の皮を脱ぎ捨てた奴から動き出したのだ。そしてその動きは、これまでのアリの砂獣の数倍速かった。
 
ガキィィィィィィィン!! キィィィィィィィィィィン!! カァァァァァァァン!!
 
 という硬質な音がそこかしこで響いた。
 
「そんな!?」
「硬いぞ!!」
 
 今までの砂獣なら新たに得た力……そしてその魔法の武器で一刀に出来てた。けど、脱皮を経た砂獣はどうやら最弱のアリ型の砂獣でさえ、これまでの比じゃないくらいに固くなってしまってるらしい。
 そこかしこで、その外皮の硬さによって、兵士たちが腕の痺れに困惑してる。
 
 
『一撃じゃな撃退できない? いや、私はそんなヤワな武器を与えた覚えはないわよ』
 
 私は一人、状況を見つつそう呟く。確かに脱皮をした砂獣は強力になってる。それはたしかだ。間違いない。軽くドローンでスキャンした程度でも、その構成密度が様変わりしてるのがわかる。てか分子レベルで構造を変えてきてるんだから驚きである。
 でも……それで絶望してもらっては困る。なぜならこちらの兵士たちだって、まだまだ伸びる筈だからだ。確かにこっちの武器は強力になってたし、自己強化もレベルアップした。
 みんなはそれを十全に使いこなしてるつもり? 私的に見たら全然だ。でもこれまでの砂獣はそれで簡単に倒せたから良かっただけ。
 でもそうでなくなった。なら、もっと出力を上げればいい。みんなはまだまだ新たな武器の力を引き出してる……とは言えないのだ。ただ新しいおもちゃを上機嫌に振ってたのが今までだよ。
 これからはそれでは駄目な相手が出てきただけだ。大丈夫、ちゃんと皆の武器なら通用する……
 
『――と伝えたいけど、やっぱりここは勇者にそれを言ってもらったほうがいいかな?』
 
 私、喋れない設定なんで……