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転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 84

2024-10-07 19:22:17 | 日記
 彼女がどうなったのか……彼の記憶にはなかった。彼と彼女の邂逅はあれが最後。それ以降はいくら観てても彼女……知的美人さんが出てくることはないようだ。
 てかなんかいつの間にか彼……はとても老けてた。若々しかった姿が老いてるのが時々見える。それは壁に反射した姿とかが見えるんだ。昔はふさふさだったのに、いつの間にか彼は頭頂部に髪はなくなってた。けど横とか後ろにはふさふさでその部分の髪を長く伸ばしてた。
 
 服装は基本白衣。けど彼は何かを常に背負ってる。銀色のランドセルみたいな……それは中央の部分に熱を逃がすためのファンが取り付けられてた。
 さらにはなんかいつの間にか左手は義手になってるし、目も片目がなんかおかしい。義眼が入ってるみたいだ。色々情報を表示してくれる便利義眼だ。
 義手の左手もそうだ。色々と便利ギミックがあるみたいだ。指先がドライバーになったり、フォークになったり、くだらなそうだけど、地味に便利な機能がついてる。
 
 体は色々と変わってしまったが、どうやら彼が研究に没頭してることはかわってない。私が見ても理解はできないが、なんかすごい事をやってるのはなんとなくわかった。
 
『おい! いるか! 研究はどうなってる!!』
 
 そんな怒声と共には言ってくるのはなんか乱暴そうな奴らだ。ガシャガシャと黒い鎧……というかロボットなのかそんなのを引き連れた奴ら。
 
『う、うるさい。既に理論は完成した。そっちはどうなんだ? ちゃんと実験は完遂したんだろうな?』
『お前、どの立場でそんな事いってる? 貴様は罪人だぞ!!』
『ふん、それがなんだ』
『やはり頭だけにした方がよかったな』
『それだと、何百年停滞することになるかな。それがわかってるんだよ。お前の上司たちはな。だから俺はここにいる。わかったらさっさと使い魔になってろ』
『この凶悪犯罪者が!!』
 
 そんな会話の後にガシャーン!! という音が響く。彼が殴られたのだ。まああんな風にいってたら……ね。同情の余地ない。それに……なんか色々と気になるワードがあった。
 てか、なんか『彼』犯罪者になってない? でもそっか、確かに犯罪者とかになって、色々と苦労をしてきたというのなら……その頭も仕方ないよねって私は思った。
 きっと彼は苦労が頭に出るタイプだったんだろう。


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