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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第十六話part2

2024-10-02 23:52:49 | 日記
(確かに流石にサルはスマホは使えませんね。私は使えますけど)
 
 そんな風にアースはどこから調達したのか、最新版のiPhoneをもってた。ポップさはなく、大人っぽくシックな輝きは大人の余裕を感じさせるその色はきっとチタンの輝き……プロマックスである。いや俺よりいいの使ってるじゃん――と野々野足軽は思った。だって足軽のは数世代前のアンドロイドである。
 やっぱり学生的にはiPhoneが最上位にあって、その下に有象無象のアンドロイドがある感じだ。そしてそのiPhoneの中でも最新機種のプロマックスは学生が持ってたらどや顔で取り出して自慢できる程の逸品だ。
 一週間はそれでドヤれることだろう。そしてそういう、物での立場の確保って奴も学生には大切だったりする。まあアースはそんなの気にする必要性はないが。
 そもそもそがどうやってアースという人外がスマホを持ってるのか? というほうが野々野足軽的には気になった。もしかして盗んだとか? 
 
(それって使えてるのか?)
(失礼ね。勿論。ほら)
 
 そういってスマホの画面を見せてくるアース。そこには食に関しての投稿フォームがあった。アカウント名『地球の女神』でどうやらアースは様々な食に対するレポートを書いてるらしい。
 そしてそれを発信して現代の現世の人達と交流を図ってるようだ。何やってるんだこいつ? と足軽は思った。
 
(てか料金は? どうやって払ってるんだ?)
(私を誰だと思ってるんです? 地球の全ては私の物ですよ?)
 
 なんかものすごいジャイアニズムを聞いた気がする野々野足軽である。でも実際はそれはあながち間違ってはない。だってアースは地球そのものだ。地球の意思がこうやって姿を現した存在がアースである。
 ならば地球から産出される全ての物がアースの物……アースからできてると言える。つまりはそう……全てはアースという地球無くしてできないのだから、全てはアースの物というのはその通りなんだ。
 だからってそれで料金を払わなくていい事にはならないだろう。だってそんなことを店頭で言っても「変な客が来たな」と思われるだけだろう。そもそもこいつのこの見た目じゃ人前になんてまともに出れないし……
 
(俺の口座から勝手に……とかいうなよ?)
 
 一番心配したのはそれだ。だって一番可能性が高いだろうと足軽は思ってた。アースの知りあいは野々野足軽しかいないんだから、使えるものといったら足軽の物だ。
 そこでお金……となるとね。
 
(違いますよ。そもそもそんなに入ってないじゃない)
(それはそうだけど、なんかそんな風にいわれると悔しいな……)
 
 学生だから仕方ないだろ……とそのあとも言い訳を繰り返す足軽。けどそれならば本当に料金はどうしてるのか謎だ。なにせ見せてくるiPhoneの画面にはちゃんと三つの線が立ってる。つまりはちゃんと電波を掴んでるのだ。しかも4GLTEだ。良い回線使ってる。
 
(ふふ、あまり秘密を暴こうとするものではないですよ。別に違法な事はやってません。安心してください)
(……それならいいけど……)
 
 納得できないけど、別に自分には別に関係ないか、と思い直す野々野足軽だ。アースなら上手くやってるだろうし、きっと問題ないんだろうと勝手に納得することにした。
 そんなアースのスマホ事情よりも、サルという物理的な問題の方が深刻だ。放っておいたらいつ襲撃されるかわからない。足軽は自分ならどうにでもできるが、あのサルが他の人……それこそ小頭や育代を襲うかもしれないとおもってる。
 それに……だ。それにもっと別のそこらの他人を襲っても別になんらおかしくないのではないだろうか? と思ったりもしてる。


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