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裾貧乏(すそびんぼう)だった家康

2006-11-23 23:49:24 | 眇め草紙

 

裾貧乏(すそびんぼう)だった家康  
写真㊤:光東照宮
日光東照宮は、元和3年 (1617)徳川家康公を奉祀し創建された神社



 裾貧乏としては、歴史上家康がとくに有名だ。

                          徳川家康

 我が国の支配階級のうち、とくに武家は全員上から下まで裾貧乏だった。
 家康だけが裾貧乏だったわけではない。ただ飛び抜けていただけだ。

 ところで、裾貧乏とは近頃あまり耳にしない言葉だ。しかし昔はよく使われた言葉である。 広辞苑によれば……

 【裾貧乏】 すそびんぼう: 性欲の強いこと。好色なこと。また、その人。浄瑠璃、新版歌祭文「裾貧乏のはった行き過ぎ丁稚め」

 ……とある。(下記 参考 を参照)


 しかし、家康時代の【裾貧乏】の持つ意味を現代の基準で判断すると大きな間違いを起こす

 遠く戦国時代以前から、武家が生存競争に勝つには裾貧乏でなくてはならなかったのだ。
 武家の場合、家を継ぐのは男子に限られていた。男子が絶えれば、家も絶えてしまう。養子を娶(めと)ってでも、お家の継続を図るという日本独特の制度だ。 裾貧乏の第一の理由である。

 それだけでなく、子供は多ければ多いほど良かった。男子でも女子でも、政略の道具として他家へ養子や嫁にやり、お家の安泰を図らねばならなかったのだ。 裾貧乏の第二の理由だ。


 裾貧乏は生存競争のためとはいえ、現代の常識では理解しがたいものがある。しかし……

 徳川の三百年近い政権安泰も、元はといえば、家康の裾貧乏のおかげである。 

 

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  参考 (広辞苑)

 【裾張り】 すそばり: 性欲の強いこと。また、その人。多く女性にいう。すそっぱり。吉原徒然草「女房をうまく拵え、裾張りなる者引こみ」

 【裾分限】 すそぶげん:精力の強いこと。また、その人。多く男性にいう。強蔵(つよぞう)

                                        
06.11.23

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