現代版・井戸端会議
写真上:江戸浮世風呂 画像元URL http://www5.ocn.ne.jp/~ukiyo26/
江戸時代以降昭和30年代半ばまでは庶民の情報交換や社交の場は、男女を問わず町内の銭湯だった。また男には町内の床屋、女には長家の井戸端会議という強力な場があった。
江戸時代には情報交換といっても、新聞はない。せいぜい「瓦版屋」が配る瓦版程度であった。ラジオの普及も昭和に入ってからだ。ましてテレビなどはなかった。
だから「口コミ」が唯一の情報交換(コミニュケーション)の手段であり、銭湯や床屋は “浮世風呂” ”浮き世床” と呼ばれ、格好の情報交換や社交の場であった。
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とくにご婦人にとって、長家の井戸端は情報交換だけではなく絶好の社交の場であった。
現代での情報交換は、マスメディアの発達・インターネット・携帯電話等々、その手段に事欠かない。そのかわり、過去の風俗は消え去ってしまった。
長家がなくなりマンションになって、井戸端を失ったご婦人の痛手は非常に大きかった………ところがドッコイ、そうではなかった。ご婦人の井戸端は生きていた。どこに?
病院や診療所にである。待合室は絶好の井戸端である。とくに整形外科は、待合いだけでなく、治療・リハビリ室などが現代版井戸端となり、首や腰を牽引しながらマイクロ波を浴びながら、婆さんたちが水を得た魚のようにいきいきとペチャクチャ、ガヤガヤとクッチャベッテ(喋って)いる。その賑やかなこと! ウルセエこと!
A婆「あんた、インフルエンザの予防注射済んだ?」
B婆「未だ。申込書の『自己資金』の欄に幾ら書こうかと思って迷っているんじゃ」
A婆「自己資金?なんじゃ、そりゃ。自己資金じゃなくて、『自己負担』と違うか?」
C婆「隣の○○さんなあ、100万もする指輪を買ったってサ 知っている?」
D婆「知らんな」
C婆「飼い犬とそっくりなご面相で、そんなものしても無駄だと思うワ あの犬を産んだのは、あの奥さんじゃない?」
D婆「ホントッ 首輪にした方がヨカッタのと違うか?」
CD婆「ギャハハハハッハ!!!」
いやその姦(かしま)しいこと!
じゃあ、なぁ~