先日のこと
「この空間があり続けるように、応援したいよ」
と友人が言ってくれました。
じ~んと来ました。とても嬉しい言葉でした。
おうちパン屋があり続けるように・・・。
最近、思い出すことがあります。
もう9年くらい前になるんだな。
田舎に住みたくて、Iターン情報など探していたときに、
町を挙げて移住者家族を受け入れていた所がありました。
愛知県の足助(あすけ)町。
宿場町という歴史からか、余所から来る者を受け入れてくれる寛容さが町全体にありました。
今で言う「空き家バンク」もあって、
畑つき、蔵つきの古民家が格安で提供されていました。
百年草という施設には、温泉と地元おばあちゃん達が営むパン屋さんと
おじいちゃん達が頑張るハム工房があって、介護デイサービスがある施設ですが、
お年寄りも、その家族までもが楽しそうに入って行く姿にびっくりしました。
デイサービスの暗さが無いんです。
当時は1歳にもならない長男を連れて横浜から足繁く通い、
足助のYHに寝泊まりしながら
夜な夜な田舎暮らしの夢をオーナーさんたちと語り合っていました。
役場の方々ともいろんな話をして。
『横浜から移住を検討の家族来る!』みたいな記事が地元紙に出たりして(笑)
その頃から、田舎で暮らす収入の手段として、
そしてもちろん家族のために
パン製造にも本格的に修行に行っていた時期だったので
「いずれ、ここの小麦でパンを作る手助けをしたい・・・」なんて夢を話したら、
「それは、いい!三州足助屋敷に水車があるからそこで挽こう!」なんて
どんどん話は具体化・・・
町を良くしたい。。そんな想いが繋がっている感じがしました。
紅葉がきれいな香嵐渓(こうらんけい)の側には
お母さんたちが主役の「お母さんの店」が。
郷土料理を提供する居心地の良いお店。手作りのものがいっぱいです。
何よりお母さん達が元気♪
これが私の原点。
でも、昔から土地勘があり神奈川にも日帰り圏内な八ヶ岳に移住を決めました。
それから8年。後悔したことは一度もありません。
観光地で、首都圏からも近い八ヶ岳には美味しいお店もいっぱいです。
でもそれぞれが個々にあって横に繋がっている感じがしない。。。
役場も風光明媚なことで移住者は自然と増えているから、
町を良くしようとか、人口の減少にもそれほど緊迫感もないし。。
でもそれは、この自然があるからこそのこと。
壊すのは一瞬。守ることをちゃーんと考えて行かなきゃ。
足助で感じた繋がっている感覚。
そんな場を作りたいと思っても、口だけではダメなんだという悔しさを感じた数年間。
パン小屋はそれを形にしたもの。まずは自分がちゃんと立ってみようと思いました。
私のものであって私だけのものではないもの。
横に繋がることのできる空間としてあり続ける。
。。。それを応援してくれて本当にありがとう。
地元の方、移住して来た方が地域を元気にしたいと一緒になって頑張っている
「パノラマ市場」もとても素敵な場所です。
もっと若い世代が関わってくれたら・・・おばちゃんたちから多くを教わることができたら・・・
割烹着を頂いたとき、やっと認められた様な気がして嬉しかった。
まずは自分が中に入って立ってみよう。
そしてみなさんを繋げるパイプ役になれたら。。
そんな思いで続けています。
偉そうに書いちゃいましたが、まだまだその歩みはゆっくりです。
今年のGWの店舗開店の時、
横浜時代からを知っているFちゃんが来てくれて、
「カエさん、いろんなことができるお母さん達を繋げたいって言っていたものね。
夢叶ったんだね♪」
って言ってくれて、自分でもハタっと気づいたんです。
今年はいろんな想いが形になった時かもしれないって。
ここまで頑張って来てくれた家族も含めて、一度認めてあげたいな。
「よくやったね♪」って。