雪の降る小道でアルミ扉で守られたお地蔵様を見つけました。
地蔵堂の四方がアルミ扉で覆われています。
古くから町内の地蔵堂として祀られているもので、中には8体のお地蔵様がいらっしゃいます。
小矢部には約1800体の石仏があり、その約80%が地蔵菩薩です。
「県境にいたる奥深い山地を含めて、小矢部市の面積は134平方キロであるから、1平方キロに13個体の石仏があることになる。したがって、小矢部のどこででも立ち止まって周辺を見渡せば、石仏がどこかにあるといってよい。また、人口約36,000(現在 約32,000)であるから、約20人(現在 18人)で石仏1個体を祀っていることになる。」 <「小矢部市の石仏について」 京田良志 『ふるさとの石仏 第十二集 総集編』小矢部市教育委員会・小矢部市婦人ボランティア育成講座 平成3年発行>
小矢部市婦人ボランティア育成講座ふるさとグループ(文化財愛護コース)の皆さんが市内に分布する石仏を昭和54年から12年間にわたり調査し、その結果を12集からなる「ふるさとの石仏」と題する報告書にまとめました。
報告書は石仏の形状(大きさ・尊別・印相・持物・姿勢)別に分類し、石仏にある刻字から制作年や作者を判定し由来を調査したもので、「何よりも、供養の心をもって歩かれたのが特色であり、石仏調査であるとともに、石仏巡礼でもあった」と記されています。
「地蔵堂の石仏は磨滅もなく手厚く祀られているが、道端で風化した石仏を拝む時、無力な自分が情けなかった。」
<「永伝寺・恵性庵の調査にあたって」岡田静子『ふるさとの石仏 第11集 寺院その二』小矢部市教育委員会・小矢部市婦人ボランティア育成講座 平成2年発行>
「一生に一度は訪ねてみたい百ヶ所」遊歩百選(主催:読売新聞 平成12年7月選定)に石動の寺と石仏が選ばれています。
参道に佇む三十三観音像、風情ある古刹と背後に広がる城山が雪に煙り、まるで水墨画のようです。
こちらもご覧下さい。→ 永傳寺<遊歩百選に選ばれた石仏の寺>
永傳寺の石仏の調査報告があります。
「永傳寺参道右側に花山法皇は番外として第二番より三十四体までが西国三十三所観音で三十五体目は不動明王でこちらも番外です。この三十五体は、大正初期に彫られ石工の名前もほぼ判明している。」
「造立主はいすれも幼い子に先立たれた両親の深い悲しみ、願い、又、亡き両親の供養にと子供達が造立した石仏など今回迄を通し幾世代経ても優しい笑顔のまま何も語っては下さらぬみ仏達の声なき声が私達の胸に迫ってくる感じがした。」
<「永伝寺・恵性庵の調査にあたって」岡田静子『ふるさとの石仏 第11集 寺院その二』小矢部市教育委員会・小矢部市婦人ボランティア育成講座 平成2年発行>