いするぎ便り

歴史を求めて季節を感じて…
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「空間造形展」 アートフィールド2012 in 埴生八幡林

2012-09-20 | 旅行

木曽義仲の祈願社として知られる護国埴生八幡宮で空間造形展が開催されています。

 埴生護国八幡宮 <義仲が戦勝祈願した大社> 

 

空間造形展

アートフィールド2012 in 埴生八幡林

9月19日(水)~23日(日) 9:00~17:00

入場無料

22日(土)19:00~20:00 社殿ライトアップ

作家11名+1グループによるインスタレーションおよび立体作品

 

■開催趣旨■

平安時代の末、源平合戦の折に木曽義仲が陣を敷いたといわれる『埴生八幡林』、現在の埴生護国八幡宮と倶利伽羅源平の郷埴生口の野外空間を現代のアートフィールドとして、地域の作家たちがインスタレーション、立体作品を制作・設置します。このことで「歴史の空間」の中に、新たな「芸術の空間」を生みだすことがねらいです。

順路に沿って、作品と、作品によって変化した空間の様相を体感してください。


 

作品の一部を紹介します。

 

 

 

野沢みさえ

「兆し 2012」

 

 

 

 

藤井治紀

「We will not complain.」

 

 

上田和宏

「1183-くりからにて」

 

 

 

石丸大祐

「私のヒモロギ・イワサカ」

 

 

角度や陽光が変化する野外での芸術作品の写真撮影は難しいですね。

どの瞬間をどの空間で切り取ればよいのか?迷いました・・・

 

時間が流れている限り同じ作品にはニ度と出会えない。

 

ぜひ現地で、一期一会の感動を体験して下さい。

 

 


源氏太鼓<下後亟神明宮>

2012-09-11 | 旅行

9月10日 下後亟神明宮の秋祭りが行われました。

神事のあと「浦安の舞」「獅子舞」が奉納され、小矢部市の無形民俗文化財である「源氏太鼓」が披露されました。

 

源氏太鼓

倶利伽羅合戦の際、土地の様子に明るい蟹谷次郎をはじめとする越中国の武士が先導し、義仲軍は大勝利を得ました。先陣を承った郷士の蟹谷次郎は酒宴をはって戦勝を祝い、兵士たちは舞いながら競って勝関太鼓を打ち鳴らしました。これが源氏太鼓の始まりとされています。<埴生地区郷土史編集委員会「木曽義仲と埴生 観光ガイドブック」より>

源平供養塔付近にある「蟹谷次郎記念碑」

「源氏太鼓保存会」建立


 

実った稲穂が広がる豊かな田園地帯。日本の原風景です。

蟹谷次郎は合戦後、この地に移り住み、開拓に従事しました。

下後亟神明宮は奇祭「酒とりまつり」でも知られています。→酒とりまつり・城山 お花見祭り

 

平和を祈念する「浦安の舞」

 

獅子舞

 

源氏太鼓は小矢部市の民俗文化財に指定されています。

打ち手が入れ替わるときには、バチを高く回し投げるパフォーマンスも。

「大神楽」「八囃子」「源氏太鼓」などが、笛の音に合わせて勇壮に打ち鳴らされました。

 


延喜式内 宮中比賣神社

2012-09-07 | 旅行

宮島峡の中央に鎮座する「比賣神社」は、延喜式神名帳の中の「越中国三十四座礪波郡七座」のうちのひとつとしてその名が記されています。

延喜式神名帳とは、延長5年(927)に朝廷によって編纂された日本全国の神社一覧のことです。

比賣神社は、朝廷から格式が高く、官社(朝廷より祈年祭・班幣を受けることができる神社)として認められていた古社です。

 

 

ひっそりと静まりかえった境内に悠久の時が流れていました。

比賣神社のもとの御神体は、かつて境内にあった大小の石を巻くように生えていた藤の巨木の枯木だといわれています。

石を巻きこんでいるその姿から「藤巻石」と呼ばれています。

 


 

天平時代、越中国司で万葉歌人でもある大伴家持は、比賣神社を厚く信仰し、多くの供物や修理費の寄付をしました。

 

「当社は古来より尊崇厚く、越中国司大伴家持参拝の際、斎木貞信を従六位に叙し、当社及び長岡神社の神官に任じ、礪波郡神祇の府とし宮島郷四十三ヶ村氏神惣社としたとある。」(案内板より)

 

「祭神・田心比売命は、国を守り、無病息災の願いをきく女神であったが、その霊験を証拠づける多くのいい伝えがある。・・・

元明天皇の和銅年間(708~714)には、越中国全域に疫病が流行したが、その時は、悪疫退治の祈願所となった。

聖武天皇の天平年間(724~748)には、国家平安祈願のために宝鏡が奉納されている。

同じ天平18年(746)の大かんぱつの時は、国司 大伴家持 が雨ごいの和歌を奉納したが、その験が現れて人々を助けたという。・・・」(ふるさとガイドおやべより)

 

比賣神社の近くには子撫川が流れています。

鵜飼の好きな家持が 小撫川(さき田川)でのアユ漁をこころまちにしているのを詠んだとされる歌があります。

 

 

「あら玉の年ゆきかはり春されば花咲きにほふ

あしひきの山下響み落ち激ち流る辟田の

川の瀬に鮎子さ走り島つ鳥鵜養伴いへ

篝さしなづさひ行けば吾妹子が形見がてらと

紅の八入に染めておこせたる衣の裾も徹りて濡れぬ」

 

 

 

 

「毎年に鮎し走らば辟田川鵜八つ潜けて川瀬尋ねむ」

 

 

 

 

「紅の衣にほはし辟田川絶ゆることなく吾かへり見む」

 

 

宮島峡の山と川を見渡し

鵜飼に興ずる家持の姿を思い巡らしてみました・・・