古いダイニングチェアらしき椅子3脚の張り替え依頼をいただきました。
破れているわけではないのですが、インテリアにはこだわりがある依頼者さんで
タイコ鋲を使ったこの形を守ったまま明るいイメージにしたいようです。
依頼者さんが、この椅子をどういう経緯で入手して張り替えることになったか?
今度聞いてみますが、もしかしたらかなり古い物かもしれませんね。
はがしてみると、通常使われている10㍉肩幅のテープルでなく、足長10㍉程の釘打ちで
張り込んであり、タイコ鋲のところのテープモール芯には紙ヒモが中芯で使われていました。
今回の難関はこのタイコ鋲のカーブをいかにキレイに3脚を同じに仕上げるか?
張り替えの場合、元のウレタンをそのまま使うことも時にはあるのですが
せっかく張り替えるのでボリュームアップした方がよろこばれるので、最近は新しい
ウレタンを厚みアップで交換することにしています。
でも、少し型紙的に無理が出来てシワで苦労しますが・・・
今回は、10㍉のウレタンを新たに15㍉の2層ウレタンをレーザーカットしたものに交換します。
そうしたことでウレタンとタイコ鋲を打った時の質感も予想外にうまく出なくて
代用材をつかって試行錯誤を繰り返しました。どれも納得できず、
思い切って タイコ鋲のモールを別の工法に変更することにしました。
イラストレーターでタイコ鋲の均等配列の図面を作成し、ウレタンと表皮の型紙と
椅子本体との整合性を確認し、モール芯と型紙をレーザーカットします。
タイコ鋲を均等に打つための穴を開けて、背当て部分とのカーブに合わせたパーツを
1ミリのPP板を中芯用プレートとしてレーザーカットで作成して表皮に巻き付けて縫い付けました。
依頼者さんの指定の銅のタイコ鋲に負けないように5番の太い糸で2重のステッチを入れました。
タイコ鋲って本当にまっすぐ均等に打つのが難しいですね~~ 数本無駄にしてしまいました
3脚、イメージが全く変わり、モダンな感じになりました。銅のタイコ鋲が
使っていてどのように色が変わっていくか・・・数年後に確認してみたいものですね。
表皮は依頼者さんにカタログから選んでもらいました。
このレザーは安価で色も豊富にあるのでお勧めです。
安価なインテリアも良いですが、古い物をレストアして使い続けるスタイルの
お手伝いもしていきたいと思っています。
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