私の好きな歌人ナンバーワンは、
永田和宏と河野裕子である。
甲乙つけがたいから、両方ともナンバーワンなのである。
2人は、恋愛結婚で結ばれた。
学生時代からの付き合いである。
長年にわたり、
2人は、夫婦であり、
同士であり
ライバルであり
よき理解者でもあった。
河野の方が先に死ぬことになっていたらしいが、
河野は64歳で癌がもとで亡くなってしまい
永田は取り残されてしまった。
河野の死の前後、
永田は多くの挽歌を歌った。
「夏・2010」永田和宏著。
その思いが痛切に感じられる歌集である。
人生の哀しみがしみじみとにじみでている。
……
われよりは長生きをせよするべしと夕べのさくらに触れて冷えゐつ
歯ブラシをくわえてあなたは死ぬのよと託宣のごときは風呂の中より
あの午後の椅子は静かに泣いてゐた あなたであったかわたしであったか
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