いい天気でしたね
秋晴れの最高の日でした
温泉に入って
ソフトクリームを食べて
買い物をして、帰って来たんですよ
いい日だった
…スーパーで買い物をしていると
俺の方を見て手を振っている女の人がいた
…
…
…
同級生で幼馴染み
ババ隊長である。
腐れ縁も腐れ縁の奴である。
俺と同じ美容院に行きながらも
ここ何年か会っていなかった
会わなくても全く気にならない
会いたいとも思わない
会っても久しぶりとも思わない
まぁ、何とも表現しにくい奴である
もうね、温泉に入って来て気分爽快とか
ソフトクリーム美味しかったとか
そういうのがぶっ飛んだ。アイツに会ったのだから。
俺の方が先にレジが終わった
これで、ババ隊長の事を待たずにスス~ッと帰ったら
あとで何を言われるか分からない
しばらく待って、少し会話をしてから帰る事にした。
…
ババ隊長の次にレジを待っている小さいババアがいて
これまた気が強そうな
綾戸智恵みたいな顔をしてるのが立っていた
…ババ隊長のお母さんである
これもまた何年ぶりにあったのか元気そうである
…
ババ隊長と、お母さんがレジを終えて
そんでもってここのスーパーのレジが新しくなってて
レジを打ってもらって、会計は機械でお客さんが済ませるという新しいやつになってた。
『これどうやんの?何コレ~やった事ないんだけど!!』とババ隊長
『年寄りに機械いじれって言ったって無理だ!オラ、いやだ!!』と、ババア
んで、俺が教える。
『ほら、金を入れて。ここ、画面のココにタッチして。そしたらレシートとお釣り出るから。ババアもほら、ココに金を入れて』
『ここに?二千円重ねて入れていいの?』
『横に入れてくれって書いてるから横にして。重ねていいから。だから、縦に入れるなババア』
『だから機械いやなのよ~』
まぁ、とにかくうるさい。
買った商品をビニール袋に入れながら
俺に話しかけるババアと、ババ隊長
もうさ、久しぶりで嬉しいの分かるけど一緒にしゃべんな。
とにかくババ隊長に連絡がつかなくなったので
『お前のLINE教えろ。登録するから。』
って言うと
『俺、コレわかんねぇんだよ。ブロックしてて、ふるふるじゃできないっけ』
『そういわれたら俺もよく分からねぇから、んじゃ美容院の店長に聞いて登録して。』
『ちょっと、アンタ!真面目にやってる?仕事!』←ババアの会話割り込み
『うん。だな。真面目にやってる。』
黄色いTシャツを着ていて
胸にポケットが付いていて
そのポケットからスマホが飛び出しているようなプリントがされているのを着ている。
『なんだ母さん、シャレてんの着てるな!ウチのオヤジまだガラケーなのにスマホじゃん!!』
『でしょ~!オシャレでしょ~!』
『あ~うるせぇ、うるせぇ!!』
ゲラゲラ笑って
『アンタ、ホント、相変わらずだなぁ~今度遊びに来い!近所なんだから!!』
『気が向いたら!!んじゃあな!!』
…
逃げ帰って来た
以前にも書いたけれど
ババ隊長の強烈エピソードを書くと(その時はババ隊長って書かなかったかも
地元の仲良しメンバーの中で誰よりも先に結婚したのがババ隊長だった
とにかく、男勝りの性格で乱暴で
見た目は大人しくしてればキレイな方なのに、そういう感じじゃない。
まさか誰よりも先に結婚すると思わなかった
…
貧乳で、『えぐれている』とまで言われていたが
赤ちゃんが生まれて退院して来てスグの時
俺に電話がかかって来たのだった
『赤ん坊連れて帰って来たから見に来い』
そういう電話だった。
赤ん坊を見に行くと
おお、来たか!!とばかりに赤ん坊を抱きあげ
オッパイをペロンと出して、赤ちゃんに飲ませ始めた
…
俺は分かった。
コイツ、赤ちゃんを見せたいんじゃなく
大きくなったオッパイを俺に見せたかったんだな…と。
…
数年経ってから、飲み会の席で
『あの時、お前わざと俺にオッパイ見せたんでしょ?』
って聞いてみたら
『だって、見せたかったんだもん』
…そういう奴だ。
しばらくぶりで会ったけれど
何だか元気そうで何よりだった
ババアも相変わらずで、うるさいほど元気で安心した。
…
先月、オヤジさんが亡くなったと風の噂で聞いたけれど
知られたくなくて家族葬で終わらせたとか。
こういう場合は、お悔やみを持って行っていいのかどうか悩む。
でもな、あのジジイも何回か会って話してるからな…
俺が温泉でリフレッシュした事とか
ソフトクリーム美味しかったとか
そういうのも全部、ぶっ飛んだな。
とにかく強烈な2人組にせっかくの休日をアレされた気分。
…
まぁ、許してやるか。