parismaris's days*

苛烈な夏を越えて (庭だより*2024.秋)

秋バラの季節がやってきました。

今年ほど、強い緊張感と疲労感とをもって、この時季を迎えたことはありません。

ほんとうにほんとうにほんとーーーに、大変だった、この夏は!!!


真夏の猛烈な暑さと、それをいつまでも引きずり続ける秋のせいで、大げさでなく、今年は秋の花は見られないかもしれないと幾度も覚悟をしました。

…いや、花以前に、バラの株そのものを無事に夏超えさせることができるのか、それすらも危うく思えて、毎日必死でした。


とはいえ、自然の驚異を前に、私にできることなどたかが知れていて。

毎日観察を欠かさず、それによって発見した異変には即座に対応し、適切に水をやる。

そして、株の夏バテ防止に、毎朝シャワーで葉水を葉裏からたっぷりやる。

とにかく葉を落とさせぬよう、それだけに注力して過ごしました。


そして迎えた、今。
バラたちはたくさんの蕾をつけて、ゆるゆると咲き始めています。

…よくがんばった、私!
お疲れ、私!

今日は、そんな私への報労のような、庭だよりです*



『ラグナプリンセス』

切り花品種です。

切り花(習っているフラワーアレンジメントの花材の残り)から挿し木した2株を育てているのですが、2年近く経ってようやく、安定して春にも秋にも花をつけるようになりました。




こちらは2株目の花。

どちらもまだ幼い株ながらも、こんなに色よく形よく咲きました*

ちなみに、香りはありません。
生産性こそを重んじられた、切り花品種ならではの宿命でしょうか。



『ラフメイカー』

バラのナーセリー、『アップルローゼス (Apple Roses)』のオリジナル品種です。

このナーセリーは香りのバラで有名なのですが、このラフメイカーもそれに違わず、とても強いシトラスの香を持ちます。




この株だけは、猛暑のあいだ一度もバテず、そして病気にもならず、心配とは無縁でした。

おかげでこの秋も、それはそれは香り豊かに、すてきなラベンダーピンク色に咲いています*



『オードリーヘップバーン』

写真に撮る前に、室内で活けるためについ手折ってしまって…こんな画像でごめんなさい(苦笑)

今年は猛暑期にひどいハダニ被害にあってしまって、退治するのに手を焼きました。

それでも、朝の葉水やりを始めてからはそれ以上被害が広がることもなく、どうにかきれいな葉を今日まで保つことができての、この花です。

爽やかなティー香も豊かに、大きくふんわりと、とても軽やかに咲きました*



『フランシスデュブリュイ』

こちらは夏バテを起こして、葉の数をずいぶん減らしてしまいました。

古い品種は、暑さに弱いものが多い気がします。
(この地の暑さが尋常でないせいもあるのでしょうけれど)

にもかかわらず、なぜか元気いっぱいで(笑)、蕾もたくさんついています。




それはそれは濃厚なダマスク香が、うっとりする香りを放っています。



『イブピアッチェ』 (『イヴピアジェ』とも)

ある日突然、他のバラの鉢の中に現れた、居候さん。
(その謎はいまだに解けていません…!)

一度分離を試みましたが、根が大家のバラ(白花のアバランチェ)のそれと複雑に絡み合っていて、断念しました。

ゆえに、そのうちに弱って枯れてしまうかも…と思っていました。

が、それからさらに年月を経ても、同居したままお互いが元気。

この苛烈な夏をもそのまま超えたので、もうこのふたりは引き離せないということでしょう(笑)




咲き始めは丸い形ですが、咲き進むとシャクヤク咲きの本領を発揮して、こんなにも華やかな姿に。

香りもとても強くて、ダマスクモダンが、まるで香水のように風をも染めます。



『芳純』

夏バテで葉のほとんどを落としてしまったがゆえのエネルギー不足からか、花びらの数が少なくて、形もご覧のように悪いのですけれど、なんとか花を見ることができました。

香水にもなった、やわらかなダマスク香も、今秋はひかえめ。

ご老体なので、様子を見つつ摘蕾をして、秋には多くを咲かせないようにしています。



『アバランチェ』

切り花品種。
お花屋さんでは定番の白バラですね。

3株あるのですが(挿し木がつきやすいようで、いつのまにかこんな数に…!)、みんな元気*

香りはありませんが、このまろやかな白がお気に入りです。



『ピーチアバランチェ』

夏バテしかけたのに、あっというまに持ち直した健康優良児(笑)

シャーベットカラーのピンク色がとても映える、切り花品種です。



『スペード』

昨今はあまり見かけなくなってきた、切り花用の品種です。

中心からの、黄色→白色のグラデーションが、何気に素敵でしょう*



『オーシャンソング』

切り花品種。

この、ほんのりとフリルを帯びた花姿と、グレイッシュな色とが、なんともエレガント*

母のお気に入りなので、咲いたらすぐに手折って、せっせと隣家へと運んでいます(笑)



『アマダ』

情熱の、黒味を帯びた赤色。
これも切り花品種です。

元気に夏を越えたのですが、今秋の花はやや小ぶり。




それでも、蕾はたくさんついていて、花数はあるんですよ*



『エクレール』の枝替わり

脇の一枝だけが、数年前から枝替わりして、この薄桃色の花を咲かせるようになりました。

本来のエクレールよりも花弁の巻きがゆるくて、大きさもおよそ倍。

何より色がまったく違います。




こちらが、その本体の『エクレール』。

ね? けっこう違うでしょう?

おもしろいですね、植物って。
不思議がいっぱい。


まだ日中は汗ばむことも多いけれど、ようやく、ほんとうにようやく、秋らしい日差しになってきました。

「過酷だった」という思い出しかない夏(苦笑)

植物も動物もにんげんも、お疲れさまでした*

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