秋バラの季節がやってきました。
今年ほど、強い緊張感と疲労感とをもって、この時季を迎えたことはありません。
ほんとうにほんとうにほんとーーーに、大変だった、この夏は!!!
真夏の猛烈な暑さと、それをいつまでも引きずり続ける秋のせいで、大げさでなく、今年は秋の花は見られないかもしれないと幾度も覚悟をしました。
…いや、花以前に、バラの株そのものを無事に夏超えさせることができるのか、それすらも危うく思えて、毎日必死でした。
とはいえ、自然の驚異を前に、私にできることなどたかが知れていて。
毎日観察を欠かさず、それによって発見した異変には即座に対応し、適切に水をやる。
そして、株の夏バテ防止に、毎朝シャワーで葉水を葉裏からたっぷりやる。
とにかく葉を落とさせぬよう、それだけに注力して過ごしました。
そして迎えた、今。
バラたちはたくさんの蕾をつけて、ゆるゆると咲き始めています。
…よくがんばった、私!
お疲れ、私!
今日は、そんな私への報労のような、庭だよりです*
『ラグナプリンセス』
切り花品種です。
切り花(習っているフラワーアレンジメントの花材の残り)から挿し木した2株を育てているのですが、2年近く経ってようやく、安定して春にも秋にも花をつけるようになりました。
こちらは2株目の花。
どちらもまだ幼い株ながらも、こんなに色よく形よく咲きました*
ちなみに、香りはありません。
生産性こそを重んじられた、切り花品種ならではの宿命でしょうか。
『ラフメイカー』
バラのナーセリー、『アップルローゼス (Apple Roses)』のオリジナル品種です。
このナーセリーは香りのバラで有名なのですが、このラフメイカーもそれに違わず、とても強いシトラスの香を持ちます。
この株だけは、猛暑のあいだ一度もバテず、そして病気にもならず、心配とは無縁でした。
おかげでこの秋も、それはそれは香り豊かに、すてきなラベンダーピンク色に咲いています*
『オードリーヘップバーン』
写真に撮る前に、室内で活けるためについ手折ってしまって…こんな画像でごめんなさい(苦笑)
今年は猛暑期にひどいハダニ被害にあってしまって、退治するのに手を焼きました。
それでも、朝の葉水やりを始めてからはそれ以上被害が広がることもなく、どうにかきれいな葉を今日まで保つことができての、この花です。
爽やかなティー香も豊かに、大きくふんわりと、とても軽やかに咲きました*
『フランシスデュブリュイ』
こちらは夏バテを起こして、葉の数をずいぶん減らしてしまいました。
古い品種は、暑さに弱いものが多い気がします。
(この地の暑さが尋常でないせいもあるのでしょうけれど)
にもかかわらず、なぜか元気いっぱいで(笑)、蕾もたくさんついています。
それはそれは濃厚なダマスク香が、うっとりする香りを放っています。
『イブピアッチェ』 (『イヴピアジェ』とも)
ある日突然、他のバラの鉢の中に現れた、居候さん。
(その謎はいまだに解けていません…!)
一度分離を試みましたが、根が大家のバラ(白花のアバランチェ)のそれと複雑に絡み合っていて、断念しました。
ゆえに、そのうちに弱って枯れてしまうかも…と思っていました。
が、それからさらに年月を経ても、同居したままお互いが元気。
この苛烈な夏をもそのまま超えたので、もうこのふたりは引き離せないということでしょう(笑)
咲き始めは丸い形ですが、咲き進むとシャクヤク咲きの本領を発揮して、こんなにも華やかな姿に。
香りもとても強くて、ダマスクモダンが、まるで香水のように風をも染めます。
『芳純』
夏バテで葉のほとんどを落としてしまったがゆえのエネルギー不足からか、花びらの数が少なくて、形もご覧のように悪いのですけれど、なんとか花を見ることができました。
香水にもなった、やわらかなダマスク香も、今秋はひかえめ。
ご老体なので、様子を見つつ摘蕾をして、秋には多くを咲かせないようにしています。
『アバランチェ』
切り花品種。
お花屋さんでは定番の白バラですね。
3株あるのですが(挿し木がつきやすいようで、いつのまにかこんな数に…!)、みんな元気*
香りはありませんが、このまろやかな白がお気に入りです。
『ピーチアバランチェ』
夏バテしかけたのに、あっというまに持ち直した健康優良児(笑)
シャーベットカラーのピンク色がとても映える、切り花品種です。
『スペード』
昨今はあまり見かけなくなってきた、切り花用の品種です。
中心からの、黄色→白色のグラデーションが、何気に素敵でしょう*
『オーシャンソング』
切り花品種。
この、ほんのりとフリルを帯びた花姿と、グレイッシュな色とが、なんともエレガント*
母のお気に入りなので、咲いたらすぐに手折って、せっせと隣家へと運んでいます(笑)
『アマダ』
情熱の、黒味を帯びた赤色。
これも切り花品種です。
元気に夏を越えたのですが、今秋の花はやや小ぶり。
それでも、蕾はたくさんついていて、花数はあるんですよ*
『エクレール』の枝替わり
脇の一枝だけが、数年前から枝替わりして、この薄桃色の花を咲かせるようになりました。
本来のエクレールよりも花弁の巻きがゆるくて、大きさもおよそ倍。
何より色がまったく違います。
こちらが、その本体の『エクレール』。
ね? けっこう違うでしょう?
おもしろいですね、植物って。
不思議がいっぱい。
*
まだ日中は汗ばむことも多いけれど、ようやく、ほんとうにようやく、秋らしい日差しになってきました。
「過酷だった」という思い出しかない夏(苦笑)
植物も動物もにんげんも、お疲れさまでした*