セグメントゲームズ

元ゲームプランナーという、しがない肩書きだけが取り柄のゲームブログ。生ラジオの告知が中心で、たまにテキスト対談を更新中!

3DS『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』 ファーストインプレッション

2013年02月09日 14時41分58秒 | 【旧】購入・レビュー話
やっぱりドラクエは、ドラクエですよね。





ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち
対応ゲーム機 ―→ ニンテンドー3DS
発売日 ―→ 2013/02/07
希望小売価格 ―→ 6,090円(税込・ダウンロード版も同価格)
ジャンル ―→ ロールプレイングゲーム
プレイ人数 ―→ 1人
すれちがい通信 ―→ すれちがい石版などの交換
インターネット通信 ―→ データのダウンロードなど
CERO ―→ A(全年齢対象)




■====== 簡単なご紹介 ======■

2000年にプレイステーションで発売された同タイトルの、リメイク作品です。
グラフィックはフル3D(当時はマップデザイン以外2D)となり、もちろん立体視に対応。すれちがい通信で石版を交換し合ったり、石版レーダーで石版が探しやすくなっていたりと、新機能も搭載されています。


基本はいつものドラクエですが、主な新機能をいくつか紹介しておきますかね。

・石版レーダー
下画面の左上に丸いランプが付きます。いま訪れている町やダンジョンに石版が残っている場合は、光って知らせてくれます。また、石版のある場所に近づくと光り具合も変わったりします。
この他にも、石版をはめこむ場所にはヒントを教えてくれる「石版案内人」がいますし、コマンドメニューの「せんれき」で次に入手できる石版の場所を知ることができたりします。

・すれちがい石版
すれちがい通信で交換し合える、本編のストーリーとは関係のない石版です。各石版ごとに用意された、ちょっとしたステージに挑戦できます。
まずは「モンスターパーク」という場所を見つけましょう。その後、モンスターとの戦闘に勝利した時、たまにモンスターが仲間になり、仲間になったモンスターがモンスターパークに住みつきます。
そして、住みついたモンスターで3匹のメンバーを作り、パーク内の洞窟に送り込みます。すると、すれちがい石版を持ち帰ってきてくれるというわけです。
なお、石版はまるごと1枚交換なので、原作のように”かけら”を集めないといけない…なんてことはありません。ご安心を。



■====== partygameの評価 ======■

=良い  =まあまあ or ちょっと気になる  ×=悪い

◆=== 参考データ ===◆

 購入価格 ―→ 4,981円(新品)
 プレイ時間 ―→ 約11時間半
 プレイ内容 ―→ ストーリーを順当に進めつつ、すれちがい石版のステージを1回だけプレイ
 過去のシリーズ作品 ―→ プレイステーション版は、シナリオクリアまでプレイしたことがあります。(ほとんど覚えてないけど)


○ ―→ 戦闘のテンポが良いですね。
これまで3Dで味方側が見える戦闘画面になってから、わりと演出面をこだわるようになった一方で、明らかに戦闘のテンポが落ちていたものですが、今作では3Dといってもカメラ視点は変わらないですし、1つ1つの行動のテンポがいいです。
おそらくドラクエを楽しんでいる人にとって、理想的な形になったと感じる人は多いんじゃないでしょうか。

○ ―→ やっぱり音楽はいいですね。
今回、オーケストラアレンジが施されています。ゲームシステムはともかく、曲は他のシリーズと同様で高く評価されていましたし、基本的にはオーケストラアレンジに合っている曲ばかりなので、この点については心配しないで良いでしょう。

○ ―→ 「石版レーダー」が役に立ってます。
町やダンジョンに入った時に点滅すれば、まだどこかにあるということ。これのおかげで、今のところ詰まることなく進めています。
ただ、後半になってくると「今はまだ手に入らない石版」とかも出てきたりするでしょう。当然、そういう石版にも石版レーダーは反応すると思うので…むしろ混乱を招くことにならないかは、ちょっと心配です。そこは、次のインプレッションまでに判断するとしましょう。

○ ―→ すれちがい石版は、楽しみの幅を広げそうな予感。
すれちがい用ダンジョンは、いかにも既存のダンジョンを繋ぎ合わせただけという感じではありますが、ボスとして巨大なモンスターが待ち構えていたりしますし、倒せばそれなりの報酬はもらえます。
かつて『ドラゴンクエストIX』で地図を交換しあうという仕組みがありましたが、あれにかなり近いです。しかも今作は地図で場所を探す必要はなく、すれちがい石版用の台にはめ込むだけで楽しめるので、より楽しみやすくなっています。もしかしたら、またすれちがい通信を強く助長する存在になってくれるかもしれませんね。

△ ―→ ストーリーは、おそらく変わりないです。
ドラクエVIIは、他のシリーズ作品と比べてもけっこう”ずっしり”来るようなお話が多いです。

新しい場所に訪れる → 何らかの異常事態が起こっており、非常に重たい空気 → 異常事態を解決 → 明るくなれるが、たまに複雑な心境になる終わり方も

まあ、基本はこういった流れの繰り返しです。
私自身、プレイ前はほとんど思い出せませんでしたが、プレイしているとけっこう思い出すものです。それくらい、何だかんだでインパクトは強かったのかもしれませんね。ただし、重たいゆえに好き嫌いも分かれそうなところです。

△ ―→ 全体的なテンポも、結果的にはそんなに変わってないかな。
主人公たちの移動速度はそれなりに速いんですが、やっぱり3Dになったことでフィールドが広大になりましたから…結局のところ、移動にかかる時間はたいして変わっていないか、むしろ伸びている気もします。もちろん、その広大さが3Dグラフィックのウリでもあるんですが。
また、補助機能がついたとはいえ石版を探して集めるという行為自体は変わっていませんから、原作で、そもそもそれ自体が面倒くさいと感じていた人には、今回も同じ印象を与えてしまうことでしょう。
それと、原作をプレイした人なら全員覚えているかと思いますが、最初の1時間くらいはモンスターと出くわすことがありません。これは、今作も変わりありません。やっぱり、ちょっとまどろっこしいですね。

△ ―→ 一部、イベント演出がちょっとくどいかな。
地味なのにムダに長いと感じる場面が、たまに見受けられます。
例えば、皆がとある場所から外へ移動するという場面。これを、わざわざ4回くらいに分けて見せるんですよね。しかも会話も特殊なアクションもないですし。1~2回でいいと思うんですけど。
一方で、イベント演出をうまく簡略化できていたりスッキリまとめている場面も見受けられるので、元クリエーターとしては、イベントまわりを作成している人によって、配慮できている人とできていない人がいたのかな~なんて思わされます。

△ ―→ カメラワークで気になることが。
フィールドでは2パターンのカメラワークが用意されています。「さくせん」→「せってい」でいつでも変更できます。
初期で設定されているほうは、町やダンジョンの時とはカメラの挙動がちょっと違います。もう1つのパターンは町やダンジョンのカメラと同じ挙動です。
ただ、いずれの場合もフィールドで壁などにカメラが当たると、カメラが手前に寄ったり少し上から映すような形になったりします。手前によると主人公を見失うことがありますし、上に上がると前方が確認しづらいです。
最近だと、アタリ判定に引っかからず、見えて欲しくない部分は半透明や透明になるなどで上手くごまかしている作品も増えてきました。個人的にはやはりそちらのほうが良いと思ってしまうので、今作のカメラワークまわりは少々不自然に感じてしまいました。気にしすぎかもしれませんけどね。

△ ―→ 立体視は概ね問題なし。
立体感は、ちょっと強めかな。そこは、3Dボリュームでいくらでも調整できますので。また、戦闘では「せってい」で奥行き感を2段階から選択できたりします。

ただ、この戦闘での立体視でちょっと気になることが。
戦闘時は、味方が手前側。敵が奥側にいるんですが、敵を攻撃した時のダメージ表記が(立体視的に)わりと手前に表示されます。なので、攻撃する敵に注目していると、ダメージ表記がちょっと気持ち悪く見えるかもしれません。
初期設定ではまだマシですが、「せってい」で奥行きをさらに強くすると、この点がさらに気持ち悪く見えると思います。ここらへんは各自、ほどよい感じに調整してみてください。

△ ―→ その他、何となく「いま一歩」と感じる些細な点がチラホラ。
本当に些細なんですが、人によっては気になるポイントがいくつかあります。

 ・戦闘中じゃない時、「やくそう」などのアイテムでHPを回復すると、例の「ポロロン」という回復音がありません。
 ・原作にはあった、戦闘中の「はなす」コマンドが無くなっています。
 ・今作は、モンスターに触れると戦闘に入るシンボルエンカウントを採用しているんですが、ごくまれに、敵に触れたつもりはないのに戦闘に入ることがあります。これはおそらく、すぐ目の前に敵が出てきて、表示が透明な間に触れたことによるものだと思います。
 ・シンボルエンカウントになった影響からか、出てくる敵の割合が多く、しかも細い道ではよけようがないので、一部でエンカウント率が高すぎる気がしました。
 ・LボタンとRボタンの同時押しでカメラ視点を初期値に戻すことができるんですが、押して離す時に、離すタイミングが少しでもズレると、視点がブレてしまいます。素早くチョンと同時押しするなどの工夫が必要になります。
 ・家の扉に入ったり出たりするのが、なんかちょっと難しいというか。移動判定がちょっと小さいような気がしました。

他にもありますが、気になる人がいそうなものとしては、こんなところかな。
特に、ドラクエをそれなりにプレイしてきた身として、回復アイテムに効果音が無いのはずいぶん違和感があります。戦闘中は「ポロロン」と鳴っているんですけどね。バグにしたってこんなの、デバッグで見逃しているとしたら大問題ですし、意図してこういう仕様にしていたとしてもあまり納得はいかないです。



■====== 得点とまとめ ======■
●●●●●●○○○○ … 6点(10点満点)


原作の特徴はほぼそのままに、表現力が豊かになったドラクエVIIをお楽しみいただけます。
原作を覚えている人からすれば、グラフィックが変わっていたり音楽がアレンジされているだけでもしみじみできるところはあると思いますし、戦闘も3Dグラフィックながらテンポの良さとほどよい演出をうまく両立させていると思います。
一方で、上記でも取り上げたように、随所の細々としたところで少し目に付くところはあったりしたので、かゆいところに手が届いていない印象もありました。なので、ちょっと厳しめの点数に。
とはいえ、私個人は何だかんだでストーリーや新しい舞台が気になって進んでいるので、楽しめています。


原作が好きだった人はともかく、原作を断念した人が今作をどう感じるか、についてです。
あくまでドラクエVIIはドラクエVIIなので、例えば石版集めそのものが面倒だとか、キャラクターが好みではないとか、そういう根底の部分がダメだった人は、今作もダメでしょうね。
逆に、楽しく遊んでいたんだけど、次の道に進むための石版がど~しても見つからなくて、仕方なく断念しちゃった…という人は、石版レーダーなどの補助機能ができたことにより、リベンジできる可能性大です。携帯ゲーム機ということで、利便性も高まりますしね。

あと、何気に期待しているのは、すれちがい石版。ドラクエIXの時と同様、長く楽しめる要因になってくると思います。
これで、3DSのすれちがいネットワークがより大きく広がっていくことを願いたいものです。


シナリオクリアしたら、セカンドインプレッションを書く予定です。

万人向け ← ○●○○○○○○○○ → 熟練者向け
手軽に ← ○○○●○○○○○○ → じっくり
思考タイプ ← ●○○○○○○○○○ → 感覚タイプ
 爽快感重視 ← ○○○○○○○○●○ → 達成感重視 


その他のタイトルの評価は、こちらからどうぞ
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4 コメント

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少し残念 (甘味屋)
2013-02-09 20:55:52
オリジナル(PS版)の反省を生かしたようですが、個人的に戦闘はエンカウントの方が良かったです。

クリア後の特典(隠しダンジョン?)があるのは長持ちして良いと思います。

PSは色んな意味で思い出に残っております(^^;
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Unknown (えにしぃ)
2013-02-09 21:22:12
お久しぶりです。

私はPS版Ⅶは未プレイだったのでこれを機に購入しプレイしています。
まだ7,8時間ほどしかプレイしていませんが、仰るとおり戦闘のテンポが良く、またグラフィックの雰囲気も良いので楽しくプレイしています。

シンボルエンカウントで一部ランダムよりも結果的にエンカウント率が高くなっていまう点は自分も少し気になりました。
特に通路の狭いダンジョンなんかではホントにそうですね。

あと個人的に気になったのは細かい点ですが、階段を下りた後、ちょっとでも上り階段の方向へキーを入れると再び階段を上ってしまうのが気になりました。
階段の後ろ側からでも触れるだけで自動的に回り込んで階段を上ってくれるのは親切ですが…
特に降りてきた方と逆方向が進行方向の時なんかによく繰り返し上ってしまいます^^;
返信する
Unknown (partygame(管理人))
2013-02-12 07:05:04
>甘味屋さん
エンカウントというのは、ランダムエンカウントのことですかね。
このシリーズでシンボルエンカウントを使っている作品のほうがまだ少ないですし、昔のドラクエに愛着がある人には、なかなか馴染めないんでしょうね。どっちも良し悪しという感じです。
返信する
Unknown (partygame(管理人))
2013-02-12 07:08:25
>えにしぃさん

>>降りてきた方と逆方向が進行方向の時なんかによく繰り返し上ってしまいます^^;
あ~、場所によってはカメラ固定になったり、なぜか進行していた方向と位置関係が逆になっていたりすることがありますね。ここらへんにも、ちょっと荒削りな印象を感じます。
私はあまり間違えませんが、一部でエリア移動後の進行方向に違和感を感じることはありました。場合によっては、イベント後に明らかに配置を間違えてるな、と思う場面も。なんか、こう言うとデバッグ臭いですね(笑)
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