セグメントゲームズ

元ゲームプランナーという、しがない肩書きだけが取り柄のゲームブログ。生ラジオの告知が中心で、たまにテキスト対談を更新中!

Wii『フラジール ~さよなら月の廃墟~』 ファーストインプレッション

2009年01月28日 00時38分10秒 | 【旧】購入・レビュー話


フラジール ~さよなら月の廃墟~
対応ハード : Wii
発売元 : バンダイナムコゲームズ
開発 : バンダイナムコゲームズ・トライクレッシェンド
発売日 : 2009/01/22
希望小売価格 : 7,140円(税込)
ジャンル : 廃墟探索RPG
プレイ人数 : 1人
CERO : A(全年齢対象)


●人が滅び朽ちていく世界で、自分以外の生き残りを探す旅に
今作は、廃墟となった世界を舞台にしたアクションRPGです。
人間という人間が滅び、世界のあらゆるものが朽ちていく世界。そこに生き残った1人の少年セトは、自分以外の誰かを探す旅に出ます。


●簡単に操作方法
今作は、ヌンチャク・スタイル(Wiiリモコン+ヌンチャク)でプレイします。

Wiiリモコンを動かす…ポインタの操作
ポインタのある方向に向かって、懐中電灯を照らします。ポインタを画面端にもっていくと、カメラがその方向に視点移動します。
また、音を頼りに目標を目指すことがある時、音の聞こえると思う方向にポインタを向けると、その音が大きくなります。

Wiiリモコンを真上に立てる…仲間の話を聞く
電話をするような感じでWiiリモコンを真上に向けると、Wiiリモコンから仲間のアドバイスが聞こえてきます。無論、仲間がいない時は使用できません。

コントロールスティック(ヌンチャク)…移動
Cボタン(ヌンチャク)…しゃがむ
Zボタン(ヌンチャク)…カメラがセトの背後に回りこむ
Aボタン(Wiiリモコン)…持っている武器で攻撃

タイミング良く押すとコンボになるものや、押しっぱなしでため攻撃ができるものなど、武器の種類は様々です。

Bボタン(Wiiリモコン)…探索モード
Bボタンを押しっぱなしにすると、セトの視点になります。
Bボタンを押したままAボタンを押すと、向きが固定されて、向いている方向に視点が近づきます。
アイテムがあれば、入手することもできます。

十字ボタン上・左・下…メニューを開く
※メニューの項目
「かばん」…カバンに収めているものを確認できます。「にもつ」に入りきらないものを入れておくことが出来ますが、セーブポイント以外で「かばん」からアイテムを取り出すことはできません。
「にもつ」…十字ボタン下でメニューを開いた場合、この画面になります。所持しているアイテムを確認できます。アイテムの持てるスペースは限られています。
「ぼく」…十字ボタン上でメニューを開いた場合、この画面になります。セトのステータスを確認できます。
「ちず」…十字ボタン左でメニューを開いた場合、この画面になります。セトが通ったことのある場所が地図で示されています。+・-ボタンで拡大縮小できます。

十字ボタン右…アイテムメニューの表示
「にもつ」に入っている道具を使用したり、装備したり出来ます。
というか、この方法でしかアイテムは使用できませんので、ご注意あれ。


●基本的なルール
◆敵との戦闘
Wiiリモコンから奇妙な音が聞こえてきて、セトのHPが表示されたら、戦闘モードに突入です。敵を撃退しましょう。従来のRPGと同様で、敵を倒していけばレベルアップしますし、HPが0になるとゲームオーバーです。
敵のほとんどは、姿が見えません。懐中電灯でしばらく照らすことで姿が見えたり、弱体化したりします。

ちなみに武器は、一定回数使用すると壊れます。壊れても使えなくはないですが、かなり弱体化するので、さっさと捨てて別の武器を持ちましょう。

◆たき火
たき火のできる場所でAボタンを押すと、荷物を整理したり、セーブをすることができます。
たまにアイテム屋が出現して、アイテムを買ったり売ったりできます。買ったアイテムは「にもつ」ではなく「かばん」に入るので、ご注意。

◆ホタルの光
アイテムが落ちている場所には、必ずホタルの光が飛び回っています。目印にしましょう。

◆謎のアイテム
今まで見たことのないアイテムや換金用のアイテムは、手に入れたとき「謎のアイテム」として扱われます。セーブポイントを利用すると、謎のアイテムの正体が明らかになります。
換金用アイテムは、その場で売り払ってお金に換わります。

◆アイテムの記憶
謎のアイテムの中には、人の記憶が眠ったアイテムというものがあります。
セーブポイントで正体が明らかになると、そのアイテムに眠った記憶・物語を鑑賞できます。以後、「かばん」の中に収められて、いつでも鑑賞できるようになります。


■partygameの評価■…55点(100点満点)
雰囲気作りは最上級。ただ、システム面と全体的なキャラ設定が…

初めて見たときに感じた、切なくはかない雰囲気。それはその通りに再現されているという感じです。

何というか…いろいろ細かくていちいち周りを探索したくなります。いわゆる、いい意味で無駄なものをたくさん作っているというわけです。
グラフィックの綺麗さという意味ではもちろんPS3とかには全然及ばないわけですが、それがそこまで気にはなりませんでした。イメージ通りの「空気」は、充分に作り出せていると思います。
とはいえ、PS3のクオリティであれば…とも思ったわけですが。

懐中電灯による探索というのもいいですね。かすかな灯りだけを頼りに、本当に廃墟を手探りで進んでいくような感覚。何とも言えないですね。地図が手書きっぽいのも、より「探索している感じ」を出していると思います。
それと、Wiiリモコンのスピーカーの使い方もいいですね。目標に近づくと音が大きくなったり、奇妙な音が聞こえてきて雰囲気を盛り立てたり…。Wiiリモコンを立てて、電話をするように仲間のヒントを聞けるのもグッドでした。


やはり気になったのは、去年のゲームショウでも不安を感じたシステム面です。
恐らく基本的なところはゲームショウで体験したものとほとんど変わっておらず(攻撃範囲が広くなったかも?くらい)慣れないとけっこう難しいです。
しかも敵が「思念体」なので影がほとんどできず、敵との距離感が分かりにくいときもありました。
その他、文字が小さかったり、白一色で表示されているので背景が明るいと見えなかったりというのが気になりました。

このゲームを作るにあたって、恐らく一番悩んだであろう点は、何を「システム重視」にして、何を「雰囲気重視」にするか?ということでしょう。
あまりゲームっぽいシステムを前面に出してしまうと、せっかくの雰囲気が台無しになりますし、雰囲気ばかり重視しすぎても遊びづらくなります。そこのバランスは、非常に難しいところだったでしょうね。
例えば、このゲームは敵をロックオンすることができません。ロックオン可能な3Dアクションなんて腐るほどあるので、ロックオンのことを考えないはずがないわけですが…最終的に入れなかったのは、ロックオンのせいで景観を壊すと判断したからだと、私は思っています。
もっとも、結果的にユーザーからは「遊びづらい」という評価を頂くことになったわけですが…。
また、落とし穴や高いところから落ちてしまった時は、少しだけHPが減って、落ちた直前から再開というシステムになっていますが、ここは言うなれば「システム重視」です。常識的に考えれば「あんな高いところから落ちたら普通死ぬでしょ?」と思うわけですが、一方で「1回落ちただけでゲームオーバーになるのはどうなの?」という考えもあるわけです。

そういった1つ1つの内容に対して「考えられた形跡」は感じたんですが、一部で結果として反対の方向性を選んだほうが良かったかも…というのがあったために、その部分のアラが目立つ結果となってしまったように思いました。


あと…何というか、一部で「これ、全年齢対象ですよね…?」と思うような演出があったわけでして。特に、遊園地であった某シーンは…本当にいいんですかね?あれは(笑)
廃墟というテーマに対して、キャラクター設定がどうも「オタクくさい」気がするんです。いや、キャラそのものは世界観に合っているとは思いますが、性格とかが…ね。よくこれで、CEROがAになったと思うわけです。


総評としては、先に進みたくなる魅力はあります。静かな世界の中、ちょっとセンチメンタルな気分を味わいつつ、ゆっくりと楽しめるタイトルです。もちろん、急いでもいいですが(笑)
あとは、システムに慣れることができることと、ちょっとオタクっぽいキャラ設定が何とかなれば、充分楽しめると思います。
メインストーリーや、記憶に眠るミニストーリーは今のところいい感じです。もちろん「儚(はかな)い」という意味でですけどね。


関連記事:
Wii『フラジール ~さよなら月の廃墟~』 ストーリークリア後のセカンドインプレッション


(※ストーリー内容など、少しでもネタバレになるコメントはご遠慮ください)
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4 コメント

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はははっ、雰囲気ゲー大好物です (BigGame)
2009-01-28 02:51:32
自分もゲームの雰囲気にやられたわけですが。
個人的にはシステムも含めてもっと練りこめたのでは?と思いました。これだけの雰囲気が出てるだけに勿体無いといった感じです。
そちらが言われる某シーンも含め一部?キャラ設定も含め狙っていた感じが鼻につくことはありましたね。
それがいいという人もいるでしょうが、キャラ設定もあまりやりすぎると大切にしていた雰囲気を壊しかねないので不安になるところです。
返信する
Unknown (partygame(管理人))
2009-01-29 00:51:45
>BigGammさん
ああ、なるほど。買っちゃったわけですね(笑)

個人的には「練りこんでいる形跡」は見えただけに、結果がちょっと伴っていないのが残念な気がしました。思いなんて人それぞれですから、難しいものです。
返信する
初めまして (小宮)
2009-02-02 22:48:34
以前から拝見していましたがコメントするのは初めてです。

フラジールを僕もまったりプレイ中なのですがやっぱり操作性があんまり良くないかななんて思います。
雰囲気はかなり良いのに色々と勿体ないですね。戦闘は無かった方が良かったような気がしますし。
基本的にはpartygameさんと同意見だと思います。

これからもちょくちょくコメントさせて頂くと思いますのでその時は宜しくお願いします。
追記ですが、「今後購入予定のソフト または気になっているソフト」の『ソニックと暗黒の騎士』のリンク先が『ドラクエIX』の公式サイトになってしまっています。

長文失礼しました。
返信する
Unknown (partygame(管理人))
2009-02-05 01:25:37
>小宮さん
はじめまして。ようこそセグメントゲームズへ。

廃墟探索だけとなると、どうしてもマイナーなものになってしまいそうだった…という感じの理由でゲームらしさを入れたのだと私は思っています。
もっとも、それが中途半端なものになってしまう結果になったのが残念ですが…。次があるなら期待したいものです。

>>「今後購入予定のソフト または気になっているソフト」の『ソニックと暗黒の騎士』のリンク先が『ドラクエIX』の公式サイトになってしまっています。
ありがとうございます。修正いたしました。
こういう間違いがありましたら、遠慮なくおっしゃってください。

どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。
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