チャイコフスキー イオランタ
ディスカヴァリー号所属のランス・アームストロング船長が、
ル・トゥール・ドゥ・フランスを7連覇したそうである。
脳と肺にまで転移した睾丸癌とわかったからか、
精一杯漕いで迫り来る死から逃れようとしたことが自転車で強くなった要因かもしれない。
あと3つで中野浩一に並ぶ。なのに、今年で引退とは潔い。
冗談はともかく、昨今、石綿による肺癌・悪性中皮腫の問題がにぎやかであるが、
睾丸癌とポリ塩化ビニル(PVC)の関連性は濃厚らしい。
PVC加工工場労働者が多く睾丸癌になってるのだそうである。
先日亡くなった明智伝鬼翁のもとでいろいろと修行を積んだという女性に
女王様になってもらい、PVC製のコスチュームを身につけてもらって、
自分自身も(とくに股間にTバックをキュッと)PVCを身につけてするプレイがシュミ、
という私もキケン度大である。もっとも、厚顔無恥とはよく言われる。
ただ、アームストロング選手はPVC工場勤めの経験はないので、ひょっとすると……。
否、塩ビ製のサドルに摩擦するからかもしれない。
さて、いつもは・毎夜・ピアノを弾くのが日常であるが、今日は、
朝、ショパンの「胃腸調」プレリュードを弾いてみた。
♪ソー|<ミン<ファ>レーレー|レーー♪
が、その前に「教則本」で準備体操するのを怠ったからか、頭痛がひどくなったので、
「アスピリン」を服用した。効いた。いぃ~ぃクスリである。ときに、
世の中には糖尿病を患ってるのにもかかわらず、
インシュリンの代わりに淫手リンを打たれてシマったあげく落命しても、
胡散臭い信仰元をありがたがるとは、とてもマコモとは思えない者もいるようである。
哀れきわまりないほどのレヴェルである。ところで、
高校野球で哀れきわまりないほどのレヴェルだった東東京の開成高は、
ベスト16まで勝ちあがった。5回戦ではさすがにシードの士舘に負けたが、いっぽう、
神奈川の塾高はまだベスト8で残ってる。日大高も残ってるようなので、
今年の横浜は日吉が熱い、のである。それはともかく、世の中、
ペンとケンよりペン*ペンのほうが強いこともあれば、
ポルシェよりもケンとメリーのスカイラインのほうが速い場合もある。
♪カぁ~~~ツぅ~丼とぉおぉぉぉ|おもぉおぉ~~ぅなぁ~~~|
おもえばっ、フライドチキンよぉ~~~~~~♪
昭和の三四郎コガ選手もカーネル・サンダーズみたいな顔して歌ってたことである。
同様に、大自然の花々よりも神のご慈悲のほうがご利益がある場合もあるのである。
さて、「イョラーンタ第3曲」であるが、
このナンバー中の「合唱」は、前曲の「花々のワルツ」の「イ長」に対して、
その対極調「変ホ長」の「子守歌」である。
(景)
モデラート・モッソ(2♪=100)、C、無調号。
前曲のイ長主和終止を受けて、実質イ長。
イョ:ブリギッタ、あなたなの?
ラウ:いえ、私めラーウラにございます。
そんなやりとりのうちに、嬰ヘ短、そして、ロ短へと転じ、
→メーノ(2♪=88)。
そして、ホ長に短期転、ト長。
弱音器具を装着した独奏チェロが、ト短、ハ短。
クラ&ファゴが変ホ長を準備。
(合唱)
→モデラート・アッサイ(2♪=84)、2/4、3♭。
この「合唱部」は、しょっぱなは、
ソプラノ(ブリギッタ)、メゾソプラノ(ラーウラ)、
コントラルト(マールタ)による女声3重唱である。
コンバスのピッツィとファゴ、チェロとヴィオラの交代トリル、
ホルンの空虚5度、などの修飾の上に、2クラ&コルアンが、
♪ド<ミ>ド<ミ|<ソーー>シ|<ド<ミ>ド<ミ|<ソーー>シ♪
(上声のみ記載)という平安寝巻を敷きつめる。そして、
まず、ソプラノの「ブリ」ちゃんが「スピー」とドルチェで歌い始める。
♪スピーー、>プースチ|<アン<ゲ<ルィ<クルィ|<ラ>ミ
(ソ ーー、>ミ |<ファ<ソ<ラ <シ |<ド>ソ
>ナ<ヴィ|>ヴァーー<ユト|>スヌィーー○♪
>ミ<ソ |>ファーー<ソ |>ミ ーー○)
(拙大意)お休み、天使の翼が夢を背負ってきますように、
最後の小節にかぶせて、今度はメゾのラウちゃんが上記を復唱する。
その最後の小節にかぶせて、ブリちゃんが、
♪ドーー>ラ|<レ>ド>シ<レ|>ソ<ド>ミー|ー<ラ>レ<ソ|
*>ミーー○♪
この最後の小節にかぶせて、今度はメゾのラウちゃんが復唱する。が、
その最後の小節は、*>ドー○○♪である。アルトのマルちゃんが、
♪ミー>ドー♪とかぶせるからである。
♪バー>ユー|<バー>ユー♪
(ミー>ドー|<ミー>シー)
「バーユ・バーユ」とは「ねんねん・ころりよ」である。
それはともかく、次からがこの重唱の「聴きどころ」である。
マルちゃんが低音の魅力で、
♪ミーーミ|<ファファファー|>ミー(バーユシキ・バユー)♪と
唸るのに対して、ブリちゃん・ラウちゃんはそれぞれ、
♪ドー>ドー|<<レー>レー|<ソ○(バーユー、バーユー、スピー)♪
♪ラー ラー|< シー シー|<ド○(バーユー、バーユー、スピー)♪
と吟じるのである。
♪ドー>ラー|< レー>シー|<ド○♪
という旋律線を、ブリちゃん・ラウちゃんが「交互」に受け持ってるのである。
「悲愴」終章の弦惑効果の「先走り」である。が、
さらに、ここがそれだけの一筋縄でいかないのは、
ブリちゃん・ラウちゃんが「終始」p(ピアノ)であるのに対し、
マルちゃんの低音は、
♪ミーーミ|<ファファファー♪
p<<<< >>>> p
という「クレッシェンド<・>ディミヌエンド」を「かけ」られてるのである。
しかも、上に示したように、マルちゃんだけは歌詞が異なってるのである。
この繊細絶妙な趣は、ただ支配欲求が異様に強いだけの、
カミに身をゆだねたファオスト的エセロシア人指揮者には、
どんなに指を振るわせても、けっして再生できない。ちなみに、
チャイコフスキーも生粋のロシア人ではない。コサック・ドイツ・フランス味つきである。
が、未だに「ロシアの大地」の代弁者のように捉えてるむきが多いようである。
大きな間違いである。在露ユダヤ人をはじめ周辺民族を利用・大量虐殺させた、
グウタラ半人前グルジア人靴職人の子倅を「ロシアの代表」と思うのとは、
また正反対の意味で同じようなものである。ともあれ、
上記の「交互旋律」が繰り返されると、はじめて「女声合唱」が現れ、
最初の節が3度和音で歌われる。それをオボが裏打ちする。そして、
ブリ&ラウがそれを復唱する。こちらは、フルとクラがオクターヴで裏打ちする。
→ポーコ・ピウ・ヴィーヴォ(2♪=96)。
この加速指定を無視するのも上記のような輩である。ともあれ、
また、ブリ、ラウ&マルの3重唱である。ダルタニアンはいない。
♪ラーーラ|>♯ソー>ミー|<ドーード|>シー>ミー|
<レー>ドー|>シー>ラー|>♯ソーー○♪
というハ短の旋律は、アルトのマルちゃんが受け持たされる。歌詞の拙大意は、
天にまします主があなたさま(イョちゃん)を見守り、
幸せと喜びと安らぎを届けてくださることでしょう
である。この威光を「浮き上がらせる」ための加速である。
それを気にもとめない神経には、チャイコフスキーは無理である。
それはともかくも、さらに、3重唱は、
♪ミ<♯ファ|<♯ソ♯ソ<ラ<シ|>ラー、<ミー|ミー>ラー|>ソー、
<レー|レー>ソー|>♯ファー<ドー|>シー>ラー|>♯ソーー♪
と展開し、復唱時には女声合唱も加わる。その末尾、リレヌートをかけられた
♪ミーミ<♯ファ|<ソ<♯ソ<ラ<シ♪
が平行調変ホ長に返し、
→テンポ・プリーモ。
主部が戻ってくる。最後は、
♪ソーーー|<ドーーー|<ミーーー|ーーーー|ーーーー|ー♪
同夜に演じられるバレエ「ハシバミ割り人形」の1幕終い、
「冬の松林」での雪の少年合唱の「ホ長」の結尾とオソロなのである。
最後はチェロが、
♪ソーーー|>ミーーー|>レーー<ミ|>ドーーー|ーー>シー♪
と下降して次曲に連なるのである。
ところで、このオペラの大団円には「変イ長」が起用されてる。
この「子守歌」はそのお隣調である。
その対極調イ長である「花々のワルツ」では、
主の創造物である花々がイョラーンタの不幸を取り払ってくれると歌ったが、
この子守歌では主と主の使いである天使が福をもたらしてくれると歌ってるのである。
大自然の嗅覚より眼球運動のレム睡眠がイョラーンタを幸福に導く、
というわけである。ちなみに、
次曲の「王のアリオーゾ」は変ホ長と平行調(♭の数はおなじ3つ)のハ短である。
娘の幸福を導くもののもうひとつは「父の愛」だった、ということである。
ともあれ、この「子守歌」は、珠玉曲ぞろいの「イョラーンタ」の中でも、
ゆびおりの秀歌である。美しい、じつに美しい音楽である。が、
ただ耳ざわりがいいだけの美しさ、ではない。胸に迫りくる美しさである。
>小出正治さん、
初めまして。コメント、ありがとうございます。
シベリア抑留をロシア抑留と言うかたを初めて知りましたが、
ともあれ、過酷な体験をされてたことに頭を垂れます。
さて、貴殿がおっしゃる「ロシアの子守唄」とは、
<ダークダックス>ということから推察するに、いわゆる
「コサックの子守歌」のことでしょうか。とすると、
♪ラ<ド>シ>ミ、<ラ<ド>シ>ミ、<ド<レ<ソ>ファ>ミ♪
という音型の歌で、レールモントフの詩
"Казачья Колыбельная Песня"
(カザーチヤ・カルィビェーリナヤ・ピェースニャ=コザックの揺りかごの歌)
が歌詞になってるものですね。
"Спи, младенец мой прекрасный,
Баюшки-баю."
(スピー、ムラヂェーニェツ・モーィ・プリクラースヌィ、バーユシキ・バーユ)
これは、コザックですからロシアといっても
ウクライナが源の歌ということになります。ちなみに、
チャイコフスキーの「弦楽四重奏曲第1番」は、
第2楽章の「アンダーンテ・カンタービレ」のウクライナ民謡が有名ですが、
チャイコフスキーはこの「子守歌」を第3楽章のスケルツォ主題に採りました。
♪ラーラーー<ド│>シーーー>ミー、│<ラーラーー<ド│>シーーー>ミー♪
参考になさってください。
(*)(これをご覧になったかたが誤解するといけないので)
この"民謡"は、ロシア(とロシアが統治してたウクライナも含めて)の
子守歌の常套句"バーユシキ・バユー"という歌詞が含まれているからといって、
このエントリーのチャイコフスキーの「イオランタ」の子守歌とは関係ありません。
「イオランタ」の子守歌は、チャイコフスキーのオリジナルです。
で未だにロシア語と日本語に訳した歌詞を覚えていてカチューシャ、トロイカ、アゴニョーク、ステンカラージン、など一人口ずさんでいます。
同期にロシア語通訳(荒川君)や慶応の軽音楽部にいた(平井君)が居て歌ったものです。
ダークダックスの歌メロディーは日本調で抵抗がありました。