チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「イョラーンタ#9(終曲後篇)大団円」

2005年09月16日 17時04分47秒 | イヨランタはまだスィスィ16だから

チャイコフスキー イオランタ


米国TVドラマ「ER」は当初は、映画「ホワイト・クリスマス」にも出てた
歌手ロウズメリ・クルーニーの甥を売り出すプロジェクトだった。そして、
みごとに成功した。そこで演じられてたダグ(ラス)・ロス医師は小児科医であったが、
マラリアが羽斑(ハマダラ)蚊によって媒介されることをつきとめたのは、
サー・ロナルド・ロスである。マラリアとは、
「mal:マル(悪い)」「aria:アーリア(空気)」という意味らしい。けっして、
「マラ」と「リア」ではない。ロナルド卿がつきとめるまでは、
悪い空気になにかがはびこってて感染するもの、と思われてたのだそうである。ときに、
マラリア原虫というのは、ヒトを「中間宿主」、ハマダラ蚊を「終宿主」、
とグルグル・サイクルして生きる寄生虫である。
その繁殖過程は、いくつもの形態に複雑にヘンゲして「生命を繋ぐ」、という、
じつにおみごとなものである。それについて書くと、
ハプスブルク家の系図より長くなってしまう。
イョランドとヴォーデモンも、政略的に精力的に子孫を残し、
それが現在のハプスブルク家に繋がってるのである。ちなみに、
ヴォーデモン伯の名はFerri(フェリ)2世であるが、現代のプリマ・バレリーナ、
アレッサーンドラ・フェッリまで、渡し船のように繋がってるかどうかは知らない。
それはさておき、Ferriという名は、「鉄」と関係ありそうである。
鉄は英語でiron(アイアン……イョランドは「eye暗」という意味ではない)、
独語でEisen(アイゼン)であるが、ラテン系は、
仏語でfer(フェール)、伊語でferro(フェッロ)である。たしかに、
Ferrari(フェラーリ)の真っ赤な頭をしたボディも鉄である。
鉄タロッサというくらいである。いっぽう、
鉄の元素記号Feが採られた本家の羅語ではferrum(フェルム)であり、
fellareが語源ではない。鉄棒は熱いうちに吸え、という諺もない。
イョランドがハマダラ蚊のようにヴォーデモン伯の熱い血を吸ってあげた、
かどうかは知らない。

→モデラート・アッサイ(2♪=72)、4♭。
♪ソ|ソ>ミ>ドーー>ラ<ド<ミ|<ソー>ミーー♪
その「空」の上におわします神に感謝するのである。そして、
一同もそれに倣い、神を持ちあげ称えて、大団円となるのである。
この大団円の音楽はじつに感動的である。
音楽においてもっとも大事な要素「感動」は、
チャイコフスキーの音楽には満ち溢れてるが、
その中でも特筆すべきもののひとつである。
(変イ長)
♪ソ|ソ>ミ>ドー・ー>ラ<ド<ミ|<ソー>ミー・○○○<ラ|
>ソ>ミ>ドー・ー>ラ<ド<ミ|<ソーーー・ー○○○|
<ラーララ・>♯ソー>ミー|<ドードー・>シー>ミー|
○ミミ<♯ファ・<♯ソ>>♯ド<♯レ<♯ソ|>ミーーー・ー♪
(最後の段は、実質ハ長に転調した
♪○ドド<レ・<ミ>ラ<シ<ミ|>ドーーー・ー♪
である)
木管によるオッブリガートがじつに効果的である。
ついで、独奏チェロが、
♪【ドー>シン<ド・>ラー】、<ミー|>ドー、>シー・>ラー<シー|
<【ドー>シン<ド・>ラー】、<ファー|>ミー、>レ<ファ・>ミーーー|
>レー<ソン>ミ・ミー>レー|>♯ド<レ<ソン>ミ・ミー>レー|
<ミー<ラン>ファ・ファー>ミー|>♯レ<ミ<ラン>ファ・ファー>ミー|
○<♯ファ<ソ<ラ・<シ、シ<♯ド<♯レ|<ミ♪
と、最後はハ短に転じて(♪○シ<ド<レ・ミ、ミ<♯ファ<♯ソ|<ラ♪)
繋げる。ちなみに、【】部分は【怒りの日】のあたま4音である。ともあれ、
今度は実質ハ短、2フルートとファゴットが3オクターヴのユニゾンで、
♪【ドー>シン<ド・>ラー】、<ミー|>ドー、>シー>ラー<シー|
<【ドー>シン<ド・>ラー】、<ファー|>ミー、>レ<ファ・>ミーーー♪
と吹きつなげる。すると、今度は実質変ロ長に転じて、
→アニマンド・ウン・ポーコ。
2フルートとファゴットが3オクターヴのユニゾンのままで、
♪レー<ソン>ミ・ミー>レー|>♯ド<レ<ソン>ミ・ミー>レー|
<ミー<ラン>ファ・ファー>ミー|>♯レ<ミ<ラン>ファ・ファー>ミー♪
→ピウ・モッソ(2♪=96)。
ヘ短、両vnがオクターヴで、
♪レー<ファン>ド・ドー>シー|<♯ド<レ<ファン>Nド・ドー>シー|
(ポーコ・ア・ポーコ・センプレ・ソトリンジェンド)
<ファー<レン>ド・ドー>シー|>ミ<ファ<レン>ド・ドー>シ♪
そして、
♪<ファ>ミミ>レ・レ>♯ド♯ド<レ|……♪
のゼクヴェンツで高揚し、
→アッレーグロ(2♪=132)。
♪ミ>レ>♯ド・>Nド>シ>ラ・>ソ>♯ファ>Nファ>ミ・>レ>ド>シ>ラ|
>ソ>♯ファ>Nファ>ミ・>レ>ド>シ<レ・<♯ファ<ソ<シ<レ・<ソ♪
ゲネラール・パオゼののち、
→ポーコ・ピウ・モッソ・ケ・プリーマ(2♪=88)。
イョラーンタが変イ長で大団円の主題を力強く高らかに歌いはじめる。
♪ソ|ソ>ミ>ドー・ー>ラ<ド<ミ|<ソー>ミー・○○○♪
すると、他の9人のソリスト……ブリギッタ、ラーウラ、マールタ、
ボーデモン、アリミェーリク、ロベルト、
イブン=ハキア、ビルトラーン、ルネ王……が、
各自てんでに歌いだす。そして、合唱も加わり、fffで、
♪ラーララ・>♯ソー>ミー|<ドードー・>シー>ミー♪
ときて、(→ストリンジェンド)がかかって、
「アサンナ・ヴ・ヴィシニフ(神の栄光)」という台詞を、
10人のソリストが、
♪○ドドー・ー>ラ>ファ>レ♪
ついで、合唱部隊が、
♪○ドドー・ー>♭ラ>♭ミ>ド♪
また、10人のソリストが、
♪○ドドー・ー>ソ>ミ>ド♪
再度、合唱部隊が、
♪○ドドー・ー>♯ファ>♭ミ>ド♪
と、かわりばんこに計4度fffで唱え、
→ピウ・モッソ、アッレーグロ(2♪=138)。
♪○○ドー・<ファー>ミー|<ラー>♯ソー・<ドー>シー|
<ミーーー・>レー、>ラー|<レーーー・>ドー、>ラー|
<ラーーー・>ソー>ドー|<♯ドーーー・ーー♯ドー|
<レーーー・レーレー|<ソーーー・ソーソー|<♯ソー<ラー♪
一転、ppに鎮まって、ソリスト連が、
♪レーーー|レーーー・ーーレー|レーーー・ー♪
合唱隊が、
♪<ラーーー|ラーーー・ーーラー|ラーーー・ー♪
弦の32分音符の刻みに導かれて、10人連と合唱隊すべてが、
(→リテヌート・モルト)
♪ラーーー・ーーーー|>ファーーー・ーーーー|<ラーーー・ーーーー♪
→テンポ・プリーモ(2♪=88)。
♪<ドーーー・ーーーー|ーーーー・ー♪
「フヴァラー・チビェー(汝に栄光あれ)」を唱えて幕が降りる。そして、オケは
♪ラ|>ソ>ミ>ドー・ー>ラ<ド<ミ|<ソ、>ラ<ド<ミ・<ソ、
>ラ<ド<ミ|<ソ、>ラ<ド<ミ・<ソ、>ラ<ド<ミ|
<ソーーー・ーーーー|ソ○ソ○・>>ド○○○♪
変イ長の主和音でじつに感動的に終わる。ボニーとクライドに明日はなかったが、
イョランドとフェッリのふたりにasはあったのである。
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