チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 第2楽章 カンツォネッタ メンデルスゾーン
12日の参院予算委員会で、
有村議員が"女性宮家創設問題"を取りあげた際、
民主党の藤村官房長官は
「男系天皇と女系天皇の違い」
を答えることができなかったらしい。まるで、
偏差値40台の高校の女子高生レヴェルの認識度である。
偏差値40台の高校の女子高生が悪い、と言うのではない。
偏差値40台の高校の女子高生並みのオツムのオッチャンを
政治家として選出する輩が悪い、ということである。
「男系と女系の違いを訊いてるんですよ、キエーーーイッ!」
桜田門外の変で井伊直弼の首を打ち落とした犯人の弟の子孫の
猿叫に、藤村は言葉に窮したということである。
レクチャーしてくれた宮内庁職員には
「男系!」ではなくドイツ語で「ダンケ!」と言ったかどうかは知らない。
森ビルの2代目が8日に死んでたらしい。ちなみに、
原宿の「ラフォーレ」も森ビルが経営母体だが、その名の
"La Foret(ラ・フォレ)"がフランス語で「森」だということくらい、昨今、
偏差値40台の高校にさえ行けなかった女子でも知ってる。ともあれ、
森ビルの六本木ヒルズでの米映画「マリリン/7日間の恋」のプレミアのために、
主演のミシェル・ウィリアムズ女史が初来日した。子役から、
120数話続いたTVドラマ「ドーソンズ・クリーク」では
無神論者の高校生で最後に幼い娘を残して癌死する準主役、
という経歴の同女史はその後、アカデミー賞の
助演女優賞や主演女優賞にノミネイトされる著名女優になった。
実生活で一時期相方だったヒース・レジャーとの間には
女の子をもうけた。が、ヒースは離別後、
薬漬けで中毒事故死した。ときに、
麻布谷町のアークヒルズの放送センターで収録されてた「CNNヘッドライン」で
小牧ユカ女史、栗原由佳女史などとともに元祖
バイリンギャルだった山口美江女史が51歳で死んだそうである。銀座の
梅林で柴漬けが乗ったカツ丼を食ってから今日は
銀座三越でラデュレのマカロンとハンカチを買い込んだ。
今年はヴァレンタインズデイに義理チョコを渡されてしまったので、
ホワイトデイにお返しをしなくてはならない。
さて、今から134年前の1878年の3月に、
チャイコフスキーはヴァイオリン協奏曲を作曲した。このとき、
楽器の専門的な助言を頼んだのは
ヴァイオリンギャルではなく、愛弟子のコーテクだった。ともあれ、
その中で第2楽章だけは全面的に書き直した。当初の第2楽章は、
「懐かしい土地の思い出」の第1曲にされた。そして、
新たに書き換えられたのが、
"canzonetta(カンツォネッタ)"である。主要主題は、
[Andante、四分音符=84、3/4拍子、2♭(ト短調)]
♪【ミー│<ラー・ー<シ・<ド<レ│<ミー・ミー】♪
である。カンツォネッタとは、元は、
16世紀イタリアで流行った歌謡の一種、
ということらしい。それが、
テューダー朝の英国に渡って発展した、のだそうである。
米TVドラマ"Law & Order"のヴァン=ビューレン警部補役の
S・エペイタ・マカースン女史とナイナイ岡村の顔の区別がつかない
拙脳なる私には詳しいことはわからない。とはいえ、
歌であるから「歌詞」がつく。だから、
歌詞なしの器楽曲として"canzonetta"というのは
反則である。たとえば、
ブクステフーデのオルガン曲にそんなのがある。その中の
「イ短調(BuxWV225)」は、
♪ラ<ラ>♯ソ<ラ・>シ<ラ>♯ソ<ラ・・>ド<ラ>♯ソ<ラ・>レ<ラ>♯ソ<ラ│
>ミ<ラ>♯ソ<ラ・>ファ<ラ>♯ソ<ラ・・>レ<ラ>♯ソ<ラ・>ミ<ソ>♯ファ<ソ♪
というように、【ラ<シ<ド<レ<ミ】という音階進行をする。
歌詞のないカンツォネッタといえば他に……
クラ音史の中の最強のお坊ちゃん作曲家メンデルスゾーンは
「無言歌」好きである。同人は20歳のとき、
大バッハの「マタイ」を"再演"した年の1829年、9月に
ロンドンを訪れた。そしてそこで、
「弦楽四重奏曲(変ホ長調)op.12」を完成した。その
4楽章中の第2楽章に、
"canzonetta"という名を与えた……がある。
[Allegretto、2/4拍子、2♭(ト短調)]
♪【ミーッ│<ラーッ<シーッ・<ドーッ<レーッ│<ミーー】<ファ・>ミーッ>ドーッ│
>シー<ドー・>シー<ミー│>ドー<レッ>シッ・<ドーッ♪
この作品は、1812年、フェーリクスが3歳のとき、
森林太郎も留学したことがある
伯林(ベルリーン)に居を移したメンデルスゾーン家の隣人で、
天文学者であり郵政事業や光学機器開発会社を手がけた
Carl Philipp Heinrich Pistor(カール・フィリップ・ハインリヒ・ピストーア)の娘、
Betty Pistor(ベティ・ピストーア)に献呈されたと推定されてる。つまり、
女性への愛を歌う「セレナード」のようなものだったのだろう。
チャイコフスキーも財産目的で偽装結婚したものの、
その代償の大きさに堪えかねて精神的に行きづまって
兄弟らに助けられて逃避行した先の、
目もクラランばかりの風光明媚なスイスで愛弟子のコーテックと
蜜月の日々を送った中で一気に書き上げたヴァイオリン協奏曲に、
メンデルスゾーンのとおなじく「ト短調」で、なおかつ、
欧州各地に伝播してった【ルネサンス期イタリア】の節である
【ミ│<ラ<シ<ド<レ│<ミ】から成る
"canzonetta"を挿入したのである。よく、
第3楽章の主要主題の律動がメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の
おなじく第3楽章の主要主題の律動に似てる、
という指摘は音楽評論家のみならず、素人愛好家の間でも
なされてることのようではある。が、
この「カンツォネッタ」の類似性については誰も言及してない。ともあれ、
妻や思う女性、あるいは娼婦や同性の愛人などへの下世話な愛ではなく、
祖国への愛、という高邁にして純粋な精神でこの
【ルネサンス期イタリア】の節である【ミ│<ラ<シ<ド<レ│<ミ】を
「ヴルタヴァ(モルダウ)」の主要主題に採ったスメタナには、その崇高さにおいて、
メンデルスゾーンもチャイコフスキーもその足下にも及ばない(※)。
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