「イョラーンタ＃７（景と二重唱）４個口の３」

９月１日は、杉本彩女史主演で映画化された「花と蛇」の原作者、
ＳＭ小説作家団鬼六（だん・おにろく）の誕生日らしい。団氏といえば、
横浜・桜木町駅近くの宮崎町の豪邸の雀卓が有名だったそうである。ときに、
麻雀は４人でするものである。自動車も４輪で走るものである。
４輪自動車のパイオニアといえば、メルセデス・４面子である。
が、メルセンヌはベンツでもないし、４はメルセンヌ数でもない。いっぽう、
９月１日というクッピンの日が命日なのはシッピンのルイ１４世である。
麻雀の１４牌とは関係ない。囲碁や将棋を生業としてる人を
「棋士（きし）」というのであるが、麻雀も同様らしい。ところで、
先日、フジテレビの「ネプリーグ」を飯を食いながらみてたら、
うんちく王の松尾貴史は、エチオピアがどこにあるのか知らなかった。
さすがは、自らをｋｉｔｓｃｈと自称してただけのことはある。ちなみに、
エチオピアへは日本からかなりな援助をしてるはずである。また、
同氏はきっとコーヒーはあまり飲まないにちがいない。さらに、
同国の首相はメレス・ゼナウィであって、メルセデス・ゼナウィではない。
さて、エミール・イェリネックは、娘の名を
ダイムラー社に発注した新車のブランド名にしたほど可愛がってたが、
ルネ王もイョラーンタを溺愛してたのである。

→モデラート（２♪＝１００）、Ｃ。
さらに哀しくも美しい歌がはじまる。
ホルンがイョラーンタのシンコクな心理をえぐるようにシンコペ和声を刻む。
それに支えられて、イョラーンタが実質ト長で歌いだす。
♪○○ミーミーミー・＜ソーー＞ミミー＞レー｜レー＞ドー♪
（あなたさまが黙ってはるのがどないしてなのか、わからへん）
両翼ｖｎがオクターヴ・ユニゾンで合いの手を入れる。
（♪ド・＜ミーーー・ー＞レ＞ド＞シ｜＞ラー♪）
♪○○ミーミーミー・＜ラー＞ソー＞ファー＞ミー｜＞レーーレレーレー・
レー＞ラー＜レー＜ミー｜＜ファーーー＞レーーー♪
（♪レ・＜ファーーー・ー＞ミ＞レ＞ド・ドーーー＞シーーー♪）
♪○○○レー＜ミーーー＞レーーー｜
＜ミー＜レー＜ミー＜ファー・＜ソーーーーーーー♪
イョは自分の言動がヴォデの気分を害したと思い込み、
その理由が分からないで当惑しながらも、詫びるのである。
→クワーズィ・アンダーンテ（２♪＝８０）、２／４。
実質嬰ト短で、（あなたさまのお望みは私にはサダメとおんなじです）
♪○ミミー｜ー＞レ＞ド＞シ｜＞ラーー＞♯ソ｜＜シー＞ラー♪
と、イョラーンタは続ける。
→アンダーンテ・ジュスト（２♪＝６９）。
コルアンが「モルト・エスプレッスィーヴォ」で、
♪○シ＜ミー｜ー＞ド＞シ＞ラ｜＜ド＞シ＜ミー｜ー＞ド＞シン＞ラ｜ラ＞♯ソー♪
と寂寥感をかもしだすと、イョラーンタは、涙があふれ、言葉につまってしまう。
→モデラート・コン・モート（２♪＝１０４）、３／４。
前記「♯ソー」＝嬰イのエンハーモニックで、ヴォデが、
「ｂ」を「変ホ短」の属音として、
♪ミミー、ミ＜ファー、ファ＜ラ＞ファ＞ミー♪（かわいそうなお嬢はん）
と歌いだすと、両翼ｖｎのオクターヴ・ユニゾンが同主調である「変ホ長」で、
♪○○ミー＞シ＜ド｜＜ミー＞レーーー、＞シ｜＞♭ラー＞ソーー♪
と、同情するように絡む。ヘ短に転じて、
♪ソ｜＞ファー＞ミーー、＞♯レ｜＜ファ＞ミ♪
と、せつなさをきわめる。
ここは、ヴォデがイョに「真実」をバラすくだりである。
「マゼッパ」終いの「子守歌」に匹敵するほど、オケがじつにしみじみとした、
ヒトの心の琴線を揺さぶってその振動を増幅させる音楽を奏でるのである。
→メーノ（２♪＝８８）、Ｃ。
ヴォデ：「マジに知らんのですか？　何のためにあんたはんの
　　　　　機能しない目が輝いとるんか？」
イョラ：「泣くため、やないんですか？　目は涙を出して、
　　　　　哀しいことやストレスを浄化するためのもんやおまへんのか？　
　　　　　ボインはおとうちゃんのためにあるもんやおまへんのんか？」
ヴォデ：「永久の闇の中で涙するだけで飽キンいうんか……」
……ｐｉｔｙ　ｉｓ　ａｋｉｎ　ｔｏ　ｌｏｖｅ．
　　　かわいそに思うんは、惚れてもうたいうこっちゃ……
イョラ：「『見る』いうんは、どないなことですの？」
ヴォデ：「神の光を知ることですわ」
→アッレーグロ・モデラート（２♪＝１１６）。
イョラ：「『光』とは何ですの？」
すると、ついに、ひとすじの光明が射してきたのか、
木管群＊ホルンが、ついで、金管群が、
♪○ソソ・ソ＜ラ＞ソ・ソ＜ラ＞ソ・ソ♪
弦と低木管が、
♪○ソォ＜♭ラァッ＜Ｎラァッ＜♭シィッ＜Ｎシィッ♪
と、次のト長を準備する。ちなみに、現在、都庁が聳える「西新宿」一帯は、
かつて、淀橋（ヨドバシ）浄水場だった。今でも、青梅街道が神田川をまたぐとこには
「淀橋」がかかってる。その昔、「姿見ずの橋」と呼ばれてた橋である。
中野長者鈴木九郎が財を別の場所に隠したとき、帰途、運搬人の口封じのために
この橋の上で殺して川に投げ捨てたとこから附けられた名だそうである。私は、
中野長者よりもアダルトＶの中野千夏嬢にどっぷりと溺れさせてもらいたいくちである。