「犯罪発生率」という数字がある。刑法犯の犯罪発生数を
人口10万人あたりでとらえたものである。これが3パーセントを超えるのは
3都道府県。福岡県、大阪府、そして、愛知県だそうである。昨日も、
岡崎市職員が未成年女子の遺体の遺棄罪容疑で逮捕された。援交のトラブルである。
中京競馬場前が待ち合わせ場所だったそうである。愛・地球博が開催されるという時期、
競馬場近くの雑木林の環境を破壊した罪は大きい。ときに、
愛・地球博といえばキッコロであるが、
長クテ流れるような筆致といえばベルト・モリゾである。モリゾは、
ファンタン=ラトゥールを通じてマネを紹介されたが、その場所は、
マネが模写をしてたルーヴル美術館内だったそうである。ときに、ルーヴルといえば、
8月30日は、ドミニク・アングルの師匠ジャック・ルイ・ダヴィッドの誕生日である。
ナポレオンの「お抱え」だったダヴィッドは、「皇帝」廃位後には
自身もギロチンの危険にさらされることとなって、ベルギーに落ちのびたのである。
終始、パリに復帰することを画策してたようだが、不遇のうちに、
1825年、亡命先のブリュッセルで77年の生涯を終えた。ときに、
ダヴィッドは、マネ、ゴッホとともに、私がガキの頃から好きだった「画家」である。
自作に自分を描き入れる、という、ヤン・ファン・エイク、ディエゴ・ベラスケス、
アルフレッド・ヒッチコックらと同じシュミの持ち主である。さて、
「レカミエ夫人像」は未完成ながらダヴィッドの代表作のひとつである。
レカミエ夫人は当時の美人の代表とされ、モテモテだったのだそうである。が、
ダヴィッドの弟子のジェラールの「完成され」た「レカミエ夫人像」の
ブヨブヨの腹と腰回りを観ても、私は食指をそそられないタイプである。
それはともかく、ダヴィッドのほうは、制作中に夫人と諍いがあって
中途になってしまったのだそうである。が、この絵に配されてる
「黄金比」の妙には、まったくもって畏れいる。左端の燭台は、
弟子のアングルが描いたのだそうである。ともあれ、黄金比とは、
ある線分を「黄」と「金」とに分割するとき、
黄:金=金:(黄+金)……(a)
となる比率のことである。けっして、髪を七三に分ける比率ではないし、
実際に取材したメモと架空にでっちあげたメモの比率でもない。
(a)式から、金^2=黄(黄+金)
∴ 金^2=黄^2+黄金
両辺を黄^2で割ると、金^2/黄^2=黄^2/黄^2+黄金/黄^2
(金/黄)^2=1+金/黄
右辺を左辺に移項すると、(金/黄)^2-金/黄-1=0……(b)
(金/黄)をxと置き換えると、(b)式は、
x^2-x-1=0 という二次方程式になる。
その「正の」解は、x=-(-1)+√((-1)^2-4*1*(-1)/2*1
∴ x=(1+√5)/2≒1.618
ここで、(金/黄)=x と置いたのであるから、
つまり、「黄」と「金」を「1」と「1.618」の比率にすればいいのである。
ちなみに、「フィヴォナッチ数列」の隣り合う項も、この比に収束するのである。
(黄+金)という「足し算」が、つまりは、「隣りどうしの2項」だからである。
さて、上半身と下半身の長さが黄金比で描かれてるマダム・レカミエは、
革命期パリの理想の美だったのかもしれないが、中世プロヴァンスの
ヴォデモンにとっては、イョラーンタがその理想にかなう女性だったのである。
→モデラート・コン・モート(2♪=100)、2/4、1♯。
♪ミー>ド<ミ|<ファ>レレ<ファ|<ソー>ミ<ソ|<ラーーラ|
ラララ<シ|>ラー>ソー♪(あなたはんはボクの目の前に、
天にまします・清らな・美しい・幻みたいに現れましたのや。
その美しさに心奪われたボクの、ハッと息をのんだ音が、
あなたはんの眠りを覚ましてしもうたんや)
ト長から、途中、嬰ハ短に転じる。イョにバトンタッチ。
イョラ:「あなたさまのお話は初めてうかがうことばかりやけど、
聞いとると、ふしぎと安堵感を覚えるんです。
ただ、なぜ、あなたさまが私をそないお褒めになるんか、
よう理解できへんのです」
→クワーズィ・アンダーンテ(2♪=80)。
実質嬰ト短でヴォデが受け答える。
ヴォデは「一目ぼれ」の気持ちを鞘に収め、すべての準備を整えてから、
あらためてここを訪れて正式に申し込もうと決意する。そして、
幸運な出会いの記念に、植え込みに綺麗に咲くバラを所望するのである。
「情熱の赤いバラ」を1本、と。
→アッレーグロ・モデラート(2♪=116)、3/4、3♭。
1クラが変ホ長のパッセージを吹く。その間、
イョはバラを手折ってヴォデに渡すのである。が……。
ヴォデ:「ボクは『赤いバラ』をお願いしたんやけど」
イョラ:「どんなんですん? ようわからんのですけど」
ヴォデは赤いバラが固まって咲いてる箇所を指差しながら、
ヴォデ:「この中の1本です」
イョラ:「わかりませんて。でも、いま、お渡ししましたんが、
お気にめさんいうんなら、お返しください。
代わりに、別のを手折ってさしあげますさかい」
ヴォデ:「ああ、それはあきまへん。これも充分に美しく、
あなたはんのように眩しい。せっかく手折ってもろたんや、
記念にいただいときますわ。意味もなく摘んでしもうたら、
それこそ濫獲ダーいわれますさかい。それに加えて、
赤いんのもいただけますか? ヨーク聞いてください、
白と赤のバラを違い鷹の羽のようにして、
我が家の紋章にあしらうというんを思案チューダーさかい」
イョラ:「えぇですよ。喜んで」
が、イョはまた白いのを手折るのである。
→ポーコ・ピウ・ヴィーヴォ(2♪=126)、無調号。
ヴォデ:「なんでや? あなたはんはボクをオチョクッてはるんか?」
その言葉を聞いたイョは、パニックになり、あわててまた別のバラを手折る。
が、またしても白いバラなのであった。ホルン群が咆哮する。
イョラ:「『赤い』とはどないなことですのん? 浪速のロッコはんのことですのん?」
ヴォデはバラを数本手折りながら、
ヴォデ:「どないなっとんのや?」
両翼のvnが嬰ヘ短で、
♪♯ソーーーーー|<ラーーーーー|<シーーー<ドー|>ドー>シーーー
シーーーーー|<ドーーーーー|<レーーー<ラー|ラー>♯ソーーー|
<ドーーー>シー|<ファー>ミー>ドー|>ラーーー>ソー|
>ファーーー>ミー|>ドーーー>シー|<ファー>ミー>ドー|
>ラーーー>ソー|>ファーーー>ミー♪
と、事の深刻さを訴えるのである。
ヴォデ:「さぁ、ボクが何本手折ったか、おっしゃってみてくらはりますか?」
イョは手を伸ばしながら、
イョラ:「そんなん造作もあらへんことや。こっちに渡してちょうダイ?」
ヴォデはバラを渡さずにあとじさる。
イョラ:「バラはどこですねん? ふざけてはるんか?
数を当てるくらい、難しいことやおまへん」
ヴォデ:「いぃや、そやおまへん。触らずに、いうことですねん」
イョラ:「触れずに? そない難儀なこと言わんと……」
ヴォデ:「あ、あたぁ~! わかったで。こん人は見ぃへんのや!
なんという可哀相なことすんのや、神様は!」
低弦の刻みとホルン*トロ&チューの和声に支えられたうえに、
1オボ*コルアン*2クラ*2ファゴのユニゾンが実質ロ短で、
♪ドーーーーー|>シーーー<ドー|>シーーー>ラー|ラーーーーー|
ラーーーーー|>ソーーー<ラー|>ソーーー>ファー|ファーーーーー♪
と、「木管群のユニゾンの迫力」のドスを効かすのである。
それが鎮まると、
イョラ:「あなたさまが手折ったバラは、何処?
騎士さま、騎士さま、あなたさまは、何処へ?」
ウソツキジこうくうきのレフト・ウィングの塗装が溶け落ちたときのような、
むなしい稿空気がふたりの間に流れるのである。
人口10万人あたりでとらえたものである。これが3パーセントを超えるのは
3都道府県。福岡県、大阪府、そして、愛知県だそうである。昨日も、
岡崎市職員が未成年女子の遺体の遺棄罪容疑で逮捕された。援交のトラブルである。
中京競馬場前が待ち合わせ場所だったそうである。愛・地球博が開催されるという時期、
競馬場近くの雑木林の環境を破壊した罪は大きい。ときに、
愛・地球博といえばキッコロであるが、
長クテ流れるような筆致といえばベルト・モリゾである。モリゾは、
ファンタン=ラトゥールを通じてマネを紹介されたが、その場所は、
マネが模写をしてたルーヴル美術館内だったそうである。ときに、ルーヴルといえば、
8月30日は、ドミニク・アングルの師匠ジャック・ルイ・ダヴィッドの誕生日である。
ナポレオンの「お抱え」だったダヴィッドは、「皇帝」廃位後には
自身もギロチンの危険にさらされることとなって、ベルギーに落ちのびたのである。
終始、パリに復帰することを画策してたようだが、不遇のうちに、
1825年、亡命先のブリュッセルで77年の生涯を終えた。ときに、
ダヴィッドは、マネ、ゴッホとともに、私がガキの頃から好きだった「画家」である。
自作に自分を描き入れる、という、ヤン・ファン・エイク、ディエゴ・ベラスケス、
アルフレッド・ヒッチコックらと同じシュミの持ち主である。さて、
「レカミエ夫人像」は未完成ながらダヴィッドの代表作のひとつである。
レカミエ夫人は当時の美人の代表とされ、モテモテだったのだそうである。が、
ダヴィッドの弟子のジェラールの「完成され」た「レカミエ夫人像」の
ブヨブヨの腹と腰回りを観ても、私は食指をそそられないタイプである。
それはともかく、ダヴィッドのほうは、制作中に夫人と諍いがあって
中途になってしまったのだそうである。が、この絵に配されてる
「黄金比」の妙には、まったくもって畏れいる。左端の燭台は、
弟子のアングルが描いたのだそうである。ともあれ、黄金比とは、
ある線分を「黄」と「金」とに分割するとき、
黄:金=金:(黄+金)……(a)
となる比率のことである。けっして、髪を七三に分ける比率ではないし、
実際に取材したメモと架空にでっちあげたメモの比率でもない。
(a)式から、金^2=黄(黄+金)
∴ 金^2=黄^2+黄金
両辺を黄^2で割ると、金^2/黄^2=黄^2/黄^2+黄金/黄^2
(金/黄)^2=1+金/黄
右辺を左辺に移項すると、(金/黄)^2-金/黄-1=0……(b)
(金/黄)をxと置き換えると、(b)式は、
x^2-x-1=0 という二次方程式になる。
その「正の」解は、x=-(-1)+√((-1)^2-4*1*(-1)/2*1
∴ x=(1+√5)/2≒1.618
ここで、(金/黄)=x と置いたのであるから、
つまり、「黄」と「金」を「1」と「1.618」の比率にすればいいのである。
ちなみに、「フィヴォナッチ数列」の隣り合う項も、この比に収束するのである。
(黄+金)という「足し算」が、つまりは、「隣りどうしの2項」だからである。
さて、上半身と下半身の長さが黄金比で描かれてるマダム・レカミエは、
革命期パリの理想の美だったのかもしれないが、中世プロヴァンスの
ヴォデモンにとっては、イョラーンタがその理想にかなう女性だったのである。
→モデラート・コン・モート(2♪=100)、2/4、1♯。
♪ミー>ド<ミ|<ファ>レレ<ファ|<ソー>ミ<ソ|<ラーーラ|
ラララ<シ|>ラー>ソー♪(あなたはんはボクの目の前に、
天にまします・清らな・美しい・幻みたいに現れましたのや。
その美しさに心奪われたボクの、ハッと息をのんだ音が、
あなたはんの眠りを覚ましてしもうたんや)
ト長から、途中、嬰ハ短に転じる。イョにバトンタッチ。
イョラ:「あなたさまのお話は初めてうかがうことばかりやけど、
聞いとると、ふしぎと安堵感を覚えるんです。
ただ、なぜ、あなたさまが私をそないお褒めになるんか、
よう理解できへんのです」
→クワーズィ・アンダーンテ(2♪=80)。
実質嬰ト短でヴォデが受け答える。
ヴォデは「一目ぼれ」の気持ちを鞘に収め、すべての準備を整えてから、
あらためてここを訪れて正式に申し込もうと決意する。そして、
幸運な出会いの記念に、植え込みに綺麗に咲くバラを所望するのである。
「情熱の赤いバラ」を1本、と。
→アッレーグロ・モデラート(2♪=116)、3/4、3♭。
1クラが変ホ長のパッセージを吹く。その間、
イョはバラを手折ってヴォデに渡すのである。が……。
ヴォデ:「ボクは『赤いバラ』をお願いしたんやけど」
イョラ:「どんなんですん? ようわからんのですけど」
ヴォデは赤いバラが固まって咲いてる箇所を指差しながら、
ヴォデ:「この中の1本です」
イョラ:「わかりませんて。でも、いま、お渡ししましたんが、
お気にめさんいうんなら、お返しください。
代わりに、別のを手折ってさしあげますさかい」
ヴォデ:「ああ、それはあきまへん。これも充分に美しく、
あなたはんのように眩しい。せっかく手折ってもろたんや、
記念にいただいときますわ。意味もなく摘んでしもうたら、
それこそ濫獲ダーいわれますさかい。それに加えて、
赤いんのもいただけますか? ヨーク聞いてください、
白と赤のバラを違い鷹の羽のようにして、
我が家の紋章にあしらうというんを思案チューダーさかい」
イョラ:「えぇですよ。喜んで」
が、イョはまた白いのを手折るのである。
→ポーコ・ピウ・ヴィーヴォ(2♪=126)、無調号。
ヴォデ:「なんでや? あなたはんはボクをオチョクッてはるんか?」
その言葉を聞いたイョは、パニックになり、あわててまた別のバラを手折る。
が、またしても白いバラなのであった。ホルン群が咆哮する。
イョラ:「『赤い』とはどないなことですのん? 浪速のロッコはんのことですのん?」
ヴォデはバラを数本手折りながら、
ヴォデ:「どないなっとんのや?」
両翼のvnが嬰ヘ短で、
♪♯ソーーーーー|<ラーーーーー|<シーーー<ドー|>ドー>シーーー
シーーーーー|<ドーーーーー|<レーーー<ラー|ラー>♯ソーーー|
<ドーーー>シー|<ファー>ミー>ドー|>ラーーー>ソー|
>ファーーー>ミー|>ドーーー>シー|<ファー>ミー>ドー|
>ラーーー>ソー|>ファーーー>ミー♪
と、事の深刻さを訴えるのである。
ヴォデ:「さぁ、ボクが何本手折ったか、おっしゃってみてくらはりますか?」
イョは手を伸ばしながら、
イョラ:「そんなん造作もあらへんことや。こっちに渡してちょうダイ?」
ヴォデはバラを渡さずにあとじさる。
イョラ:「バラはどこですねん? ふざけてはるんか?
数を当てるくらい、難しいことやおまへん」
ヴォデ:「いぃや、そやおまへん。触らずに、いうことですねん」
イョラ:「触れずに? そない難儀なこと言わんと……」
ヴォデ:「あ、あたぁ~! わかったで。こん人は見ぃへんのや!
なんという可哀相なことすんのや、神様は!」
低弦の刻みとホルン*トロ&チューの和声に支えられたうえに、
1オボ*コルアン*2クラ*2ファゴのユニゾンが実質ロ短で、
♪ドーーーーー|>シーーー<ドー|>シーーー>ラー|ラーーーーー|
ラーーーーー|>ソーーー<ラー|>ソーーー>ファー|ファーーーーー♪
と、「木管群のユニゾンの迫力」のドスを効かすのである。
それが鎮まると、
イョラ:「あなたさまが手折ったバラは、何処?
騎士さま、騎士さま、あなたさまは、何処へ?」
ウソツキジこうくうきのレフト・ウィングの塗装が溶け落ちたときのような、
むなしい稿空気がふたりの間に流れるのである。
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