「悔しいー!なんで出来ないの?」
座り込み地面を握り締めた拳で叩きながら叫ぶ女の子がいた・・・
何度も転んで膝は真っ黒になっている。
「どこがいけないの?教えて!」
「あーー

どうやったら出来るようになるの

」
そう言いながら・・また地面をドンドンと叩く。
相当・・悔しいようだ
しかし・・その子に私は良いアドバイスが出来ない。
私には経験のないことをやっているのだ。
うまく出来るコツを知らない・・・
その子が何をやっているかというと・・・
一輪車
その子は、私の8歳になる姪っ子。
春休みになり遊びに来て、貰った一輪車に乗る練習をするので手伝って欲しいと言った。
手を握ってあげて前へ進み、途中で「離して!」と姪っ子が言ったら手を離す。
するとコテっとコケたり一輪車が後ろに投げ出されたり・・・
昨日は朝から雨が降っていたので地面が湿った状態。
手や洋服が泥だらけ
そんなに難しいものかと私がやってみた!

な・・なんと一輪車を走らせるどころか乗ることさえできないのだ

壁に車輪をくっつけて手を握ってもらって乗ろうと思っても、車輪がツルンと滑り一度もちゃんと乗ることができない・・

「ひとりで乗れるようになるまで帰らない!」と姪っ子。
夕方だったので寒くてしょうがない私は帰りたい・・・
「姿勢良くして、行きたい方向をまっすぐ見てやってごらん」と言えるだけのアドバイス。
そんなことをやっていたら突然・・・一輪車が私の足に飛んできた

「イタ~イ!!!」
もう・・お願い!帰らせて・・・
あまりにも大きい声で「悔しいー

」「あーー

」「イターイ

」と言ってるものだから、練習していた空き地の隣の家のおじさんが顔を出してきた

そして、おじさんは姪っ子に向かって「がんばれ~

」と声援を送ってくれたのだ
なんだか・・小さな小さな青春ドラマのワンシーンのようだ
結局、1日で乗れるようになる人はいないことを納得させ帰ることに。
私の足の痛みと、なんだか分からないが疲れでぐっすりと眠りについたのだった。