40年ぶりだそうです。東京は8月に入り16日連続雨だそうです。
肌寒いような、少し動くと汗ばむような、すっきりしない日になっています。
これが梅雨なら受け入れられますが、異常ですね。
さて、こんな日はつる姫の怖い話でも読んで、冷や汗をかいていただきましょう。
以前投稿したものですが、その後の話もありますので、暇な方はどうぞ。
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7時24分のおんな~
カッカッカッカッ・・・・・・・・・・・・・・・・・
高音の聞き取りにくい私の耳に
今日も遠くから、地面を伝わって響いてくるあの音。
アスファルトに反発する、硬いハイヒールの音だ。
カッカッカッカッ・・・コツッ・・
靴音がMAXになった瞬間
その音が、トーンを変える。
目だけを動かして壁の時計を見あげる。
7時24分だ。。。
コツ・・・・コツ・・・・コツ
息をひそめ、立ち止まりそうなその音が行きすぎるのを待つ。
ものすごい形相の、黒髪の女。
その長い髪は、風に揺れる事もなく
飴細工のように、同じ形のまま女の顔の周りに広がっている。
笑みを浮かべたくちびるには、
動脈から流れ出る血の色の紅がひかれ
歯の代わりに、三日月のような黒い闇がのぞいている。
ハイヒールを履いているはずの足は見えないが
靴音の後に、かすかな砂埃が巻きあがる。
頭の中のイメージが、四拍子で心臓をたたく。
背中にひとかけらの氷を入れられたように
恐怖が、腰のあたりまで滑り落ちる。
は、早く通り過ぎてくれ。。。
・・・・カッカッカッカッ・・・・
再び、もとのトーンに戻って遠ざかる靴音。
よかった・・・
時計の針がひとコマ動き、額の汗が、すーっと顎にまで伝わる。
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はい、これは何年も朝の7時24分ピッタリに自宅の前の道を走っていたオバサンのお話です。
これは靴音からイメージした恐怖なので、外国的なホラーですな(笑)
あれは急いでいるのではなく、敢えて走って鍛えているのでは、と思い始めた頃(ハイヒールを履きながら?)
彼女は進化し、通り過ぎる時間は23分22分と、早くなっていきました。
ところが・・・・
最初に気づいてから10年ほど経った今、10歳ほど年を重ねたオバサンの走る時間はバラバラになりましたが、それでもいつでも走っておられます。
イメージとは違って、ショートカットのお洒落なキャリアウーマン的なおば様です。
この10年の間ずっと元気で走っておられる、名も知らぬオバサンをみて、この10年の自分の身体の事に想いを馳せる平日の朝です。
この先10年もあのオバサンが元気に走りつづけられるといいですね。
ちっとも怖い話じゃなかったですわな。
バア!びっくりした?
しないか。
ほなさいなら。
感謝をこめて
つる姫