綿密な考証と大胆な仮説に基づいた作品です。
彼の才能を開花させたともいえる、僧侶大典との出会い。
この世の森羅万象を描いて欲しいという大典との約束が、「動植綵絵」という代表作のひとつをうみ出しました。
若冲の描く動物や植物は、緻密ではありますが、写真のような絵ではありません。
優れた観察力に加え、そのものから出ずる「神気」を感じとる。
何百年経った今も、物質的にも色あせない彼の作品は、恵まれた財力により、高価な画材をふんだんに使えたという事もありましょうが、作品にはその神気が宿っているのでしょう。
レプリカとはいえ、劇中に観た彼の絵に感動。
本物に会いに行きたいと強く思いました。
若冲演ずる歌舞伎の中村七之助さん、大典の瑛太さんも素晴らしかったです。
生まれ持つ才能はありますが、なくてはならないのがそれを覚醒させるきっかけや出会い。
自分の思いを封印して生きていた大典も、若冲との出会いで解き放たれました。
別々に生きてきた人たちがどこかの時点で交わる。
もう出会いはいらないと思っていた私ですが、ちょっと意識が変わりました。
今日もつつがなく過ぎますように
感謝をこめて
つる姫
