お山(産)歩雑記

お山を愛する絵描きの雑記帳かつ2010年7月生まれの歩美&2012年8月生まれの竜之介の一姫二太郎育児奮闘記

2007年11月8日

2007-11-09 02:31:36 | Weblog
本日はいつもよりちょっと早めに、6時起きの7時出発で現場のお山へ。
いまさら見つかってしまった、台風9号による倒木被害調査。
尾根を延々歩くと、50年生近いヒノキが倒れる倒れる…
こういった場合、今回生き残った樹木も、その後の風当たりが強くなるため、次回強風が吹いた場合ヘタすると周辺全滅の可能性も出てくる。
かといって、有効な対策は無し。無力…
はぁぁぁ~と思いながら夕方職場に戻り、来週のイベント打ち合わせ。

しかし、本日の業務はまだ序の口であった。
打ち合わせも終了しかかった4時半過ぎ、Iさんより
「Y岳(私の管内のお山)に新聞記者が単独で取材に行って、今山頂にいると連絡が入った…。」
…なぬ?4時半に山頂にいるだぁ?!
Y岳は標高2014m。
山頂まで40分程度で登れる箇所まで車道が入ってはいるが、夕方にはたいてい霧が出る上、下山する道を間違うと、日本3大崩れのO谷嶺や、今も土砂を出し続ける崩れ沢・N沢へ降りててしまいかねない。
時間は4時半過ぎ、あと数十分で夕闇の時間だ。
しかも記者さんは土地勘が全く無く、装備もいたって軽装。
…こりゃ、もしかして。

数分後、Iさんにかかってきた電話は、
霧・闇のため道全くわからず。
携帯の電源ももうすぐ切れる。
との予想していた通りの内容だった。
すかさず
「今から救助に行くから、絶対にそこを動かないよう。時間は3時間位。あと職場の連絡先と上司の名前を教えなさい。」
電波も途切れ途切れの中、Iさんの冷静な対応。
流石だと感心すると同時に、私達も装備品を整える。
ヘッドライト、シュラフ、防寒着、担架を組むためのポールと毛布、連絡用の携帯と無線、お湯の入ったポットなど等。

数十分後、装備を整えて私を含む5名の同僚+駆けつけた記者さんの上司がY岳へ向かって出発した。

くねくねとつづらに曲がる、真っ暗な山道を、できる限り安全に、速度を上げて進む。
約2時間後、登り口の駐車場に到着。
しかし、記者さんの車は見えない。
どうやら登り口も間違ったようだ。
自力で下山できていた場合の連絡網を打ち合わせして、
いざ、山に登ろうとしたとたん
「きみは、日中山歩いてるから、ここで待機。」
とのお達し。
なぬぅぅぅ!!バリバリ登るつもりで、車内でチョコレートを貪ったというのに!!…

しかし、冷静に考えれば、誰かは無線機のついた車で待機しなくてはならない。
記者さんの上司さんを一人で放っておくわけにもいかない(一緒に連れて行く選択肢はもちろん無し)
しかも、もし記者さんを担がなくてはならなくなったとき、私はお役に立てないだろう。
女だから。
ちょっと悔しかったが、私の日中の行動も把握して、きちんと指示を出してくれた上司の判断は、間違っていない。

登っていく4人の同僚の姿を見ながら、記者さん共々ご無事でと念を送る。

月が無く、無数に光る星の下、
待つ事1時間強。
「おーい!」
という元気な声と共に、
4つから5つに増えたライトの光が見えた。

ほっと一呼吸。

本日の業務無事終了。