過去から来た人の気持ちになって

ある日、目がさめると…

テレビのチャンネルがなくなっていた！
どうやってチャンネル回すかわからん上に、なんだ、この薄さは？
誰かが板に変えていったんだな…

え！なんかポッチを押したらついたぞ！
す、すごい、こんな薄いテレビ！
相撲中継か…って、えぇ！
外人ばっかし！

そ、そうか、頭のいいオレサマは気付いたぞ、オレサマはタイムスリップしたにちがいない！

ということは、未来の日本は外国に占領されてるってことか。
なーに、オレサマはあわてないぞ、鉄のイノシシだーなんてぶざまな事いわないようにテレビで情報収集だ！

って始まったのはアニメかよ…。
！なんか絵はイマイチだけど動画枚数がすごいなあ！
誰が描いたんだ？
しかも実写も合成されてるみたいだぞ…。


テレビはこのぐらいにして…
街に出てみよう。あまり町並みはかわってないな。

透明のチューブは通ってないようだ。

とりあえず駅に向かう。

な、なんだ！切符切ってくれる人がいない！
いや、馬鹿にするな…自動改札ぐらい知ってるぞ。
しかし、定期入れで改札をどついてるのがわからん？
あれで通れるのか…。


よくよく考えると、この時代の通貨がない。
帰宅だ。

テレビはつくがチャンネルのかえかたがわからん。

暇だ…。ファミコンとかないのか？

それっぽいのがテレビの下にあるが、どこにカセット入れるんだ？

どうしようもないので、ニュースを見ていた。

コンピューターの進歩。小型持ち運び電話。
パソコン通信の早いのん。
いろんな意味で小さな夢が実現された未来。
でも、みんな幸せなのかな？


僕は、未来になったら偉い人の技術ですべての苦しみは解決していると思ってたんだ。
戦争はなくなり、みんな笑ってる未来。
ロケットが空を飛び、透明透明のチューブをすごいスピードで駆け巡る。

でも、そうはならなかったんだ。
未来でも泣いている人は消えてないし、争いもなくなってない。むしろひどくなってる。


いつしか僕は目をとじる。



台所から大根を切る音が聞こえる。

夢だったのかな？

テレビをガチャガチャまわす。
どっしりとしたブラウン管。

悪い夢だ…。
けっして今が最高というわけではないけど…。

まだ無くしてない。
この気持ち。

無くさないように歩いていこう。なんて思ったりした。