狂気と正常

駅に一人で怒鳴ってるおばさんがいる。

多分、精神的にアンバランスな人なんだろう。

おい、ちょっとまて。
アンバランスなのかとか、正常かそうじゃないかっていうのは誰の判断なんだろう？
大勢、大多数の人間が共通して感じるものを正常と呼ぶのだろうか？
それはおかしい。
僕らは、他人の外的な状態を見て、それを推測する事はできるが、他人の気持ちや考えそのものを体験する事はできない。
つまり、何が正常かというのは、個人個人が外的情報を集めて推測するしか無いのである。
それが正常という概念にどれだけ迫っているかを数値として弾き出すのは不可能だ。

つまり、おばさんにとってその行動は、内的判断による正常であると推測されるわけだ。

僕らが考える正常というのは、暗黙の了解であると言える。
言語や、メディアは、それらの制度を高める手段であって、それを決定づける物ではない。
あくまでも個々の判定が正常であるという感覚を定めているのではないだろうか？

考えるに、この世に確かな物なんて何も無い。
過去の事例や、経験からそう判断しているに過ぎないのだ。
今までは、地球も丸かったし、空も青かった。でも、一分、一秒先がそうであるとは言えないのだ。

大きな事柄を変更することは難しくても、小さな事であれば自分にとっての「正常」という感覚の方向を少し変えることができるかもしれない。
それは、全てを変える事につながるかもしれない。