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闇の子供たちを読んだ。

2008年09月14日 19時41分49秒 | つぶやき
人間が生れつき平等だなんて嘘だ。
天秤はいつも傾いている。
誰かの苦しみの上に僕らの日常は成り立っている。

格差社会というが、この世の中には本当の底辺があり、その事実を誰しもが認めたくないのだ。

この「闇の子供たち」 には、そういった事が書かれている。
「まさか、同じ人間が、そんな事をできるはずがない」
自分たちのモラルと照らし合わせて、そう判断する。いや、そう思いたいのだ。

この本を読み終えたあと、叫びたくなった。そして、これがフィクションであると思いたかった。
飢えと貧困に人は勝てない。
現実は…この本よりヒドイのかもしれない。

この本は、タイの幼児売春や、生きたままの子供からの臓器売買について書かれている。

山間部の貧しい村で、娘が売られていくところから話は始まる。
わずかなお金で物として売られていく子供たち。

なぜ、そんな事になったのか理解できずに、虐待され大人達の性的な玩具にされ、エイズに感染するとゴミ袋に入れられてゴミ処理場に捨てられる。
または、人知れず処理されたり、生きたまま臓器を摘出されたりする。
闇の中にその存在を閉じ込められた子供たち。

子供達は、人間として扱われない。
そして、警察も軍も政府もマフィアもグルだ。

NGOの人達と、その中にいる日本人女性の活動を描いているのだが、ページが進むにつれて暴力に物事がねじふせられる矛盾を感じる。

そして終盤は、日本のお金持ちの息子と、タイの子供の命が天秤にかけられることになる…。

貧困と飢えの恐怖。
日本からすれば遠い国の話なのかもしれない。

しかし、世界中が経済で繋がる今、無縁ということはない。
特に日本はそう。

作中に出て来る売春宿に、日本人が子供を買いにくるエピソードがある。
経済的にも人件費の安い地域があるから、今の日本の生活水準を保つ事ができている。
普段、それを意識する事は少ない。
僕は、恥ずかしながら、ヒロインのように現地に赴き戦うことはできない。
自らも命を狙われても、他の国のためにつくそうとする…。
いや、他の国と言ってる時点でダメなのかもしれない。

まずは意識する事から…。

読むのに相当にパワーがいります。
どうしても虐待されてる子供が息子とダブってしまって…。
場所が違うだけで、命の重さが違うなんて…。
お金を払えば解決する問題ではない。
難しい問題。
甘いのかもしれないけど、まずは意識して考える事から始めたい
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