すべてのドアは入り口である 原田マハ、高橋瑞木 277頁
読みました(*゚∀゚)=★★★
直木賞を逃した マハさんは 美術館の仕事経験が あります。
この本はマハさんと 水戸美術館の キュレーターである 高橋さんとの対談形式で 現代アートについて 読者に 広く 飛び込んできてほしいという意図で企画されています。
モネや ルソーから大好きと言うマハさんの読者達も
現代アートについては なかなか難しくて よく分からない
という印象を持つ方が多いと思います。
が、マハさん達は その読者たちに向かって、丁寧に根気よく 、アートとは 決して難しいものではなく
自分の感情を揺り動かすにもので、時には気持ち悪いとか怖いとかそういった感情も引き出すかも知れないが、
それでも確実に自分を別の世界に連れていってくれるドコデモドアのようなものだと言います。
僕もこの本の中で初めてたくさんの知らない現代アートの人たちが それぞれ 斬新な方法で アート表現をしていることを知りました 。
例えば 美術館の中に とても大きな夕日を 出現させたり、
容器の中に自分の おしっこを満たしてその中にキリストの像を入れて展示したりしてしまいます。
あるいは 床に 死んでしまった恋人の体重と 同じ重さのキャンディーを 敷き詰めてそれを 見学者に一つずつ持って行ってもらいキャンディーが展示期間中に段々消滅してゆくという表現です。
どれもこれも 自分には 考えつかないような 新鮮な 発想で
まさに新たなドアを目の前に 開いてくれているような気がします
そして展覧会は ただ作品を並べただけでは展覧会にならない、 どの作品の横にどの作品が来るのか
それによって作品がスタジオにあったときとどのように異なる文脈を紡ぎだすのか、
そこを引き出すのがキュレーターの腕の見せ所なのだと教えてくれます。
よく計画された展覧会は キュレーターと アーティストの才能がぶつかりあって まさに 芸術の新たな事件が発生している、その場に居合わせるようなドキドキ感を 感じさせてくれるライブ会場のなのだと熱く語っています。
少しマハさん的にはお堅くて、期待してる脱線や暴走がない所が残念ですが、それでも確かにマハさんプレゼンツのドコデモドアはとっても面白そうで僕もこのドアをくぐってみたいと思うのでした。