♯火の鳥乱世編 ♯手塚治虫
駄作である。
あの手塚治虫であろうが、あの火の鳥であろうが、ダメな作品はダメだ。
せっかくの乱世編、平家物語を題材に清盛と義経、そして弁慶のモデルの木こりの弁太、弁太のいいなずけでありながら清盛の寵妾となるおぶう。
意義深いキャラクターをを造形しながらなんの必然性もなく、ことごとく斬られ、殺される。
いや、乱世編だから意味もなく死ぬことが必然だ、だから納得しろ、そんなメッセージはわからないわけではない。だがね、それだけでは読者は、ファンは納得なんかできるわけなかろうが!
うまく言えないが、物語には虚しい死でも、あっけない死でも、きちんと死は死であり、きちんと重いものではなかったのか!?と強く思うのだ。
ヒロインおぶうが義経に斬られ、どろろみたいなひょうたんかぶりが義経に斬られる。
どちらも大事で今まで丁寧に作り込まれていた人物たちが、たった一コマで、邪魔だから、みたいなどうしょうもない理由でゴミをよけるように殺される。イケメンのはずの義経がエゴに歪んだ醜悪な顔で、ああ殺した、仕方ないから殺した、と糞みたいな言い訳をするのだ。阿呆か??
手塚治虫先生、先生にとってキャラクターとは?作品とは?そんな軽いものだったのですか?あなたは本当にあのブラックジャックで死の重さを僕に教えてくださった手塚治虫ですか?
悲しいのはこの作品が僕のような悪口と先生自身の完璧性によって描きなおされることが今後、決してないことだ。ああ、哀しい。
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