Pixysのポジティブライフ

困難に立ち向かうアラフィフの日常
働いて働いて働いて働いて、たまに旅に出る

心の中のセリフ

2007-03-06 22:47:41 | 舞台やダンスの話
なんか書くの久しぶりだけど、実は3月に入ってから書いた記事、ばーん!とかきおわったとたんに飛んだ。それ以来、しばらく書く気もおきなかったのだ。

芝居の稽古はずいぶん進み、もうすぐ通しができる。子供は毎日ワクワクドキドキしながら、夜布団に入りコソコソと他の役者の真似をする。ああ、本番に近づいてくると他の役者さんたちのモノマネを始めるんだった・・・。そしていつの間にか脚本の全てのセリフを一人で30分かけてしゃべりはじめるようになる。自分のセリフはなかなか入らないくせに、良くまあ、あれだけの長いセリフを覚えるものだなー。子供の頭とはいったいどうなっているんだか。

それが彼にとって『目で見る』『音で聞く』芝居であって、それが客の目線でもある。彼が面白くて何度もそのセリフを言う時は、そのセリフは彼のツボに入るセリフであるわけで自分で言ってみて「けっけっけっ・・・」と自分でウケている。けれど自分が演じている役は、自分では見れないから覚えが悪いのかな。

日曜の稽古の次の日、彼は自分の役について疑問を持ち始めた。「お母さん、ぼくはどうしてあそこまで歩くのかな?何を考えながら立ち位置まで歩いていくんだろう。」演出に動きをつけられたからだ。自分の動線に対して何か意味がないといけないと思ったらしい。ああ、確かにそういった稽古が行なわれていたっけ。しかも歩く距離は結構長い。ただ立っている時間も結構長い。その後、また来た方向へ戻っていく。その間、何者でもないわけにはいかない。「それを考えるのが役者の仕事だって言ってたじゃん。」「教えてよ。ケチ。」「ふん、自分で考えなっ!」「ふむ・・・。」
一年前はただセリフをしゃべるだけで精一杯だった。今回は少し頭を使えるようになったようだ。セリフとセリフの間、どんな事を考えながら待っていると次のセリフが出てくるのか、言葉にでない「心の中のセリフ」を彼は考え始めたようだ。ヒントは教えてあげたけれど、彼がどうするかは知らない。

それはダンスでも鍛えられたのかもしれない。フリとフリの間の微妙な時間、彼は練習の時に「それっ!」や「おらおらおらおら!」っとリズムを刻みながら、同時にサビヘ向ってテンションを上げていく方法を覚えた。自分で自分の体や気持ちを持ち上げていく気持ちの良さに気がついたのだ。彼が急にうまくなったと言われるのはダンスのうまさよりも、そっちのセンスによるものだと思う。とにかく次のフリにうまく入れると楽しいだけなのだ。

このまま真直ぐ、本番までテンションあげていけよ!