Pixysのポジティブライフ

困難に立ち向かうアラフィフの日常
働いて働いて働いて働いて、たまに旅に出る

2009-10-17 23:32:51 | 変な話
2~3日前からレンジの火がつかなくなった。たぶん電池が切れたんだと思う。ガスは出てるから、チャッカマンで火をつける。それからお風呂が自動で沸かせなくなったり、洗面所の電気もチカチカ・・・。まるで私達が出て行くのがわかっているみたい。「役目は終わった」とでもいうように次々と使えなくなっていく家。不思議な現象が起きている。まあ、そんな事もあるのかもしれないなどと思いながら、忘れないように家のあちこちを目に焼き付けていく。
10年以上住んでいた我が家は、改めてみると結構いい家だ。

子供の頃から貧乏でずっと借家住まいだった。六畳一間のアパートだったり父の会社の社長さんちの二階を間借りしてたり、おじいちゃんちは駄菓子やのようなお店をやっていたけど、そこも借家だった。
ある時、ボロボロのアパートから、初めてのお風呂付の家に引越す日、母が泣いているのを見た。「なんでいい家になるのに悲しいんだろう。」と思ったものだ。
小学生の頃、お金持ちの友達はみんな自分の家を持ってて羨ましかった。だからいつか自分もお金持ちになって自分の家を持ちたかった。夢が叶った時には本当にうれしかったな。
大人になってわかったのは、家を持ってるからって別にお金持ちではないってことだ。それに持ってれば持ってるで修理しないといけない時が来る。物は必ずいつか壊れてしまうのだからしかたない。
あの日、母が泣いていた気持ちが今は少しわかるような気がする。どんな家でもそこで生きてきた年月があるわけだから。
天井の木目を、襖の模様を、ドアノブの感触を、愛おしく懐かしく思い出す日がくるのかもしれない。1つ1つに感謝しながら残りの日々を過ごそうと思う。