*** Plaisir de voyager ***

非日常的な旅で遭遇する色々な体験のお話です。Various enconters in unusual travels.

フランスあちこち(2)コドベック・アン・コー Villes et villages de France (2) Caudebec-en-Caux

2013-06-18 | フランスあちこち Trip in France
 コドベック・アン・コー沿岸のセーヌ川

フランスあちこち (2)コドベック・アン・コー Caudebec-en-Caux

  この地名は、恐らく殆どの方にとって馴染みがないと思います。私も、全く知りませんでした。

  コドベック・アン・コーと言う村は、ル・アーブルとルーアンの中間に位置するセーヌ河畔の小さな街です。ブークル・ド・ラ・セーヌ・ノルマンディー地方自然公園(Parc Naturel Re´gional des Boucles de la. Seine Normande)の一部であり、”セーヌ渓谷の真珠”(La Perle de Seine)と言う美しい別称もあります。

    この村を訪れたのは、スペインで偶然の出会いがあったためです。

  サンチャゴ巡礼の折、私がサンチャゴ・デ・コンポステーラに到着後、巡礼の長旅で汚れた衣類を焼却するために、フィニステーラと言うヨーロッパ大陸の地の果てに出かけました。そこで、フランスのノルマンディー地方から来ていた巡礼者と出会いました。

  そのフランス人は、カレル・クリストフと言う名前の薬剤師さんでした。住んでいるのはコドベック・アン・コーという村。ペンションも営んでいるので、もし機会があれば、是非立ち寄って欲しいと誘われました。パリからTGVに乗り、ルーアンの次の駅であるイブトー(Yvetot)で降りると、そこまで迎えに行ってあげるよと言ってくれたのです。

  スペインの巡礼が終わった後、私はルーアンやル・アーブルなど、フランスのノルマンディー地方を旅行する計画を立てていましたので、その誘いに応じて予定外の見知らぬコドベック・アン・コーに立ち寄ることにしたのでした。

  実際にこの村を訪れたのは、5月22日の夕方でした。ルーアンで観光を楽しんだ後、列車に乗ってイブトーに向かいました。イブトーまでの乗車時間は、約20分でした。


オート・ノルマンディー地方、セーヌ・マリティーム県付近の地図

  私はある程度フランス語の日常会話はこなせますが、電話は苦手です。一方カレルは英語が殆どできません。そこで、駅前にあったレストランの女主人に頼んでカレルに電話をかけて貰いました。すると、30分ほどで、カレルが車で迎えに来てくれました。


イブトーの駅前のレストラン

  イブトーからコドベック・アン・コーまでは、概ね15分くらいでした。カレルの語るところによると、第2次世界大戦の折には、ドイツ軍の攻撃により、この村は壊滅的な打撃を受けたとのことです。しかし、今ではすっかり復興して、セーヌ河畔の静養地として旅行者に人気があるようです。


ペンションを営むカレルの自宅

   
巡礼仲間のペンションで夕食のひととき(中央の二人が、カレルとカレル夫人、両端はカレルの友人夫婦)

  カレルのペンションに泊まった翌朝、自転車を借りて近所を散歩してみました。人口数千人のちっぽけな村ですが、中心部にはなぜか立派な教会が聳えていました。それは、13-16世紀にかけて建造されたノートルダム教会で、フランボワイヤン様式のゴシック建築だそうです。ブルボン朝初代のフランス国王アンリ4世は、“フランスで一番美しい教会”と言ったと伝えられています。

  宗教戦争や第2次大戦で被害を受けましたが、16世紀のステンドグラスはそのまま残されています。教会のすぐ隣には、商店街が並んでいます。

     
村の中心にあるノートルダム教会      


村人で賑わう中心街

  その後、セーヌ川の河畔に出ると、桟橋が現れました(冒頭の写真参照)。遠景には、セーヌ川に架かる近代的なブロトンヌ橋(Pont de Brotonne)を見渡すことができました。全長は約1300m、高さは125mだそうです。

  散歩ついでに足を延ばして、セーヌ川に沿って下流の隣村のヴィルキエVillequierまで出かけました。文豪ヴィクトル・ユーゴーゆかりの地として知られる村です。この村には、ユーゴーの別荘があったのですが、1843年に悲劇が起りました。ユーゴーの長女、レオポルディーヌ Leopoldine がセーヌ川にて19歳の若さで溺死したのです。現在その別荘はヴィクトル・ユーゴー博物館となっており、この作家の愛用品や作品などが展示されています。

        
ヴィルキエに向かうセーヌ河沿いの道路 


ヴィクトル・ユーゴー博物館 Le Musee Victor Hugo

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