サンティアゴ巡礼の宿場町、フィジャック
フランス南部: (2)ミディ・ピレネー地方(La region de Midi-Pyrenee)
c. フィジャック Figeac(ロット県 Dep de Lot)
フィジャックと言っても、日本では余りご存じではない方が多いと思います。でも、ロゼット・ストーンのヒエログリフを解読し、“エジプト学の父”と呼ばれるシャンポリオンの名前を聞いたことのある人は多いと思います。実は、そのシャンポリオンの生まれ故郷がこのフィジャックなのです。私自身、2013年10月にル・ピュイ巡礼路を旅した折りに、巡礼仲間のフランス人に教えられて、この話を初めて知りました。
フィジャック市内には、シャンポリオン博物館があり、テラスにはヒエログリフふぁ刻まれた見本があります。関内には、世界各国の特殊な文字が展示されており、展示品の中には筆で書かれた日本の掛け軸も含まれていました。
シャンポリオン博物館
さて、フィジャックの所在地ですが、フランスの中央山地が終焉する西の端でセレ川(Le Cele、ロット川の支流)の右岸に位置しています。人口が約1万人の町です。サンティアゴ巡礼の宿場町として、中世以来栄えて来た歴史を持っています。ル・ピュイ巡礼路の出発点、ル・ピュイ・アン・ヴレイからは、約250kmの距離になります。
ル・ピュイからフィジャックに至る巡礼道の高度プロフィール
フィジャックは、交通の要衝でもあります。パリからは、フランス国鉄(SNCF)を利用して、ブリヴ(Brive)経由で、約6時間です。この近辺の主要都市であるトゥルーズとかクレルモン・フェランなどにもSNCFで結ばれています。
また、この町は文化省によって、フランス歴史と文化の町(Ville d’art et d’histoire) に登録されており、中世を偲ばせる旧市街が残されている観光地でもあります。フィジャック駅から市街地に近づくと、セレ川の対岸に旧市街が見えて来ます。対岸のすぐ向こう側には、時計塔が聳える教会があります。その教会は、サン・ソヴール教会 (Eglise Saint-Sauveur ) です。建造されたのは11-12世紀頃とされており、フランスの歴史的記念建造物(monument historique)に指定されています。
セレ川対岸のサン・ソヴール教会 サン・ソヴール教会の内部
セレ川を渡ると、旧市街に入ります。街並みは曲がりくねった複雑な構造となっています。建築様式は殆どが4階建ての石造建築となっており、14-15世紀頃の中世に建造された佇まいが維持されています。その中には、フランスの歴史的建造物に指定されている建物もあります。現在、この様な建物の内部には、高級ブティック、宝飾店、美容院、時計屋さん、レストラン、カフェ、スーパーマーケットなど、いろいろなお店が入居しています。
旧市街の街並み
旧市街の街並み
旧市街の街並み
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