ペイ・ベルラン塔(La Tour Pey-Berland)
フランス南部: (3)アキテーヌ地方(La region de Aquitene)
ボルドー Bordeaux(1)(ジロンド県 Dep.de Gironde)
始めに
ボルドーは、ガロンヌ川の河畔に接する港町、郊外を含めた人口は約100万人を数え、パリ、リヨン、リール、マルセイユに次いで、フランスで第5番目に大都市です。この都市は、いろいろな顔を持っていますが、最もよく知られているのはボルドー・ワインでしょう。ワインは、8世紀頃から製造されていたと言われますので、古い歴史を持っています。
また18世紀以来の傑出した建築群を誇る地区が“月の港”(porte de la lune)と言うロマンチックな名前でユネスコの世界遺産に指定されており、観光客の人気を集めています。サンティアゴ・デ・コンポステラ巡礼路巡礼地としても中世以来栄えた歴史があり、ユネスコの世界遺産に登録されている宗教建築も存在します。
ボルドー探訪
観光の利便性を考えて、私はガンベッタ広場(Place Gambetta)から近いショッピング・ストリートの入り口にあるホテルに泊まりました。
宿泊したホテル
ボルドーを訪れたのは、2008年6月中旬でした。ほぼ10年ぶりの再訪です。前回は、郊外のメドックやグラーヴなどのワイン産地巡りをしましたが、今回は、市内の歴史的建造物を探訪しながら、ぶらり歩きを楽しみました。
到着したのは夕方だったので、翌朝に市街地探訪をスタート。この日の午前中に散策したコースをマップで示すと、次の通りです。
ボルドー滞在2日目午前中に歩いたコース(オレンジ色の線)
ホテルを出て、ガンベッタ広場の方角に向かうと、直ぐそばにディジョー門(Porte Dijeaux)が見えます。
ディジョー門
この門は、中世に城塞があった頃の城門の一つですが、ルイ15世がフランスを治めていた頃の1753年に再建されたもので、フランスの歴史的建造物に指定されています。
門に近いカフェでは、朝食を食べている人の姿がありました。
ディジョー門近くのカフェ
ここからヴィタル・カルル通り(Rue Vital Carles)に出て前方を見ると、ツイン・タワーが聳える壮麗なセント・アンドレ大聖堂(Cathedrale St Andre)が現れます。
通りの突当りがセント・アンドレ大聖堂
そのまま真っすぐ進んでこの大聖堂に近づくと、規模の壮大さにビックリしました。その大きさはパリのノートルダム寺院とほぼ同じだそうです。
セント・アンドレ大聖堂全景
セント・アンドレ大聖堂の創建は11世紀に遡りますが、12-16世紀にかけてゴシック様式として再建され、現在に至っています。この大聖堂は、サンテイアゴ巡礼路の一部としてユネスコの世界遺産に登録されておりますが、同時にフランスの歴史的遺産にも指定されています。この建物は、今回のボルドー観光で目にした最古の建築物でした。私は、この大聖堂の傍らに佇み、長い歴史に刻まれた趣を感じながら、しばし中世の昔を偲びました。
この大聖堂から少し離れたところには、ひと際高くペイ・ベルラン塔(La Tour Pey-Berland)が聳えています(記事冒頭の写真参照)。この塔の高さは66mに達しており、ボルドーのシンボルの一つとなっています。建造時期は15世紀のことですが、建築を命じたのがペイ・ベルランと言う大司教だったので、その名に因んで塔名がつけられたと伝えれています。
さて、道を隔てて大聖堂の反対側には、立派な宮殿が建っています。それは、ロアン宮殿 (Palais Rohan) です。
ロアン宮殿
この宮殿は、1771年から1784年に建てられたもので、大司教フェルディナン・マクシミリアン・メリアデック・ド・ロアンの要請で建てられたことからその名があると言うことです。
この宮殿は、ナポレオン1世の邸宅となったり、ルイ18世の王宮となったこともありますが、1835年以降はボルドー市庁舎(Mairie de Bordeaux)として使われています。
正門の裏側にある庭園の入り口に、きらびやかなアーチの門がありました。アーチの兆部に王冠が飾られており、ボルドーの王冠(Couronne de Bordeaux)と呼ばれています。
ロアン宮殿の門
このすぐ隣には、ボルドー美術館(Musée des beaux-arts de Bordeaux)がありました。
ボルドー美術館
この美術館が建てられたのは比較的最近で、1881年です。ドラクロワ、ルーベンス、ヴァン・ダイク、ピカソなどを含め、16-20世紀の作品が収蔵されております。
又、ロアン宮殿からほど近い場所にシャト・ドー通り(Rue de Chateau d'eau)がありますが、その通りに面して、近代的で巨大な複合ショッピングセンターがあります。それは、メリアデック・ショッピングセンター(Centre commercial mériadeck)です。
メリアデック・ショッピングセンター
ここには、食品、衣料品、スポーツ用品、靴屋、雑貨、宝石類、書籍、家電等、何でも手に入ります。又、数軒のレストランやカフェの他に、旅行代理店や銀行など入居しているので、とても便利です。ここには靴の補修をしてくれる職人のお店もあったので、私は靴底が剥がれたトレッキングシューズを補修してもらいました。
(続く)
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