ル・ピュイ巡礼路の旅
第2日目:9月26日(木)
行程:サン・プリヴァ・ダリエ(St-Privat-d'Allier) → ソーグ(Saugues)
歩行距離:20 km
天候:快晴
この日の朝、ブリジットの勧めに応じて、ホテルまでピックアップに来てくれたTransbagagesの運転手にソーグ(Saugues)まで、宅配を依頼しました。お蔭様で、この日は3kg程度の軽いバックパックを背負うだけで歩くことができ、とても楽になりました。
8時半頃、ルネ及びブリジットの3人で、ホテルを出発しました。約1時間歩くと、ロシュギュド(Rochegude)の丘に建っている古城が見えて来ました。
Rochegudeの古城
古城の城塞と並んで、最上部に二つの鐘が下がっている円柱状の石造の塔ありました。それは、聖ヤコブに奉げるために12世紀に建造された礼拝堂でした。ロマネスク様式の至宝と称されており、この地域で最も古い礼拝堂のひとつです。(記事冒頭の写真参照)
礼拝堂内部の祭壇 礼拝堂のステンドグラス
この様に辺鄙な山の中に残っている貴重な歴史的遺産に巡り合えたのは、巡礼の旅ならではの機縁です。尚、後日の調査によると、Rochegudeの古城は、現在残っているのは一部にすぎませんが、中世のオーヴェルニュ地方において強力な城塞であり、フランスの歴史的記念建造物(monument historique)に指定されていると同時に、ユネスコの世界遺産にも登録されていることを知りました。
この丘で、ノルウエイ人の牧師夫婦に出会いました。その牧師さんは、ナント流暢な日本語で私に話しかけて来ました。20年ほど前に宣教師として大阪の教会にで数年間住んでいたと言うことですが、全く思いがけない出会いでした!
ノルウエイの牧師夫婦と私
ここからは、渓谷を下る道を辿って、谷底にたたずむモニストロル・ダリエ(Monistrol d’Allier)に向かいます。その途中で、野生のリンゴの木を見かけました。リンゴの実は小ぶりですが、酸味が溢れていました。
野生のリンゴの木
モニストロル・ダリエの村に近づくと、川が現れました。アリエ川(L’Allier)です。村の入り口には、エッフェル橋(Pont Eiffel)と言う名の橋が架かっていました。1888年にグスタフ・エッフェルが建設した鉄橋でした。パリのエッフェル塔を建てる前の年でした。
エッフェルの鉄橋
アリエ川
さて、アリエ川を見下ろしながらこの村から40分ほど登って行くと、岩壁の洞窟に17世紀に建造されたマドレーヌ礼拝堂がありました。丁度お昼時だったので、この礼拝堂の傍らで、アリエ川の眺望をご馳走にして昼食を取りました。
マドレーヌ礼拝堂
ログナック(Rognac)の峠を過ぎて下り道に差しかかると、ソーグ(Sauques)の市街地が見えて来ました。
ソーグ市街の入り口にあるモニュメント
この日の行程は、深さが400mに及ぶ峡谷を下り、再び500mも上にある峠に登ったのですが、何とか目的地のソーグまで歩き通すことができました。
ソーグの巡礼宿に到着すると、宅配便で頼んだリュックサックが無事に届いていました。ここで、今まで同行してくれたルネに別れを告げました。この宿は二人部屋だったのですが、相部屋の相手は、これまでの道中で何度か出会った顔見知りのジャックと言うフランス人だったので、安心しました。
ソーグのジット
ジットの入り口
ソーグの中心部に出かけると、中世の雰囲気が漂っていました。Église Saint-Médard de Sauguesと名付けられたロマネスク様式の教会とかイギリス人の塔(La tour des Anglais)と呼ばれる砦の様な建物が並んでいますが、何れも12-13世紀の頃に建造されたものでした。因みに”イギリス人の塔”と言う奇異な名前が付けられた由縁は、百年戦争の時にイギリス人の傭兵部隊によって、ソグが占領された経緯があるからだそうです。
ソーグの教会 (Église Saint-Médard de Saugues)
イギリス人の塔(正面)
イギリス人の塔(側面)
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