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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

田中ケイ子と仲間達 くるるに響く異文化交流

2012年05月26日 | pocknのコンサート感想録2012
5月26日(土)田中ケイ子と仲間達 
蕨市文化ホール くるる

【演目】
 第二部
日本舞踊
 山河 (東儀秀樹作曲)
田中ケイ子、小池啓子
ソプラノ独唱
 マイフェアレディ~「一晩中踊れたらお折れたら」、「サウンドオブミュージック」、ウェストサイド物語~「トゥナイト」
S:今泉えりこ/Pf:野嶋さやか
インド舞踊
 ティラーナ
舞踊:マチコ・ラクシュミー
日本舞踊 さくら三題
 ① 筝曲「さくらさくら」
② 山ざくら(金子みすゞ作詩/高島豊作曲)
S:今泉えりこ/Pf:野嶋さやか
③ 長唄「元禄花見踊」

田中ケイ子、山本美千子(①)、小池啓子(③)、小田原由美子(①)

日舞の田中ケイ子さんの提唱で行われている「異文化コラボレーションシリーズ」。2009年の公演と同様にインド舞踊のマチコ・ラクシュミーさんとソプラノの今泉えりこさんを迎えて行われ、多彩で魅力溢れる公演となった。今日は息子の小学校の運動会があって開演には間に合わなかったが、後半のプログラムは最初から鑑賞することができた。

日舞もインド舞踊も普段ほとんど接する機会はないが、クラシックの声楽も含め、異なるバックグラウンドを持つ芸術が、お互いに違和感なく自然に共鳴し合っていた。それは、国や文化の違いに関係なくだれにでも共通する人間の自然な呼吸や心の動きが、手段は異なっても、結果として表現芸術として昇華されているからだろう。

田中さんとその門弟の方々の日舞も、ラクシュミーさんのインド舞踊も、指の末端に至るまで細やかな神経が行き渡り、淀みのない滑らかな呼吸に導かれて四肢が連動し、優美な動きが生まれる。そこには目の動きも伴い、踊りが表現しようとしている細やかな心の動きを伝える。これらをいかに自然に伝えることができるかどうかは、ひとえに踊り手の心と体が一つになった熟練の技にかかっているが、それは息を呑むほど見事に表現されていた。

そんな素晴らしい踊り手である田中ケイ子さんが、拙作の「山ざくら」に振りをつけて披露してくださった。少しはにかんだ少女のような初々しさと、ひっそりと山中に咲く山桜の様子が、とても自然に奥ゆかしく表現されていた。自分が書いた曲にこんな素敵な振りを付けて舞って見せてくださり、この上ない幸せ! 今泉さんの透明な声による清楚な歌と、野嶋さんの繊細で優美なピアノの演奏が、踊りを鮮やかに引き立てていた。素晴らしいアーティストたちに感謝!

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