11月21日(土)旭潔・杉田明美 ジョイントコンサート
《金子みすゞを歌う》
ギャラリー野と花(加須)
【第1部】《金子みすゞを歌う》 高島豊作曲
1.風
2.木
3.積もった雪
4.お菓子
5.かりゅうど
6.郵便局の椿
7.私と小鳥と鈴と
8.鯨法会
9.花屋の爺さん
S:杉田明美(1~3,6,7)/Bar:旭潔(4,5,8,9)/Pf:林久美子/朗読:田中佳志子
【第2部】《日本の歌曲から》
1.山田耕筰/かやの木山
2.弘田龍太郎/浜千鳥
3.八洲秀章/あさみの歌
4.越谷達之介/初恋
5.多忠亮/宵待草
6.小林秀雄/落葉松
S:杉田明美(1~3)/Bar:旭潔(4~6)/Pf:林久美子
これまでに度々拙作のみすゞの歌を演奏してくださっているソプラノの杉田明美さんが、やはり拙作を度々取り上げてくださっているバリトンの旭潔さんをゲストに迎えて行ったデュオリサイタル。お二人がここでも拙作を演奏してくださるということで、夫婦でご招待頂いた。
会場のギャラリー野と花は、洋風のおしゃれなコンサートサロン。70席ほどある客席は満席。プログラム前半は《金子みすゞを歌う》と題されて、演奏される全ての曲が拙作で占められていた。演奏してくださるとは伺っていたが、こんなに大規模に取り上げてくださるとは思いもよらなかった。
演奏の前に、田中佳志子さんによる品のある、しみじみとした詩の朗読が入り、歌を初めて聴く人でも自然と歌詞に入っていける演出。そうして演奏されるみすゞの歌の数々。杉田さんの歌には詩への共感が真っ直ぐに熱く込められている。丁寧な発音と発声で言葉が生かされ、豊かな声量に支えられてそれが会場の隅々にまで行き渡る。揺るぎのない確信に満ちたみすゞの世界が歌われた。
旭さんは、これまでに何度も演奏してきてくださった歌の中から4曲を選び、磨きのかかった歌唱で深く、くっきりとみすゞの世界を描いた。時には純粋無垢で意気揚々とした少年の心を、また時には長い人生を歩んできた老人の寂寥感を、密度の濃い圧倒的な声で聴き手にリアルに伝えてきた。
林さんのピアノは対象をしっかりと見据え、譜面から最も大切な音とその役割を見極め、クリアなタッチと響きで詩の情景や心情を明確に表現していた。
このように、二人の歌い手とピアニスト、そして朗読の4人によってみすゞの歌が次々と綴られて行くことで、主宰された杉田さんがイメージしたであろう金子みすゞの世界(温かさ、優しさ、憐れみ、寂しさ)が、より滲み出る場となったのではないだろうか。これは、作曲者にとっても幸せな時間となった。
後半は、古くから親しまれてきた日本の歌が、こちらは朗読なしで演奏された。杉田さんの温かくてチャーミングな歌、旭さんのオペラのアリア張りに情熱的に思いを切々と訴えてくる歌、それぞれが、単に懐かしく親しみ深い日本歌曲という以上の、魅力あるライブの臨場感を伝えてきた。
終演後は、場所を2階のギャラリーへ移動してティータイムとなった。演奏者とともに和やかに演奏会の余韻を楽しんだ。更にその後まで、杉田さんには夫婦共々いろいろおもてなしを頂き、素敵な週末を過ごすことができた。ありがとうございました。
《金子みすゞを歌う》
ギャラリー野と花(加須)
【第1部】《金子みすゞを歌う》 高島豊作曲
1.風
2.木
3.積もった雪
4.お菓子
5.かりゅうど
6.郵便局の椿
7.私と小鳥と鈴と
8.鯨法会
9.花屋の爺さん
S:杉田明美(1~3,6,7)/Bar:旭潔(4,5,8,9)/Pf:林久美子/朗読:田中佳志子
【第2部】《日本の歌曲から》
1.山田耕筰/かやの木山
2.弘田龍太郎/浜千鳥
3.八洲秀章/あさみの歌
4.越谷達之介/初恋
5.多忠亮/宵待草
6.小林秀雄/落葉松
S:杉田明美(1~3)/Bar:旭潔(4~6)/Pf:林久美子
これまでに度々拙作のみすゞの歌を演奏してくださっているソプラノの杉田明美さんが、やはり拙作を度々取り上げてくださっているバリトンの旭潔さんをゲストに迎えて行ったデュオリサイタル。お二人がここでも拙作を演奏してくださるということで、夫婦でご招待頂いた。
会場のギャラリー野と花は、洋風のおしゃれなコンサートサロン。70席ほどある客席は満席。プログラム前半は《金子みすゞを歌う》と題されて、演奏される全ての曲が拙作で占められていた。演奏してくださるとは伺っていたが、こんなに大規模に取り上げてくださるとは思いもよらなかった。
演奏の前に、田中佳志子さんによる品のある、しみじみとした詩の朗読が入り、歌を初めて聴く人でも自然と歌詞に入っていける演出。そうして演奏されるみすゞの歌の数々。杉田さんの歌には詩への共感が真っ直ぐに熱く込められている。丁寧な発音と発声で言葉が生かされ、豊かな声量に支えられてそれが会場の隅々にまで行き渡る。揺るぎのない確信に満ちたみすゞの世界が歌われた。
旭さんは、これまでに何度も演奏してきてくださった歌の中から4曲を選び、磨きのかかった歌唱で深く、くっきりとみすゞの世界を描いた。時には純粋無垢で意気揚々とした少年の心を、また時には長い人生を歩んできた老人の寂寥感を、密度の濃い圧倒的な声で聴き手にリアルに伝えてきた。
林さんのピアノは対象をしっかりと見据え、譜面から最も大切な音とその役割を見極め、クリアなタッチと響きで詩の情景や心情を明確に表現していた。
このように、二人の歌い手とピアニスト、そして朗読の4人によってみすゞの歌が次々と綴られて行くことで、主宰された杉田さんがイメージしたであろう金子みすゞの世界(温かさ、優しさ、憐れみ、寂しさ)が、より滲み出る場となったのではないだろうか。これは、作曲者にとっても幸せな時間となった。
後半は、古くから親しまれてきた日本の歌が、こちらは朗読なしで演奏された。杉田さんの温かくてチャーミングな歌、旭さんのオペラのアリア張りに情熱的に思いを切々と訴えてくる歌、それぞれが、単に懐かしく親しみ深い日本歌曲という以上の、魅力あるライブの臨場感を伝えてきた。
終演後は、場所を2階のギャラリーへ移動してティータイムとなった。演奏者とともに和やかに演奏会の余韻を楽しんだ。更にその後まで、杉田さんには夫婦共々いろいろおもてなしを頂き、素敵な週末を過ごすことができた。ありがとうございました。