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感動と疑問 ~平昌オリンピック~「感動編」

2018年03月01日 | pocknの気まぐれダイアリー
2018年2月28日(水)

平昌オリンピックが閉幕した。3歳だった東京オリンピックの頃からずっとオリンピック好きの僕は、テレビでのオリンピック観戦に結構な時間を費やし、数々の感動を味わった一方で、疑問を持つことも多かった。その「感動」と「疑問」を記しておきたい。

「感動」は、もちろんアスリート達の活躍。どの競技でも世界最高レベルの力と技を以て、全身全霊で臨む選手たちの姿は感動だし、それが日本の選手ならなお嬉しい。大相撲などで「日本人」の活躍を騒ぎ立てる風潮は大嫌いだが、国同士が競い合うオリンピックでは、やっぱり基本日本人を応援してしまう。活躍した日本人選手は皆素晴らしかったけれど、なかでもカッコいいと思ったのは、羽生結弦と小平奈緒だった。

羽生結弦
ショートプログラムの非の打ち所のない完璧な演技には心底しびれたし、演技を終えた直後の自信に溢れた表情や仕草、インタビューでは謙遜することなく、「自分はオリンピックを知っているし、4年前にチャンピオンになりながらも、ミスした悔しさをリベンジするために、怪我で滑れなかった時期も含めて努力を重ねてきた」と、自分の立場と目標をはっきりと言ってのけた潔さ。支えてくれた人への感謝を述べるありきたりな受け答えではなく、自らの努力をはっきり伝え、「リベンジのため」2連覇を狙うと公言し、そして、フリーでも素晴らしい演技で堂々と2連覇を達成したのはカッコよすぎるではないか!ショートでもフリーでも、音楽と演技がぴったりと合っていたのもカッコよかった!再びチャンピオンになって、初めて支えてくれた人たちへの感謝を述べる姿に、真のチャンピオンを見た気がした。

小平奈緒
小平奈緒は、金メダルを取った500mはもちろん、銀メダルだった1000mのときも、滑っている姿が超かっこよかった。「目」で圧倒すべく、わざと透明なグラスをかけたのだろうか。メガネ越しに見る小平の目からは、一瞬のレースに全てを賭ける集中力と、闘争心の極限のような精悍さが伝わってきた。そして、全身で氷上を邁進する姿にホレボレした。

小平を更にカッコよくしたのは、大々的に報道されることになったレース終了後の行動。金メダル有力候補と期待されていた世界記録保持者、韓国の李相花が小平の出したタイムに及ばず勝負が決まったとき、涙にむせぶ李に寄り添い、肩を抱いて声をかけたシーン、そのシーンの後、李は吹っ切れたようなさっぱりした表情に変わり、笑顔でファンに手を振った 。あの時、小平は李の健闘をねぎらう言葉を韓国語でかけていたという。あのシーンを見たとき、僕は心温まるものを感じた一方で、李は世界記録保持者としてのプライドもあるだろうし、韓国で、レースに敗れた韓国人が日本人に慰められるのは、反って世間の反発を浴びるのではないかとも心配した。そんな心配は杞憂で、韓国社会でもこの行動は称賛されたことは嬉しかった。そんな余計な心配よりも、純粋な気持ちで咄嗟にあのような行動を起こせる小平は本当にカッコいいと思った。

オリンピックレコードを出して湧き上がるスタンドの日本人ファン達の方に向かって、次に滑る李らを気遣って「シー」と口の前で指を控え目に立てた行為だって、誰にでもできることではない。小平の行動全てが、オリンピックチャンピオンに相応しい。

カーリング女子
カーリング女子チームは本当によくやって感動ものだった。日本のカーリング女子チームはオリンピックの度に注目され、毎回健闘はするけれど決勝リーグには進めなかった。闘争本能むき出しの野獣のような形相の選手が多い欧米のカーリング選手と比べ、日本の選手は顔も仕草も掛け声もなんとかわいらしいことか。このかわいさが、日本での人気の最大の要因なのだろうが、「あんな野獣みたいな欧米人と闘ってもこりゃ勝てないだろうな…」と思っていた。

ところが今回は、そのかわいさを封印することなく決勝リーグまで進み、見事に銅メダルを獲得したのは素晴らしかった。1分もかからないレース1回でメダルが決まってしまう競技もある一方、3時間にも及ぶ試合を11も闘った末に手にした銅メダル。その間のプレッシャー、体調やメンタルの管理など、本番で費やした労力と時間を見れば、本当に重いメダルだ。カーリング女子チームは世代交代が早いが、若手も育てつつ、できれば次回もその次も、おばさんになっても出場を続けて、益々強くなってほしいな。


感動と疑問 ~平昌オリンピック~「疑問編」

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