5月14日(土)異素材コラボレーションvol.22
【祝!生誕201周年】
~シューマニアーナ2~
雑司が谷音楽堂
【曲目】
1.シューマン/弦楽四重奏曲第1番イ短調Op.41-1
Vn:山口京太、長谷川淳子/Vla:千葉麗子/Vc:平井麻子
2.シューマン/弦楽四重奏曲第2番ヘ長調Op.41-2
Vn:井ノ口上枝、小林真奈美/Vla:千葉麗子/Vc:黄 典子
3.シューマン/弦楽四重奏曲第3番イ長調Op.41-3
Vn:庄司 遥、岡本直毅/Vla:千葉麗子/Vc:渡辺一騎
ハセジュンさんが登場する「異素材コラボレーション」の演奏会を聴きに約1年ぶりに、今回もチャリで奥さん&息子も連れて素敵なホール「雑司が谷音楽堂」へ出かけた。
毎回意欲的なプログラムを手がけるこのアマチュア室内楽グループ、今回はシューマンのカルテット全曲というかなりマニアックな選曲。「シューマンのカルテット?? あることは知っているけど、曲は思い浮かばない…」という頼りない状態で聴いたが、こうして3曲を続けて聴くと、シューマンの魅力がいっぱい詰まった音楽ということを実感した。夢想家シューマンの気まぐれやロマンチックな詩情もあるが、3曲ともとてもガッチリとした枠組みで書かれ、充実した力作揃い。
なかでも一番気に入ったのは第1番。柔らかい線が絡み合う第1楽章、4人のテンションと呼吸がピッタリ合い、エネルギッシュで躍動的だった第2楽章スケルツォ、「なるほど、第9の第3楽章だ…」と納得の第3楽章は、チェロから始まる各パートのロマンチックなモノローグが素敵な歌を聴かせてくれた。そして、各パートが短いモチーフを掛け合いながら、力強くダイナミックに盛り上がっていった第4楽章。終盤のゆっくりになるところは、黄昏どきの静かな情景が目に浮かぶ美しい演奏。これで終わってもよかったが、最後の総仕上げでシューマンの気合いが伝わってきたのは、演奏の功績も大。
第2番はとくに第1楽章が良かった。幸福感に溢れ、瑞々しく流麗な音楽が展開された。アンサンブルが活き活きと対話をしながら前へと進んで行く様子に、未来への展望が開けるような印象。交響曲1番「春」のフィナーレに似た第4楽章のノリのいい演奏にも心が躍った。
第3番はシューマンの気迫が強く伝わってくる力作。3曲全てに出演したヴィオラの千葉さんの存在感が、この曲で一段と際立っていた。「語り」と「味」が効いていて、アンサンブルの要の役を演じていた。終楽章は熱い血が沸き立つような演奏で重量感も十分。シンフォニーを聴き終えたときのようなドラマを体験した。
このアンサンブルのメンバーは、みんなそれぞれに経験も豊富で確かな腕前を持っているからこそ、ここまでシューマンの魅力を伝えることができたのだろう。プロフィールを読むと学生オケの経験者も多いが、学生時代に注いだ音楽への情熱とエネルギーを、アマチュアとしてその後も何十年(!?)も保ち続け、更に高いものを目指していくことは並大抵のことではないに違いない。それを実現している人達の演奏は、聴く者の心に残るものを確実に届けてくれる。そんな信頼感が、次への期待へとつながる演奏会だった。
異素材コラボレーションvol.18 (ハイドンとモーツァルトのカルテット)
【祝!生誕201周年】
~シューマニアーナ2~
雑司が谷音楽堂
【曲目】
1.シューマン/弦楽四重奏曲第1番イ短調Op.41-1
Vn:山口京太、長谷川淳子/Vla:千葉麗子/Vc:平井麻子
2.シューマン/弦楽四重奏曲第2番ヘ長調Op.41-2
Vn:井ノ口上枝、小林真奈美/Vla:千葉麗子/Vc:黄 典子
3.シューマン/弦楽四重奏曲第3番イ長調Op.41-3
Vn:庄司 遥、岡本直毅/Vla:千葉麗子/Vc:渡辺一騎
ハセジュンさんが登場する「異素材コラボレーション」の演奏会を聴きに約1年ぶりに、今回もチャリで奥さん&息子も連れて素敵なホール「雑司が谷音楽堂」へ出かけた。
毎回意欲的なプログラムを手がけるこのアマチュア室内楽グループ、今回はシューマンのカルテット全曲というかなりマニアックな選曲。「シューマンのカルテット?? あることは知っているけど、曲は思い浮かばない…」という頼りない状態で聴いたが、こうして3曲を続けて聴くと、シューマンの魅力がいっぱい詰まった音楽ということを実感した。夢想家シューマンの気まぐれやロマンチックな詩情もあるが、3曲ともとてもガッチリとした枠組みで書かれ、充実した力作揃い。
なかでも一番気に入ったのは第1番。柔らかい線が絡み合う第1楽章、4人のテンションと呼吸がピッタリ合い、エネルギッシュで躍動的だった第2楽章スケルツォ、「なるほど、第9の第3楽章だ…」と納得の第3楽章は、チェロから始まる各パートのロマンチックなモノローグが素敵な歌を聴かせてくれた。そして、各パートが短いモチーフを掛け合いながら、力強くダイナミックに盛り上がっていった第4楽章。終盤のゆっくりになるところは、黄昏どきの静かな情景が目に浮かぶ美しい演奏。これで終わってもよかったが、最後の総仕上げでシューマンの気合いが伝わってきたのは、演奏の功績も大。
第2番はとくに第1楽章が良かった。幸福感に溢れ、瑞々しく流麗な音楽が展開された。アンサンブルが活き活きと対話をしながら前へと進んで行く様子に、未来への展望が開けるような印象。交響曲1番「春」のフィナーレに似た第4楽章のノリのいい演奏にも心が躍った。
第3番はシューマンの気迫が強く伝わってくる力作。3曲全てに出演したヴィオラの千葉さんの存在感が、この曲で一段と際立っていた。「語り」と「味」が効いていて、アンサンブルの要の役を演じていた。終楽章は熱い血が沸き立つような演奏で重量感も十分。シンフォニーを聴き終えたときのようなドラマを体験した。
このアンサンブルのメンバーは、みんなそれぞれに経験も豊富で確かな腕前を持っているからこそ、ここまでシューマンの魅力を伝えることができたのだろう。プロフィールを読むと学生オケの経験者も多いが、学生時代に注いだ音楽への情熱とエネルギーを、アマチュアとしてその後も何十年(!?)も保ち続け、更に高いものを目指していくことは並大抵のことではないに違いない。それを実現している人達の演奏は、聴く者の心に残るものを確実に届けてくれる。そんな信頼感が、次への期待へとつながる演奏会だった。
異素材コラボレーションvol.18 (ハイドンとモーツァルトのカルテット)
いつも良いことしか書いてくださらないので、非常にこそばゆいのですが、落ち込んだ時に読ませていただくと、そうだ、頑張ろう!という気持ちになります。
前回と今回で、すでに総勢12名のプレイヤーの演奏に接したことになり、どなたもみんなうまい!と、層の厚さにも驚いています。
弦楽五重奏、六重奏、八重奏、或いは弦楽四重奏曲で弦楽オケ用にアレンジされたものもできそうですね!ますます楽しみになりました。