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N響 2024年12月C定期(ファビオ・ルイージ 指揮)

2024年12月20日 | pocknのコンサート感想録2024
12月13日(金)ファビオ・ルイージ 指揮 NHK交響楽団
《2024年12月Cプロ》 NHKホール


【曲目】
1.リスト/交響詩「タッソー」
2.リスト/ファウスト交響曲
 T:クリストファー・ヴェントリス/男声合唱:東京オペラシンガーズ

N響12月の定期は全てのプログラムをファビオ・ルイージが指揮。そのうちのCプログラムはリストの管弦楽曲が2曲。リストがオーケストラ作品の作曲家としていかに非凡な才能と能力を持っていたかを示すに十分な曲が並んだ。

ファビオがN響を指揮すると、N響はアンサンブルがきめ細かく練られ、更なる磨きがかかる。緻密でかつ響きに潤いが生まれ、豊饒な艶と輝きを発する。これはファビオサウンドと呼んでもいい極上のサウンドだ。熱気もこもって熱く雄弁に語りかけてくる演奏は、管弦楽のお手本のような演奏とも云える。けれどファビオ/N響の演奏は今夜も僕にとってはどこか物足りなさが残った。それはお行儀がよくて出来過ぎの印象で、ライブならではのサプライズやスリリングなものが伝わってこないことにある。

後半のファウスト交響曲は、Bプロでは聴けなかった合唱入りの大規模な曲だけに期待したのだが、僕にとっては馴染みのある曲ではなく、もっと全曲を通して合唱が活躍すると思っていただけに、曲自体が期待外れだった。合唱が登場する最終盤までは、華やかで勇ましい「ファウストのテーマ」が形を変えてあちこち出てくるところ以外、全く印象に残ったところがなくて飽きてしまった。合唱が入って来てからは演奏にも俄然集中力と熱気が注入されて高揚し、聴き応えもグンとアップしたが、そこに至るまでの長い音楽は、予習していなかった自分のせいでもあるのだろうが、もう少し聴き手にアグレッシブに働きかけてくるものがあっても良かったのではないだろうか、という気持ちが残った。

終演後の拍手は一旦ほぼ止んだあと、それでも数人が続ける拍手が盛り返して一般参賀状態になった。これは最近のお決まりのパターンで、もはや聴衆の感動を映す現象ではなくなってしまった気がする。


(拡大可)

ファビオ・ルイージ指揮N響(Pf:R.ブフビンダー) ~2024.5.23 サントリーホール~
ファビオ・ルイージ指揮N響(Pf:アリス・沙良・オット) ~2023.12.7 サントリーホール~
ファビオ・ルイージ指揮N響(Hrn:福川伸陽) ~2023.5.25 サントリーホール~

N響公演の感想タイトルリスト(2017~)

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