12月11日(日)矢野顕子×上原ひろみ
今年は2人でさとがえるツアー ~Get Together~ 2011
~NHKホール~
曲目
そこのアイロンに告ぐ、Evacuation Plan、ずいずいずっころばし、ケープコッド・チップス、 リーン・オン・ミー、Déjà vu、学べよ、しあわせなバカタレ、こんなところにいてはいけない、Haze、月と太陽、CHILDREN IN THE SUMMER、りんご祭り ほか
アンコール
ラーメンたべたい、グリーン・ティー・ファーム
矢野顕子の今年の「さとがえるコンサート」は、今や超売れっ子ピアニストの上原ひろみとのデュオ。開演前、満員のNHKホールに流れた場内アナウンス、なんと矢野顕子と上原ひろみがしゃべっていた。アッコさんが「音の出るものはイマスグ!スイッチを切ってくださいねー」と呼びかけていた。これはきっと効果抜群だろう。クラシックのコンサートでもやるべき。
二人がステージに登場して演奏が始まるや、さっそくパワー炸裂!初めてライブで聴く上原ひろみのビアノはやっぱりスゴイ。両手が目がまわるほどの猛スピードで鍵盤の上を駆け回る。すごい勢いだが、どんなにテンポが速くなっても全然荒っぽくはならず、全部の音がちゃんとリズムのツボにハマって楽しげに跳ねている。しかも、2階席からオペラグラスで顔を見ると、上原さんはいつも楽しげな表情で、余裕さえ見せている。弾いている方は余裕でも、聴いているこっちはどんどん乗せられて、血が沸き立ってくる。これぞ名役者の技!ハードな部分やリズミカルなところがスゴイだけじゃなく、ゆるいテンポでしっとり聴かせる曲の色と香りとセンスの素晴らしさも天下一品!「月と太陽」や「グリーンティー・ファーム」での鍵盤を撫でるようなタッチから生まれる薫り立つ詩情!
どの曲も途中で上原さんが大活躍する長い「ソロ」が入り、アッコさんの歌はアンサンブルでいえば最初と最後に登場するトゥッティの役目で、上原さんのウエイトが大きい。けれど、アッコさんのピアノが上原さんをうまく乗せているし、ビアノでのアッコさんのキラリと光る合いの手で、デュオが益々魅力的に進む。そしてアッコさんのあの声の、あの歌い回しのボーカルが戻ってくると、本当に「さとがえり」したような懐かしい気分になれる。
休憩後にやってくれたアッコさんのソロの弾き語り、やっぱりいい。アッコさんならではのピアノの魅力に浸れ、歌がしみじみと心に入ってくる。「さとがえる」ではやっぱりこれがないとね。それに続いて上原さんが弾いたソロ(Haze)もよかった。穏やかな曲調のなか、延々と続く持続音が、聴く者を遥か彼方に運んでくれる。七色に変化するハーモニーのグラデーション、薄明から徐々に光を増して、まばゆい明るさになり、それがまたゆっくりたそがれて行く風景に溶け込んだ気分。
アンコールで「待ってました!」と言いたい「ラーメンたべたい」が終わり、終演のアナウンスとBGMが流れ始めても、会場のすごい拍手と歓声は全くやまず、再び二人が登場して「グリーンティー・ファーム」をやってくれた。おとなしめの矢野顕子のお客がこんなに熱くなったのに遭遇したのは初めて。2時間50分におよぶライブが終わった。
それにしても、おれたちのすぐ前にいたオッサンは、静かな聴かせどころで何度もデカイ咳をかましていた。「ちょっとダンナ、あんたのその咳、会場じゅうに響いているのわかんないの?」と一声かけたかった。
矢野顕子と上原ひろみは出会って7年になるというが、この二人、かなり意気投合している様子。この前やっていたNHKのSongsでは、一緒にラーメンを食べるシーンがあったが(上原さんは軽く2杯平らげてしまったが、あのパワーとスタミナの元が判明)、ラーメン好きという大事な共通項もあり、これからどんなデュオが聴けるか、益々楽しみだ。
今年は2人でさとがえるツアー ~Get Together~ 2011
~NHKホール~
曲目
そこのアイロンに告ぐ、Evacuation Plan、ずいずいずっころばし、ケープコッド・チップス、 リーン・オン・ミー、Déjà vu、学べよ、しあわせなバカタレ、こんなところにいてはいけない、Haze、月と太陽、CHILDREN IN THE SUMMER、りんご祭り ほか
アンコール
ラーメンたべたい、グリーン・ティー・ファーム
矢野顕子の今年の「さとがえるコンサート」は、今や超売れっ子ピアニストの上原ひろみとのデュオ。開演前、満員のNHKホールに流れた場内アナウンス、なんと矢野顕子と上原ひろみがしゃべっていた。アッコさんが「音の出るものはイマスグ!スイッチを切ってくださいねー」と呼びかけていた。これはきっと効果抜群だろう。クラシックのコンサートでもやるべき。
二人がステージに登場して演奏が始まるや、さっそくパワー炸裂!初めてライブで聴く上原ひろみのビアノはやっぱりスゴイ。両手が目がまわるほどの猛スピードで鍵盤の上を駆け回る。すごい勢いだが、どんなにテンポが速くなっても全然荒っぽくはならず、全部の音がちゃんとリズムのツボにハマって楽しげに跳ねている。しかも、2階席からオペラグラスで顔を見ると、上原さんはいつも楽しげな表情で、余裕さえ見せている。弾いている方は余裕でも、聴いているこっちはどんどん乗せられて、血が沸き立ってくる。これぞ名役者の技!ハードな部分やリズミカルなところがスゴイだけじゃなく、ゆるいテンポでしっとり聴かせる曲の色と香りとセンスの素晴らしさも天下一品!「月と太陽」や「グリーンティー・ファーム」での鍵盤を撫でるようなタッチから生まれる薫り立つ詩情!
どの曲も途中で上原さんが大活躍する長い「ソロ」が入り、アッコさんの歌はアンサンブルでいえば最初と最後に登場するトゥッティの役目で、上原さんのウエイトが大きい。けれど、アッコさんのピアノが上原さんをうまく乗せているし、ビアノでのアッコさんのキラリと光る合いの手で、デュオが益々魅力的に進む。そしてアッコさんのあの声の、あの歌い回しのボーカルが戻ってくると、本当に「さとがえり」したような懐かしい気分になれる。
休憩後にやってくれたアッコさんのソロの弾き語り、やっぱりいい。アッコさんならではのピアノの魅力に浸れ、歌がしみじみと心に入ってくる。「さとがえる」ではやっぱりこれがないとね。それに続いて上原さんが弾いたソロ(Haze)もよかった。穏やかな曲調のなか、延々と続く持続音が、聴く者を遥か彼方に運んでくれる。七色に変化するハーモニーのグラデーション、薄明から徐々に光を増して、まばゆい明るさになり、それがまたゆっくりたそがれて行く風景に溶け込んだ気分。
アンコールで「待ってました!」と言いたい「ラーメンたべたい」が終わり、終演のアナウンスとBGMが流れ始めても、会場のすごい拍手と歓声は全くやまず、再び二人が登場して「グリーンティー・ファーム」をやってくれた。おとなしめの矢野顕子のお客がこんなに熱くなったのに遭遇したのは初めて。2時間50分におよぶライブが終わった。
それにしても、おれたちのすぐ前にいたオッサンは、静かな聴かせどころで何度もデカイ咳をかましていた。「ちょっとダンナ、あんたのその咳、会場じゅうに響いているのわかんないの?」と一声かけたかった。
矢野顕子と上原ひろみは出会って7年になるというが、この二人、かなり意気投合している様子。この前やっていたNHKのSongsでは、一緒にラーメンを食べるシーンがあったが(上原さんは軽く2杯平らげてしまったが、あのパワーとスタミナの元が判明)、ラーメン好きという大事な共通項もあり、これからどんなデュオが聴けるか、益々楽しみだ。