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福島第一原発事故 ~ドイツから届いた3つのメール~

2011年03月16日 | pocknの気まぐれダイアリー
3月16日(水)
今日一日のうちに、ドイツのAさんとBさん、それに、昨日のブログ記事ではメールを紹介しなかったEさんの3人から、原発事故についての同じ警告の内容のメールを受け取った。いつもPCのアドレスにメールを送ってくるAさんが、今日は緊急に携帯のアドレスに送ってきた。

私達は原発の存在について、原発がどんな事態を引き起こし得るかについて、これまであまりに無関心・無頓着だったのではないだろうか(自分も含め)。今回の事故だって、「何やら恐ろしい」ぐらいには感じても、避難勧告域から離れている人達は「避難しよう」と本気で考える人は少ないだろう。

3人からのメールを以下に紹介する。これを「大袈裟な!」と受け止めるのは個人の自由だが、僕はこの善意と心からの心配で送ってくれた警告を真剣に受け止めようと思う。

ドイツAさんからのメール
(3/16 17:15)

避難してください!何と言われようと構いません。もうすぐとんでもなく深刻な事態が起こります。私達のところへ来て下さい!

ドイツBさんからのメール
(3/16 6:34)

ずっとあなたたちのことを思っています。避難してもらいたいのです。こちらに伝わってくる情報は悪いものばかりです。特に原発と核再処理施設が恐ろしい状況に陥るでしょう。多くの日本人が、正しい情報を得られていないと感じ、政府と東京電力に不信感を持っていると聞いています。みんな、公式発表というものが決して真実であるとは思っていないのだと思います。ここ何日も、伝わってくる情報はどれも小出しのものばかりで、状況は刻一刻と悪化していっています。パニックに巻き込まれるのを避けてください。3500万人もの人が住む首都圏のことを考えれば、それは明らかなことです。これほどの人達が、いったいどのように、どこへ避難すればいいと言うのでしょうか。
フランスとアメリカの原子力省は、福島の原子炉事故は国際基準の深刻度で言えば、4ではなく、6に相当すると考えています。この深刻度は最大値でも7までしかなく、あのチェルノブイリの原発事故でもレベルは7だったのです。みなさん家族は東京を離れた方がいいです。風向きが東京に向いて、雨でも降ったら、東京は福島からさほど遠くないので事態は深刻です。特に子供たちに。ドイツの特派員達は、安全を確保するために、全員もうとっくに東京から大阪へ移動しました。
ご家族のみなさん、ご両親にもどうぞよろしく。心からの抱擁を送ります。

ドイツEさんからのメール
(3/16 16:53)

日本の学生をドイツ語研修で以前受け入れた多くのホストファミリー達から支援の申し出がありました。みんな自分達が受け入れた学生達を心配してます。学生でも先生でも、こちらに来ようと思うのであれば、いつでも喜んで受け入れます。みんなホストファミリーの元にステイできます。あなたたちも私の家に来ていいんですよ!
私達はみんなこの事態にうろたえています。そして、最悪の事態を回避してもらいたいと願っているのです!
心からのご挨拶を

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2 コメント

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Unknown (nori)
2011-03-18 06:59:41
はじめまして。
確かに、それほど憂慮すべき事態なのでしょう。
しかし、私は自分だけ助かりたいとは思わないのです。ひとり、あるいは自分の家族だけ日本を脱出して海外に移住したとして、その後心安らかに生きていくことはできません。これは私個人の考えですし、もし今海外に脱出して未来の日本を支えていこうとする若い方々がおられるのでしたら、ぜひそうしてください。逃げるのではないならば、頑張って頂きたい。
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ご意見ありがとうございます (pockn)
2011-03-18 12:13:11
noriさま、貴重なご意見、ありがとうございます。
世界でも最も原発に神経質なドイツで、首都圏に住んでいるドイツ人の避難勧告が出たことが報道され、それを知った友人達があわててこのようなメールを送ってきたのだ、ということが後でわかりました。

いずれにしても、私がこのブログ記事で伝えたかったことは、原発事故がここまで深刻な状況に陥っていながらも、原発からある程度離れていれば「大丈夫だろう」と思ってしまい、いまだに政府や東電の公式発表だけを頼りに、それ以外の備えをしていない人たちが多すぎるのではないか、もっと危機意識を持つべきではないか、ということです。ドイツで同様の事故が起きた場合、ドイツ人を友人に持つ日本人が、「早く日本に逃げてこい」とメールする人がいったいどの程度いるか、ということを考えたとき、日本人の原発への無関心さを思わずにはいられません。

自分もこれまで、原発の深刻な事故が日本で起きるなど想像していませんでした。これは自分の危機管理意識のなさによる自分の責任でもあり、普段原発に反対してもいないで、事故が起きた時だけ、政府や東電を非難するのは筋違いではないかと思うのです。今後は、原発にもっともっとシビアに向き合うべきだ、と強く思う機会になりました。

「我先に人を押しのけてまで自分だけ助かろう」などとは決して思いませんが、確実に自分や家族の命が脅かされるような深刻な事態に至ったときにどうするか、ということは冷静に考え、備えておくべきだ、というのが、今回の事故やドイツ人からの忠告で至った私の考えです。

いまは、そのような事態を回避すべく命がけの作業をしている人たちの安全と、一時でも早い事態の鎮静化を祈るばかりです。
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