facciamo la musica! & Studium in Deutschland

足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

鈴木優人プロデュース:読響アンサンブル・シリーズ 第43回

2024年11月27日 | pocknのコンサート感想録2024
11月19日(火)鈴木優人プロデュース:読響アンサンブル・シリーズ
~第43回~
トッパンホール

【曲目】
1.ヴィヴァルディ/2つのオーボエと2つのクラリネットlのための協奏曲 RV559
2.クセナキス/エオンタ
3.ファリャ/チェンバロ協奏曲
4.リゲティ/13人の奏者のための室内協奏曲
(アンコール)
♪ リゲティ/5つの小品~行進曲

【演奏】
Ob:金子亜未、北村貴子/Cl:芳賀史徳、吉本拓/Pf:北村朋幹/Cem, ハルモニウム:大井駿(4)
鈴木優人(指揮、Cem、Pf)/読売日本交響楽団のメンバー


今年の3月に続いて、鈴木優人プロデュースの読響アンサンブル・シリーズを聴いた。今回もバロックと現代の組み合わせによる意欲的なプログラム。最初はヴィヴァルディ。この時代にクラリネットがソロ楽器として使われたこと、そもそもこの楽器が存在していたことさえよくわかっていなかっただけに新鮮だった。4つのソロ楽器がトゥッティと共に奏でるコンチェルトグロッソタイプの音楽で、読響メンバーの演奏は瑞々しくて活きが良く、艶やかな響きを惜しげもなく放ち、快楽物質を浴びているような心地よさで聴き入った。

続く「エオンタ」はクセナキスの最高傑作ということだが、クセナキスが書いた暴れ回るピアノパートは何だかメチャクチャを叩いている印象。ピアノの北村朋幹はもちろん正確に弾いているのだろうが、間違えてもわかりそうにない音楽だ。この荒々しいピアノと、金管アンサンブルが奏でる厳格なハーモニーとの対峙を描いた音楽なのかも知れないが、プログラム解説を読んで期待したようなクセナキス的なエキサイティングな演奏には感じられなかった。金管アンサンブルにはもう少し攻めの姿勢があってもいいと思った。

ファリャのチェンバロ協奏曲は、コンチェルトというよりトゥッティのパートにもそれぞれ主張があって個性を発揮する室内交響曲的な音楽で、チェンバロもその中の1パートとしてアンサンブルに組み込まれている感じ。チェンバロの鈴木と各パートを受け持つ読響メンバーとの明快で丁々発止のやり取りが、鮮烈で生き生きとした演奏を繰り広げた。ヴィヴァルディのときのような艶やかな響きがここでも冴えていた。

プログラムの締めくくりはリゲティ。読響メンバーの名手ぶりがまたまた発揮された。精巧に作られた音楽を、13人のプレイヤー達は能動的に演奏し、色彩豊かな音色で、緻密かつ刺激的な音世界を届けてくれた。指揮者を含めた3人の鍵盤楽器奏者が入れ替わりピアノに座って連弾で演奏したアンコールでは、視覚的なパフォーマンスも入って楽しく和やかな雰囲気を演出した。

第41回読響アンサンブル・シリーズ 2024.3.8 トッパンホール
鈴木優人×バッハ・コレギウム・ジャパン×千住博「魔笛」 2024.2.22 目黒パーシモンホール
鈴木優人/バッハ・コレギウム・ジャパン 2023.7.16 タケミツメモリアル
鈴木優人/NHK交響楽団 2022.6.23 サントリーホール

pocknのコンサート感想録について
♪ブログ管理人の作曲のYouTubeチャンネル♪
最新アップロード:アンレーデのための五重奏曲「花から花へ」

拡散希望記事!
コロナ禍とは何だったのか? ~徹底的な検証と総括を求める~
コロナ報道への意見に対する新聞社の残念な対応
やめよう!エスカレーターの片側空け
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 深澤芳美とキャロライナシャ... | トップ | 天羽明恵 ドイツ歌曲シリーズ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

pocknのコンサート感想録2024」カテゴリの最新記事