facciamo la musica! & Studium in Deutschland

足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

ヤマハの発表会

2008年10月13日 | pocknと音楽を語ろう!

2008年10月13日(月)
息子が通っているヤマハ音楽教室の発表会があった。息子にとってはグループレッスンからビアノの個人レッスンに替わって初めての発表会。

ピアノのレッスンでは例のJR東日本の駅の発車メロディーが軌道に乗り、pocknも新たな譜面起こしを続けているが、もちろんこれを発表会でやるわけにはいかない。まだ初級の息子に先生が選んだ曲はシューマンのユーゲントアルバム(子供のためのアルバム)の中の「兵士の行進」。小さい子が発表会でよく弾くような子供だまし的な曲でなく大作曲家シューマンのかわいくて元気な小品、いい曲を選んでくれた。

曲をもらった3ヶ月前の息子のレベルはしかしこの曲をマスターできるところに達してないんじゃないかな… と多少不安はあったが、先生が「できる」と見込んで与えてくれたわけだからやるしかない。うちでも気合いを入れてそれまでより毎日のおさらいをしっかりさせた。その他に連弾のピースでディズニーの「イッツ ア スモール ワールド」、 こっちは何とかなりそう。父親のpocknがデュオの相手をすることになった。

ほぼ毎日、時間は30分足らずだがきちんとさらわせた。以前はおさらい中もすぐ関係ないことを始めたりした息子だったが、ちょっと厳しくしたら真面目にやるようになってきた。やっぱりやるときは一生懸命やらないと意味がない。毎週のレッスンで先生が楽譜に書き込んだ注意を中心にさらわせたが、徐々にしっかりと弾けるようになって来た。

連弾の方はひと足早く安全圏に。シューマンの方はうまくいくときもあるがなかなか安定しなかったがこれもほぼOKになり迎えた当日。会場は毎回ここのセンターで使っている自由学園の明日館講堂。大谷石の内装の洋館風講堂で国の重要文化財にも指定されているとてもいい雰囲気の場所だ。こんなところでピアノが弾けてpocknも実は嬉しい。

午前中の第1部は小学生の発表。息子のソロは3番目。じいちゃん、ばあちゃん、両親と姉、それにクラスの友達達が見守る中、緊張した様子で登場し、見ている方もドキドキだったがしっかりした音でちゃんと弾いて親も一安心。

ソロの部のあとに今度は連弾。息子とpocknは5番目。ピアノでは久しぶりに立つステージ。心地よい緊張感。「いちにのさん」と合わせるのではなく、ちょっと格好つけて息を吸って出だしを合わせて弾き始めた。講堂の柔らかな響きでピアノの音が柔らかく聴こえていい気持ち。2人ともほぼノーミスで無事終了できた。ホッ。。。

この発表会は小学生の部が午前中、中学生以上が午後で、ピアノだけでなく声楽やヴァイオリンやフルートなんかの発表もあって多彩でボリュームをあり、9時半開始で昼休みを挟んで全部終わるのは夕方の6時という長丁場。近所の知り合いや息子の同級生、娘の元同級生が何人も出るので殆ど最後まで聴いた。この講堂はとても雰囲気はいいが、椅子が教会の礼拝堂のような木製の硬いベンチなので長時間座っているのはちょっと辛かったが…

聴いていて面白かったのは子供たちの演奏。みんな緊張しつつ一生懸命自分の持ち曲を弾いている姿がいい。みんなよくさらっていてきちんと弾いていたが、この教室の先生方の指導のおかげだろう。たまに間違えたりつっかえたりしてもみんなちゃんと最後まで弾き通すのは立派だ。そして終わったときのホッとした表情を見るとこっちまで安心する。

先生達の演奏も良かった。楽しい連弾が中心で、とくに春畑セロリ作曲の「禁断のソナティック・ワールド」というのが面白かった。ベートーヴェンの有名なソナタをジャズ風にアレンジして「あの曲がこんな風になるんだ!」とびっくりの連続。体育の日にちなんだ「運動会系メドレー」も楽しかったが、これも春畑セロリのアレンジ。この名前、初めて聞いたが面白い人かも。

後半は中高生と一般の部。プログラムにはショパンやリスト、ドビュッシーやガーシュインなどのプロの演奏会用ピースとしても通用する曲がずらり。腕前にはそれぞれ差があるが、ちょっと思ったのは実際の腕前が「これを弾きたい」という思いについていけていない人が多かったかな、ということ。もうちょっと自分のレベルに合った曲を選んでそれを暗譜も含めて「完璧」にして出たほうが、聴いている人達もその人自身も楽しめるのではないだろうか。

なんて偉そうなこと書いてしまったが、そんなこと言っているpocknも中学の頃に突然のようにクラシックに目覚め、ベートーヴェンの3大ソナタなんかを一生懸命自己流で弾いていたことを思い出す。全然思うように動かない指にイラつき、小学校4年生でピアノをやめてしまったことを悔やんだ。それからもピアノを弾くのは好きでまた先生についたりもしながらいろいろ弾いた。

今日発表会でずーっといろんな人の演奏を聴いていたら、なんだかそんな自分の「ピアノ人生」が思い出され、家に帰ってから昔弾いていた曲をいろいろ弾いてみた。ショパン、ドビュッシー、シューマン、ブラームス、モーツァルト、バッハ… ずっと弾いていなかった曲のせいもあるがやっぱりヘタクソだ。これらのうち、取り合えずでも満足に弾けた曲が一体いくつあっただろうか… それでも弾いていると楽しい。思うように指が動いたらどんなにかより楽しいことだろう…

息子がどこまでピアノを好きになってくれるかはわからないが、この自分の思いがあるので、取り合えずは小学生のうちはピアノを続けさせたい。願わくば、自分で「この曲を弾いてみたい」なんて言ってくれると嬉しいのだが… 晴れがましい今日の息子の表情を見てちょっとそんなことも思ったのだった。

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