facciamo la musica! & Studium in Deutschland

足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

深坑~木柵指南宮~猫空

2007年04月17日 | おもしろすぎる台湾
2007年4月1日(日)

今日も朝から晴天で暑くなりそう。ホテルの朝食をパスして去年見つけた近くの朝ごはん屋さんで台湾の庶民の朝食を楽しんだ。途中のテイクアウトのお店もどこも行列ができていて、日曜日でも台湾の人達は早くから活動を始めるようだ。

【豆腐の町 深坑】

MRTとバスを乗り継いで豆腐で有名な町、深坑を訪れた。
MRTの木柵線はモノレールだ。世界一のノッポビル台北101を左に望みながらだんだん山間部へと入るとピクニック気分だ。山を抜けるトンネルを通るのにはちょっと感動。モノレールが山のトンネルを抜けるなんて!

木柵駅からバスに乗り換え。どのバスに乗ればいいか確かめようと近くの人に訊ねたら、日本語で「私達も深坑へ行くから一緒に来なさい」ということになり一緒にバスに乗った。
このバス、舗装道路を走っているのに信じられないぐらい激しく揺れて体がピョンピョンとびあがるほど。でも台湾を偏愛してしまっているpocknはこの揺れさえ何だか楽しい。

バスに乗せてくれたおばさんに「深坑のあとは木柵指南宮へ行くんです」と言ったら
「今日はお盆なのでお詣りの人がいっぱいいますよ」と教えてくれた。
「次で降りるよ」と教えてくれた停留所は誰かに教えてもらわなければ絶対に乗り過ごしてしまいそうなところで助かった。

バス停の前には深坑の老街の入り口にあるとガイドなどに書いてあったガジュマルの木が青々と葉を繁らせていて、そこから始まる老街は人がいっぱいで楽しそう。

深坑の老街には古い建物が並ぶ。臭豆腐の店がたくさんあって店先の鍋で赤い汁に入った豆腐がグツグツいっている。街じゅうに臭豆腐の臭いが…


【上】賑やかな老街には古い建物が並ぶ
【左下】老街の入口には大きなガジュマルの木が生えている
【右下】街は臭豆腐のにおいが漂う


豆腐屋以外にも甘味屋や駄菓子屋、お茶屋、乾物屋などいろんなお店がびっしり並び、歩いていると楽しい。芋圓の店でひと休み。好きなトッピングを3種類選んで40元。このトッピング選びもだんだん慣れてきた。


【上】ここからトッピングを選ぶ
【下】どうですか?おいしそうでしょ!



芋圓屋の店内から通りを眺める

深坑に来たからには豆腐!ということで、古そうで店の中がアンティークな雰囲気のある豆腐屋に入った。

頼んだ豆腐は【下】鉄板黒豆腐と【上】現炸臭豆腐、それに【中】桂竹筍(小振りの竹の子)のスープ煮。

黒豆腐料理はすき焼き風の味付けがとても上品でこくがあってうまい。

初めての体験となった臭豆腐、揚げた臭豆腐を辛い味噌とキャベツの漬物を添えて食べると…
あの臭豆腐の臭いが漂いながらも辛味と酸味がほどよく混ざり、なかなかいけた。

「でも一度試せばもういいだろう?」って? いやいや、深坑に来たらまた食べてみたいと思ったほどです。

筍スープは柔かくて香りがよい筍と、ほんわかした薄味のスープがとっても美味!これは奥さんが感激していた。お店の人に聞いたら筍は台湾では4月から8月が旬とのこと。

ここの山城古厝(サンチャンクーツォ)という店、後で知ったんだが清朝時代の建物をそのまま利用した100年も続く豆腐料理の老舗ということだった。



山城古厝の若ダンナは渋めでかっこいい。うちらのテーブルを気にしてちょくちょく様子を見に来た。この店が紹介されている日本の雑誌を見せてくれた。

あぁ、、でも今こうしてこれを書きながら、豆腐料理で有名な町に来て豆腐料理をたくさん食べるつもりでいたはずなのに、どうして豆腐料理を2品しか頼まなかったんだろう… という後悔が…

プリントアウトしていた深坑のサイト案内を読み返すと、紅焼豆腐ってのもうまそうだったなぁ。。 これはまた来るしかない!

「竹ジュース」の看板と店の前にうず高く積み上げられた青竹の切りくずに引かれて竹ジュースを飲んでみたら、抹茶ドリンクのような味で香りもいい。蒸し暑さでバテ気味の体が竹のようにシャンとした!

台湾の屋台ではまだまだ飲んだことがないような珍しいドリンクがありそう。


【木柵指南宮】(ムーツァズーナンゴン)

木柵指南宮までは深坑からタクシーで行った。
タクシーを降りたところから坂道の参道が山の中腹にある指南宮まで延びている。でも参道に並ぶお店は閉まっているところが多く閑散とした雰囲気。



しかし参道は緑と花に囲まれ、途中には小川も流れていて夏のような暑さの中でも気分がいいし、山の中腹なので遠望もいい。
弛い石段を上っていくとやがて純陽寶殿がU字型に裾を広げる急な石段を従えて建っていた。



ここは多くの人達で賑わっていて、お線香を持って拝んでいたらお遍路さんのような装束のおばさんが「お祈り、神様、こっち」と片言の日本語でいくつもの拝殿を案内してくれるままについて行った。
ひと通りのお参りがすむと、金色の小さなお守りの束を出してきて「いいよ、いいよ」と勧めてくる。「100元、いいよ」と言われても…

案内してもらって断るのはちょっと悪い気もしたが、「やっぱりいいです。案内ありがとう」と言ったらあっさり「はい、はい、ありがとう」と言って去って行った。台湾のもの売りはしつこくなくていい。

でもああいう時は心付けがいるんだろうか?だけど台湾で100元はちょっと高いよなー…

奥には大きくて立派な凌霄寶殿(リンシャンパオティン)が山の中腹に建っている。ここからの下界の眺めは格別。日本語の上手なお寺のおばさんが、去年オープンしたばかりというゾーンを案内してくれた。そこにはキンピカの干支・十干十二支ひとつひとつの60体の神様の像が並び、それぞれの生まれ年とその年に生まれた人の名前が金文字で刻まれて、黄金の部屋に目がくらんだ。

この指南宮は道教のお寺だと教えてくれたが、道教って仏教とは違うのかしら? 帰りがけにそのおばさんは子供たちにキャンディーをたくさんくれた。

戻る途中の石段からの凌霄寶殿の眺めは素晴らしい。緑と花に彩られた中、両端をピンとしならせて天に向かう曲線の屋根を持つこの美しい廟をスケッチしてみた。



猫空へ…

木柵指南宮から木柵鉄観音茶の産地で名高く、茶芸館が点在するという猫空へ行こうと、来る時タクシーを降りたバス停広場でタクシーを探したが全然いないし、いくら待っても来ない。
近くのお店の人に尋ねたらタクシーはないという。電話できないかと聞いたら電話番号を教えてくれたんだけど、pocknの中国語ではとてもこんな寂しいところまでタクシーを呼ぶなんて無理。
「可以打電話嗎?」と頼んで電話してもらったのだが何だか話の雰囲気が芳しくなさそう。どうしてかはわからないがとにかくタクシーは来れないらしい。
電話代で渡した10元硬貨を返してくれて「とりあえずバスに乗りなさい」と言われてるとき、バス停に停まってたバスのエンジンがかかった。
お店の人が慌ててバスまで走って行って、運転手に「この日本人は猫空に行きたいんだけど…」なんて説明してくれている。
そしたら乗客で温和な感じの年輩の男の人がバスから出てきて「とにかくこのバスに乗りなさい」と日本語で教えてくれた。
「猫空(マオコン)に行きたいんです」と言うと
「ネコゾラね!」
と日本読みで言って「私が降りる場所を教えるから、そこからタクシーに乗りなさい。」と教えてくれた。

山を降りるとバスは賑やかな大通りに出た。そこでたくさん走っているタクシーに乗ることができた。お店のにいさんねえさん、バスに乗ってたおとうさん、感謝です!

タクシーはまた別の山道をどんどん上って行く。るるぶ03年には指南宮から猫空まではタクシーで5分なんて簡単に書いてあるけどこれはとんでもない。

猫空でのお目当てはガイド本や台北ナビで紹介されていた縁続縁茶芸(ユェンシューユェン)という茶芸館。蘇州の庭園を模した室内庭園をもちアンティークの内装や家具調度を揃えているうえに夜景も見事というふれこみで、猫空ならここしかないでしょ、と決めていた。

猫空の茶芸館 縁続縁茶芸

タクシーは猫空に入ってからもかなり奥まで入って行き、運ちゃんもしょっちゅう住所を確認してキョロキョロ…
ちょっと不安になったがやっと無事に縁続縁茶芸の看板のあるお店の前で下ろしてくれた。

玄関先からしていい雰囲気! でも奥さんや子供達はその横にあったちょっと安っぽい巨大な急須の噴水に興味を示し、正面の玄関でなくそのまま家の横から庭を通ってテラスの方へ行ってしまった。
「あれれ、こっちからも入れるのか…」とつられてついて行った。これがあとで大きな間違いだったことに気づくことになる…

まぶしくて暑いけど台北101を遠望できる眺めの良いテラス席を陣取り、お茶を注文。やっぱりお茶は地元の鉄観音。
そうそう、茶芸ではお茶請けも欠かせない。どんなお菓子があるか見たい、と店内に入って見せてもらったのは、なんと駄菓子屋によくあるようなガラスケースに無造作に入っている、スーパーで売っているような袋詰めのお菓子… ちょっと茶芸のイメージとは違うような…

とりあえず緑豆糕と茶梅を頼んだらやっぱりその袋ごと渡された。
その後お茶が運ばれて来たが、これまでに入った茶芸館では必ずあった聞香杯(お茶の香りを楽しむための円筒形の茶杯)がない。お店自体もなんかマイナーな観光地のあまりはやってない「展望食堂」って感じで…

やっぱ郊外の山間の茶芸館ってのはこんなもんなのか… と思いながらもお茶の香りやお菓子の味は悪くないし、日が暮れれば夜景がきれいだろうし… と自分に言い聞かせるようにまぶしくて暑い陽射しの中、お茶をすすっていた。

「でもあのガイド本に書いてあった鯉の泳ぐ室内庭園ってどこだろう?とりあえず店先の庭園を見て来よう…」と席を立って入り口付近をぶらぶらしながら見回しているうちに大変な間違いに気づいてしまった。着いた時に見た雰囲気のいい玄関の店と、急須の噴水のあるテラスの店は別の店だったのだ!

ガーン!

何という間違いをしてしまったんだろう! 隣の店ではけっこう高いお茶を茶筒で注文して飲み始めていたし、一人ずつしっかり席料やお湯代も取られてたが、これではずっと後悔しそうだったので二重の出費を覚悟で隣りの店から移動した。

本物の!縁続縁の店内は本当に素晴らしかった。店内にはガイド本に書いてある通りの鯉が泳ぐ室内庭園があり、中国の昔の王宮に入り込んだような錯覚を起こすような見事な内装や家具調度類の数々…



「お茶は飲みますか? もう隣で飲んだんでしょ?」(日本語)

でもここに来てお茶を味わわないなんて有り得ない。ガイド本に載っていたこのお店自慢という桂花鉄観音茶を注文した。

お茶菓子は隣で2袋買ったやつがまだいっぱいあったので、「これここで食べてもいいですか?」と聞いたら「どうぞどうぞ」と言ってくれた。

運ばれて来たお茶はもちろん聞香杯付き。それに丁寧に説明しながら一煎目を淹れてくれた。この工夫茶のやり方はお店によって結構違うので、それを見るために最初はどのお店でも淹れてもらうことにしている。桂花鉄観音茶は鉄観音茶の香ばしさに金木犀の香りがほのかに漂うとてもおいしいお茶だった。

茶芸館というところはこれまで訪れた所もそうだったが、時間がゆっくりと流れ、いつも長居してのんびり過ごすことができる。
持ってきた本を読んだり、ただぼけーっとしたり、子供の相手をしたり店内の調度品や店の中を泳ぐ鯉をながめてぶらぶらしたり・・・ 

辺りが暗くなってきた頃、お店の人が「上で夕焼けと夜景がきれいに見えるから行ってみたらどうですか?」と教えてくれた。
屋上に上がるとそこは大勢のお客でなかなかの賑わい。ひんやりした夜風が心地いい。暮れ行く空の下、遠くに台北101や新光三越などの高層ビルがそびえる台北の町の灯りがキラキラととてもきれいに浮かび上がってきていた。しばらく夜景を眺める…



もっとここで過ごしたかったが、この後小籠包を食べに行く店が9時半までなので、タクシーでお店を後にした。お店の人が笑顔で見送ってくれた。

またいい茶芸館をみつけた。この猫空にはMRT木柵線の終点「動物園」駅から木柵指南宮経由でロープウェイの建設工事が行われていて、ほぼ完成している。今年6月に開通予定ということだが、これが開通すればここに来るのもすごく便利になる。
今度はロープウェイに乗ってまた来たい。


明月湯包の小籠包

MRT木柵線を六張犁駅で降りて10分ほどのところ、大通りのアーケード街の角にある小さなショウロンポウのお店、明月湯包。

去年、この近くの臨江街夜市で食べ歩きするのがメインで、その前にちらっと寄って試しに4人で一籠だけ食べた小籠包の味が忘れられず、今回はここでの食事をメインに訪れた。

小籠包、エビ入り餃子、焼き餃子、デザート系のアンコ入り小籠包やスープなど、全部で8種類のメニューを注文した。例によって近くのコンビニで買った台湾啤酒を飲みながら明月湯包の名品の数々を楽しんだ。またあの極上の小籠包が食べられた。

口に入れた瞬間、去年の感激が蘇る

台湾の小籠包の超有名店「鼎泰豐(ディンタイフォン)」には行ったことがないが(あそこまで有名になってしまうとひねくれ者のpocknは足が向かなくなる。でもあそこのショウロンポウはYOYOさんも本当においしいと言っていた)、明月湯包の小籠包を口にした時の幸せな気持ちは絶対に他には替えがたい!うますぎます!!!

お店はいつでもお客がいっぱい。9時過ぎに来たお客さんは「もうおしまいです」と断られていた。ここの小籠包は台北に来たらこれからも必ず食べたい… となると鼎泰豐に行く機会は益々遠のいたかも。

たらふく食べたあと臨江街夜市を訪ねた。
相変わらずのすごい人出。まだ何か食べられそうな気になったが、子供に買ったレモン愛玉ドリンクを少しもらうだけにしておいた。

残念だったのは去年ガイド本「歩く台北」を見て訪れた「呂記製茶行」というお茶屋さんが、DVDとか雑誌の店に変わってしまっていてなかったこと。あの穏やかなご主人のいれてくれるおいしいお茶がまた飲みたかったなぁ。台北の店は入れ替わりが激しいというが、30年の老舗がなくなってしまうのは寂しい。

またまた出会った台湾での超親切


ホテルへ帰る地下鉄MRTの車内でのこと。

満員の車両に乗り込むと下の子にすぐ席を譲ってくれるのはこれまでも何度も出会った親切だったが、コンタクトの目にゴミが入って辛そうに立っていた奥さんにも前に座っていた若い女の子がサッと席を譲ってくれた。
おまけに自分のポケットティッシュを取り出してそれごと差し出してくれるではないか!

差し出されたティッシュを有りがたく受け取って1枚頂き「謝謝」とお礼を言ってあとは返した。

台湾に数日いるだけで東京では何年生活していても出くわさないような親切に出逢うことがしょっちゅうある。
「台湾人は優しいからね」
YOYOさんの昨日の言葉が改めて身にしみた…


5度目の台湾

おもしろすぎる台湾

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2 コメント

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呂記製茶行 (Unknown)
2007-11-04 14:48:46
残念だったのは去年ガイド本「歩く台北」を見て訪れた「呂記製茶行」というお茶屋さんが、DVDとか雑誌の店に変わってしまっていてなかったこと。あの穏やかなご主人のいれてくれるおいしいお茶がまた飲みたかったなぁ。
台北の店は入れ替わりが激しいというが、30年の老舗がなくなってしまうのは寂しい。

2007年版「歩く台北」には載っていなかったので気になっていました。調べているうちに貴blogに行き着いてやはり廃業と知りました。更に他に問い合わせてみると事情がわかりました。おばあさんがなくなられておじいさん(多分ご主人のこと)も歳なので店を売却して田舎でのんびりと暮らしているとのことでした。
本当に私も残念に思います。よいお茶屋をまた探さなければなりません。
余談ですが今回調べていてblogでも当日よりも随分前の話を日付なしで書いてあって迷わされる場合があるのに気がつきました。貴blogのおかげで1歩進み調べがつきました。
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Re: 呂記製茶行 (pockn)
2007-11-05 00:21:12
呂記製茶行の事情を教えてくださりありがとうございます。あのお店には、ご主人のお孫さんぐらいの年頃の娘さんがいたように思いますが、お茶屋は継がなかったのですね… 奥さんが亡くなったというのはお気の毒ですが、とにかくあのご主人がお元気で暮していると知り何だか嬉しくなりました。
別のページ書きましたが、この前は新純香という良いお茶屋を見つけました。どこかまたいいお茶屋を発見したら教えてくださいね!
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