漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1068

2022-10-02 05:13:06 | 古今和歌集

よをいとひ きのもとごとに たちよりて うつぶしそめの あさのきぬなり

世をいとひ 木のもとごとに 立ち寄りて うつぶし染めの 麻の衣なり

 

よみ人知らず

 

 世を捨てて木々の元に立ち寄り、うつむく私が身に着けるものは、うつぶし染めの麻の衣なのであるよ。

 第四句の「うつぶし」に、「うつぶす(うつむく、下を向く)」と僧衣を染める黒い染料の「うつぶし」を掛けています。後者は漢字で書けば「空五倍子」ですね。

 68首を採録した巻第十九「雑躰」はこれで読み切り。明日からはいよいよ最後の巻、巻第二十「大歌所御歌」の歌群のご紹介です。



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