漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1066

2022-09-30 06:26:56 | 古今和歌集

うめのはな さきてののちの みなればや すきものとのみ ひとのいふらむ

梅の花 咲きてののちの みなればや すきものとのみ 人の言ふらむ

 

よみ人知らず

 

 私は、梅の花が咲いてその後にみのる実のような身だから、酸き物ならぬ好き者だとばかり、人は言うのだろうか。

 第三句の「み」には「実」と「身」、第四句の「すきもの」には「酸き物」と「好き者」がかかっています。皆に賞美される梅の花に大してあまり目立たず、取り上げられることも少ない梅の身に準えて、あまり人から見向きもされないわが身を憂いての詠歌です。寂しい歌ですね。



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