漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1060

2022-09-24 06:31:35 | 古今和歌集

そゑにとて とすればかかり かくすれば あないひしらず あふさきるさに

そゑにとて とすればかかり かくすれば あないひ知らず あふさきるさに

 

よみ人知らず

 

 そうだからといって、ああすればこうなるし、こうすればああなるしで、もうどう言ったらいいのかわからない。食い違いばかりで。

 一体何を言いたいのか良くわからないにもかかわらず、非常に特異で印象的な歌ですね。「そゑに」は「それゆゑに」が縮まった形。「とすればかかり かくすれば」も「とすればかくあり かくすればとあり」が縮まった表現で、このあたりが独特のリズムを生み出しています。最後の第五句は「合ふさ切るさに」で、物事がうまくいかないさまを表しています。



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