そゑにとて とすればかかり かくすれば あないひしらず あふさきるさに
そゑにとて とすればかかり かくすれば あないひ知らず あふさきるさに
よみ人知らず
そうだからといって、ああすればこうなるし、こうすればああなるしで、もうどう言ったらいいのかわからない。食い違いばかりで。
一体何を言いたいのか良くわからないにもかかわらず、非常に特異で印象的な歌ですね。「そゑに」は「それゆゑに」が縮まった形。「とすればかかり かくすれば」も「とすればかくあり かくすればとあり」が縮まった表現で、このあたりが独特のリズムを生み出しています。最後の第五句は「合ふさ切るさに」で、物事がうまくいかないさまを表しています。