#アララギ系 新着一覧
干潟の日の歌：尾崎左永子の短歌
・死滅せし海苔のたぐひの漂はん干潟の沖は日をたたへゐる「彩紅帖」所収。「浦安周辺」と題する連作の一首。一首でも独立性がある。「短歌が一首でも鑑賞できるように」という作者の矜持だ。都市化が...
厚き霧の歌：尾崎左永子の短歌
・厚き霧この窓外にきしみゐんあかつきがたに霧笛とどろく「彩紅帖」所収。神経が過敏になる...
自分を虐げ辛子を溶く歌：尾崎左永子の短歌
・充つるなき日終わらんとして自らを虐ぐるごと辛子溶きをり 「彩紅帖」所収。 自己凝視強...
地下街で連れ去られてゆく雛鳥の歌：尾崎左永子の短歌
・地下街を歩み来しとき無心にて連れ去られゆく雛のもろ声「彩紅帖」所収。どこの地下街か、...
目に見えぬ不安の歌：尾崎左永子の短歌
・透明のゆゑの不安か上層の広き窓よりつづく快晴「彩紅帖」所収。 不安には形がない、目に...
独りの喪・深い悲しみの歌：尾崎左永子の短歌
・冬の苺匙に圧（お）しをり別離よりつづきて永きわが独りの喪 「さるびあ街」所収 自己凝...
われを責むるものを感じる歌：尾崎左永子の短歌
・殻うすき鶏卵を陽に透かしつつ内より吾を責むるもの何 作者は鶏卵を陽に透かしている。今...
悲しい夕餉（白き独活）の歌：尾崎左永子の短歌
・悲しみをもちて夕餉に加われば心独りに白き独活食む 「さるびあ街」所収 悲しみの歌だ...
反響のない草原・孤独の歌：：尾崎左永子の短歌
・反響のなき草原に佇つごときかかる明るさを孤独といふや 「さるびあ街」所収。歌意に難解...
辛夷のつぼみの歌：尾崎左永子の短歌
・あらあらしき春の疾風（はやち）や夜白く辛夷のつぼみふくらみぬべし「さるびあ街」所収。...
薄明の意識を詠う：佐藤佐太郎の短歌
・薄明のわが意識にてきこえくる青杉を焚く音と思いき 「歩道」所収。 「薄明」は薄明り...